子供のトラウマが人生を破壊する | 心理カウンセラーの魔法の子育て

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みなさん、こんにちは。

今日はお子さんの人生を壊してしまわないために『トラウマ』についてお話ししたいと思います。


トラウマ…? 


それってうちの子にも関係あるの?


と思われたかもしれません。


ですが、カウンセリングでクライアントさんの相談に乗っていると、幼少期のトラウマがどれほどその人の人生を破壊していくか、

それはもう嫌というほど目の当たりにするのです。


ですので、どうしても子育て中の皆さんに知っておいて欲しいのです。


例えばこんな例があります。

その子は学校の成績は良いのに、大学受験というここ一番の勝負時になって緊張で頭が真っ白になり、何も考えられなくなって、

受験を2度も失敗して浪人をしていました。


なぜ自分は本番になるとこんなに緊張するのか。


メンタルが弱いのか。


そう悩んでセラピーを受けに来られたのです。


その子の緊張反応の原因がどこにあるのかを見ていくと、身の縮むような恐怖感とともに、子供の頃のトラウマ体験が出てきました。


それは、小学校の頃に参加していた少年野球で、コーチに怒鳴られたり叩かれそうになった体験でした。


そんなことで?


と思われたかもしれません。

でも当時、まだ小さい身体をしていた小学生のその子にとって、大きな体格をしたコーチの怒鳴り声は、受け止めきれないほど大きな恐怖感として身体に保存されたのです。


その恐怖反応がここ一番の勝負時に身体に現れて、頭が真っ白になり実力が発揮できなくなっていたわけです。


心理療法でその恐怖感を抜き取る(トラウマ処理する)ことで、

その子は受験の時にも頭が真っ白になることが無くなり、落ち着いて試験に取り組むことができるようになり、

無事、志望校に合格することができました。


この子の場合は、まだ大学受験のこの時期に気付くことができたので良かったのですが、

もし、このままトラウマ処理ができないままに人生が進んで行ったらどうなっていたのか。

それを思うと怖いものがあります。


受験の度に頭が真っ白になって実力が発揮できなかったでしょうし、

就職した後も、大事な場面で頭の中が真っ白になり、本来の実力を発揮できない人生になっていたことでしょう。


そして、普通はその理由がトラウマだとは誰も気付きません。


本人は「俺はなんて心が弱いんだ!!」と自分を責めるでしょう。

周りは「お前は実力はあるのに本番に弱いのが残念だ…。」と失望するでしょう。


そしてそれでも本人ではどうしようもないので、悔しいながらもやがてはそれを受け入れ、

自分はそこまでなんだと、本領を発揮できない人生を生きることになります。


でも、そんな人生になってしまった理由が、


少年野球のコーチの罵声です。


ご両親もきっとこの子を強い子にしたいと願いを込めて少年野球に参加させて、サポートしてきたのでしょう。

それがこんなにも脆く崩れてしまうのです。

そう思うと怖いですね。


特に幼い子供はとても些細なことでトラウマ化しやすいものです。

ですので、このブログを読んでくださっている親御さんには、トラウマについてしっかり理解しておいてもらいたいのですね。


・トラウマとは何か? 

というある程度の知識と、

・トラウマを作らないために親が心がけること

・トラウマを残さないための解消法

の3つを学んでいただき、お子さんの未来を守っていただきたいのです。



【トラウマとは何か?】


まずは1つ目。トラウマとは何か?というお話しです。

トラウマとは簡単に言うと、その時に処理できなかったショックや恐怖感が、そのまま体に残っている状態だと思ってください。(専門的にはいろいろ言い方がありますが、ここでは簡略化してお伝えします)

