みなさん、こんにちは。
前回の記事では、気づかないうちに受けたトラウマが子供の人生を破壊していることが意外に多い、というお話しでした。
そして、そういったトラウマ体験を生み出さないために、親であるみなさんに意識して欲しいことをお伝えしました。
前回の記事 >『子供のトラウマが人生を破壊する』
今回はその続きとして、実際に事故やトラブルなどを受けてしまった際に、トラウマ化させないための対処法を学んで頂きたいと思います。
本当は母子手帳にでも書いていて欲しい内容なのですが、
トラウマ解消法というのは、医療の世界でも長年有効な手立てが見つからないままで、
今でも病院では薬を処方することしかなされていません。(ですが薬ではトラウマは解消しません)
心理療法の世界でもトラウマの解消方法は長らく謎だったわけです。
それが最近になって、アメリカのピーター・リヴァイン博士の天才的な仕事によって理論と実践が確立されるに至りました。
ここで書く方法も、氏の提供している理論に基づいています。
さて、では実際にどのような場面でトラウマに注意しなければならないのか、そこから進めていきましょう。
注意して欲しいのは以下のような場面です。
【トラウマ化の危険が潜む4つの場面】
1)怒られる体験
両親や先生からの恫喝するように叱られたり、母親のヒステリーなどは、小さい子供にとっては圧倒されるような恐怖であり、トラウマの原因となります。
2)激しい夫婦喧嘩やDVの現場
カウンセリングで一番多いのがこれです。
自分が叱られるのではなく、両親が戦っているのを見ることでトラウマ化するのです。
子供はお父さんとお母さんに強い愛着と忠誠心があります。
ですので、夫婦喧嘩に対して心理的に「怖い!逃げよう!」とはならずに、怒られてるお母さんを守らなければ!と小さい身体で思います。
その結果、時には当人である母親以上のダメージを請け負ってしまいます。
ですが、自分が怒られたわけでも暴力を振るわれたわけでもないので、トラウマ化していることに非常に気づきにくいのです。
3)いじめや暴力
最近は「いじめ後遺症」などと呼ばれていますが、これはトラウマのことを言っています。
家庭環境が良いと(つまりサポートしてくれる親がいると)比較的簡単に解消します。
4)事故や怪我とその時の親の反応
交通事故や、大きな怪我をした時などはトラウマ化することがあります。
その際に事故そのものよりも、
それを見てうろたえている親の反応を見て怖くなってトラウマになるということが意外に多いものです。
以上です。
子供がこのような場面に遭遇したら、親であるみなさんは、少し注意してその子を見てください。
子供は何もなかったこととしてやり過ごそうとする場合もあります。
でも、そこで立ち止まって「怖さ」を身体に残さないように、怖さを感じる必要があることを伝えましょう。
そして、トラウマ解消の手順は以下のようになります。
【トラウマ解消のステップ】
1)その場面に身を置いたつもりになって、身体の反応に意識を向けてもらいましょう
恐怖に身体がこわばったり胸がざわつく感じがするのですが、その感覚から注意をそらさずにしばらく感じているように促します。
例えば「大丈夫だよ。大丈夫だよ。」と、ことさらに強調することは、恐怖の拒絶することにつながり、感じることを邪魔します。
そうではなく、「大丈夫だから、ゆっくり感じてごらん。私も一緒に受け止めてあげるから」と、
2)軽くハグをしたり、肩を支えてあげましょう
子供にとって圧倒されるような恐怖は、一人では感じきれずに身体が固まってしまいます。
そこで親である私達が身体的にサポートしてあげることが大切です。
大きな恐怖は安心の中でしか感じられないと思っていてください。
そしてそのサポートの際に、親である私達が安心してリラックスしていることが非常に大切です。
親が恐怖や不安を感じていると、それが子供に伝染します。
最も安心している人が、サポート役をしてください。
3)感じていると自然に身体が恐怖を発散していくことを伝えましょう
ハグしてサポートしながらゆっくりと恐怖を感じてもらいながら、恐怖が自然に発散されていくプロセスを信頼していてください。
その際に伝えてあげると役に立つのは次のようなことです。
「もう今は安全だからね。大丈夫だからゆっくりと感じて良いよ。」
「そうやって感じていると、身体は自然に怖さを身体から追い出していくからね。」
「もうそれ(怖い体験)は終わったことだからね。今はもう大丈夫だから、ゆっくり怖さを味わって。そうしてると怖さが終わっていくからね。」
そうやって2~5分ほど、恐怖に集中してもらうと、自然に恐怖は身体から抜けていきます。
【簡単に言うと?】
簡単に言うとこんな感じになります。
「お? どうした? 怖かったな。 こっちおいで!」ギューっとハグして。
「そうか怖かったなぁ。お父さんが守ったるから、怖いの感じてみ? 身体のどこが怖いっていってる? そうそう。そうやって感じるんや。 ととも一緒に感じたげるからな。 うん。そうそう。そうやって感じてたら身体から怖いの抜けていくからな。
大丈夫やからな。ゆっくり感じ。そうそう。」そう言ってしばらく守ってあげながら怖さを感じるサポートをしてあげるわけです。
【どうしても難しい場合】
どうしても上手く行かない場合。
明らかにトラウマ的な怯え方をしているのに、解消が進まない場合は、プロにご相談ください。
カウンセリングの現場でトラウマ処理をしていると、プロセスが複雑になっているケースに行き当たることが多いです。
例えば恐怖を感じること自体が禁止されていたりする場合です。
怖さを感じるよりも、暴力を振るわれているお母さんを助けなければ!という思いのほうが強くて、恐怖の感情が消えてしまうケースもあります。
そういった際は、その時々で対処する方法が変わりますので、プロのセラピストにご相談ください。
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