万般の準備を整え、頃おいを見て小面憎い跳ねっ返りに富くじを持ちかけて肝を潰させるつもりだ | スポーの“ここがヘンだよ闘牛士!”

十六日(土)
午前二時前に寝る。

午前十時くらいに起きる。休日。
散髪。買い出し。
横山秀夫『半落ち』を読む。
いやはや、最後の最後にとんでもないプレゼントが用意されていた。読後感は爽快である。
しかし一方で、ちがうな、と思う。リアルの裏書きがうるさく感じる。ここまでやる必要はないし、こういうことがしたいのでもない。僕が物したい娯楽は、清張が揶揄したところのお化け屋敷の掛け小屋なのだと。

十七日(日)
午前二時半くらいに寝る。

午前十時半くらいに起きる。休日。雨。
ジタバタするのが当然なのだ。ジタバタもせずに天啓を待っていると、何もなく時間は過ぎるだけ。試行錯誤しーろ。

十八日(月)
午前零時すぎに寝る。

午前八時前に起きる。仕事。
やっぱり、こんなに良質なサスペンスを読んでいると……いま考えてるのはちがう気がするよな。面白いと思おうとしているだけなんじゃないか? そりゃヴァン・ダインは面白いよ。しかし、僕の初期衝動はばくちであり、ハードボイルドであることは間違いない。それにいまの思考では、本格をやろうとしながらも、ばくちが全輪になろうとしている。ダメダメ。モラでも、あくまでサイドストーリーだから活きたのだ。ばくちばっかりじゃつまらん。それは絶対に。まァ、山越のような例もあるが、あれもサイドが絡んでいる。そして山越はハードボイルドミステリーだ。

十九日(火)
午前二時すぎに寝る。

午前十時に起きる。有休。
ここ最近ずっと思案していたが、早くに起きたことだし、平日昼間だし、血迷ってTBTへ。
駅は綺麗になっていた。録音の動物の鳴き声がこだましている。街は何も変化なし。さっそくオッサンに絡まれてダベる。人情の街やなあ。故郷に帰ってきた気分。足が棒になるほど歩き回り、熟考の末、青春のT島へ。僕自身、ひさびさすぎてハンチクだったが、おおむね当たり。相手がいまは亡きDYSK出身の京女で、予告なしにDYSKが滅亡した舞台裏を聞かせてもらった。やっぱりTBTは素晴らしい。

二十日(水)
ひたすらO糖の応募ハガキの作成。めちゃくちゃ大変。
本格だとか、そんな縛りなく、ミステリーを書きてえなあ。いま読んでるのを終えたら、警察のことは調べよう。章の入れ替わりで倒叙は面白いな。
午前二時すぎに寝る。

午前十時くらいに起きる。休日。
春の嵐の中、買い出しと応募ハガキ投函。帰ったとたんに晴れる。かと思えば、また暴風雨。
残り時間のやるせなさ……そうだな、無駄なことをしているあいだにも、刻一刻とタイムリミットは近づいていく。まずは足もとの一歩を意識して。
ひょんな流れでMSMと電話。展開が速すぎる気がするが。

二十一日(木)
午前零時半すぎに寝る。

午前八時前に起きる。仕事。

二十二日(金)
午前零時半すぎに寝る。

午前八時前に起きる。仕事。

そういえば、S氏も似たような設定で書きまくってるよな、と思う。それも自分の経験した職業で。でも、初期はいろんなことをやらされている。たしか理由は、力をつけるため、だったか……。なら、僕とて同じようなことばかりはできんか。
魔が差して、TBTへ。週に二回はまずいだろ……。しかし、週末の夜というゴールデンタイムの人通りも見ておきたいという名目で。めちゃくちゃ混んではなかったが、そこそこ盛況。かつて通いつめていた傾城Nがいるんじゃないかと訪ねてみると、ホントにいた。久闊を叙して、話をしているうちに三十分をゆうに超えて四十分。タイマーが鳴らない、というか、おばちゃんが鳴らすのを忘れていたというトラブルである。追加料金を請求されるんじゃないかと身構えたが、そんなことはなく。まったく、いい時間だった。なつかしい。
かえすがえすも、傾城N……ものすごいバイタリティやないかい。負けてられへんぞ。