感情というものは身体に発生するエネルギーで、それは本来、感じると解消されていくものです。

悲しみにしろ恐怖にしろ、それを味わって泣いたり怖がったり震えたりすることで感情エネルギーは体から抜けていくのです。


でも、身体がまだ小さい子供は、大きすぎる恐怖を体験すると、

自分には手に負えずに身体をフリーズさせてしまい、感情を感じられないままに残してしまいます。


先の例で言うと、少年野球のコーチの怒鳴り声も、もし高校生だったら自分の身体の神経で十分に受け止め解消することができたでしょう。

でも、身体の小さな小学生の神経には手に負えない怖さだったため、

未解消のままトラウマ化したわけです。


そしてその恐怖が体に残っていると、小さな刺激でその恐怖反応(震え・パニック・発汗など)が発動するようになります。


その結果、以下のような症状が出るリスクが高まります。


・トラウマ体験を境に急に性格が変わったようにネガティブになったり、怖がりになる。

・眠れなくなったり周りの音に敏感になったり、ストレスに弱くなる。

・大人になった後も、試験やプレゼンなどで緊張が強く、頭が真っ白になって実力を発揮できない。

・会社で上司に怒られただけでも大きなダメージを受けて、会社に行けなくなったり、うつになる。

・対人恐怖や不登校、無気力や引きこもりになる。

などなど。

どれも人生に大きく損なうものばかりですね。


お子さんのために習い事をさせて教育を与えることも大切ですが、それと同じ程度、もしくはそれ以上に、こういったトラウマを残さないことを意識していただければと思います。


たくさんの人の人生を見て思いますが、長期的に成功して幸せな人生を生きている人というのは、

その人に能力があるかどうかや、頭が良し悪し以上に、

その能力をどのような状況下でも『安定して発揮することができる情緒』を備えているかどうかにかかっています。


能力よりも、いつでもそれを引き出せる心の安定の方が長期的には力になるのです。


だから、それを経験的に知っている企業は圧迫面接でプレッシャーを与え、その状況下でその人の脳がちゃんと働くかどうかをチェックしているわけですね。

能力があるかだけではなく、過酷な状況下でも能力を『発揮できるか』を見ているわけです。


親である私達も、子供に能力を与えるための教育と同じように、それをいつでも発揮できる安定した情緒を育ててあげることが大事です。

それは、「小さなトラウマも残さない」という努力によって可能です。

そこで次のワードが出てきます。


【子供にトラウマを残さないために心がけること】


では、お子さんにトラウマを残さないために、親である私たちはどのようなことを心がけておくべきでしょうか。

そのためには、まず基本は、


・あまりに怖い体験はさせない


ということですね。

例えば、子供に怒ることも大切ですが、その子がパニックになったり震えだしたりするような怒り方は行き過ぎです。

その子の神経が限界を表しています。

ガツンと雷を落として気合を注入したいときは、子供への怒りや攻撃ではなく、喝!を入れる気持ちで愛情を持ってガツンとやってください。

そうすれば、それはトラウマを残しません。

そして、次の2点です。

これが意外に大事なのですが、


・感情を感じることを禁止しない


・怒るときは追い詰めすぎずに逃げ道を与える


ということです。

大きな事故や暴力によって子供がトラウマになるのは分かりやすいのですが、

実はもっと些細な事で子供はトラウマ化しています。

それは、「恐怖を禁止することによって」なされます。

逆に言うと子供をトラウマ化しようと思うと、次のようにすれば簡単です。


・延々と何時間も叱り続ける(逃げ道を与えない)

・泣いたり怖がったりしたら「泣くな!」と感情を禁止する。


そうすると禁止されて行き場を無くした恐怖や悲しみのエネルギーは身体に蓄積されていきます。


それは何かのタイミングで発動するので、その子の情緒の安定感という、最大のリソースを奪うことになります。


怒るのは良いのですが、逃げ道を与えて、泣いたり怖がったりする時間をじっくりと与えてあげてください。


覚えておいてください。


「泣くな!男だろ!」「ビクビクするな!」「しっかりしろ!」


というようなメッセージは、逆に子供を怖がりの弱い子に育ててしまいます。


どんな状況でも情緒が安定して能力が発揮できる子というのは、

恐怖や悲しみという感情を受け入れることによって、その都度ネガティブエネルギーを放出することができる能力を身に着けているのです。


では、トラウマはどのように解消できるのでしょうか?

それについては次回に深めるとして、今日は一旦これまでの学びを整理しておきましょう。


【今日のまとめ】


・本人も気づかないところでトラウマの影響を受けて人生を壊されてる人が意外に多い。

・人の幸せや成功に影響をおよぼすのは、「能力」よりもそれをどんな状況下でも「発揮できる安定した情緒」である。

・トラウマとは解消できなかった感情の残留エネルギーである。

・トラウマ化しないためは

1)子供に大きすぎる恐怖を与えないこと。

2)恐怖や悲しみなどの感情を感じることを禁止しないこと。

3)叱る時も逃げ道を与えて、決して追い詰め過ぎないこと。

・「泣くな!」「ビクビクするな!」「しっかりしろ!」というメッセージは子供を怖がりに育ててしまう。



以上です。


次回は、トラウマをどのように解消するのか。

我が子が事故や怖い目に会った時にどのように対処すれば良いのか、その方法をお伝えしたいと思います。

ご期待ください。


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