全ての人は、無明の闇によって視界を奪われているために、どちらに進むべきか分からず、いつまでも迷い苦しんでいる。

 

親鸞聖人は、そう教えました。

 

それはつまり、無明の闇さえ晴れてしまえば、全ての人は、進むべき方角がはっきりと分かって、迷わずに歩いていけるということです。

 

無明の闇が晴れて、進むべき方角がはっきりと定まる。

 

そのような変化が起こることを、回向えこうと言います。

 

回向とは、向きが回ると書きます。

 

それまで、人として生きている間に起こることが全てだと思って、人として生きている間に、どれだけ成功するか、どれだけ楽しい思いをするか、そればかりに夢中になっていた心の向きが、くるりと回って、阿弥陀仏に救われて極楽浄土へ生まれたいという方角にぴったりと定まる。

 

それが、回向です。