碁盤縞をまとった愚物が宵々ぬけだして蛍合戦を見ていたらしいが、斟酌してうべなった | スポーの“ここがヘンだよ闘牛士!”

十六日(土)
午前四時すぎに寝る。

午後一時に起きる。休日。雨につき、蟄居。
青本雪平「ぼくのすきなせんせい」を読む。
性別逆転トリックは見え透いているが、逃亡者二名の邂逅と逃避行は妙な味わいがあり、過去を打ち明ける流れにもなぜか納得させられる。もはや最後、もう一方のキャリーケースが云々と書くのは野暮に映る。ここまできたら読者を信じてみるのもいいだろう。

十七日(日)
午前五時半くらいに寝る。

午後二時に起きる。休日。
ツタヤに行ったら混んでたので地元まで帰り、近くのゲオでK田サンおすすめの映画二本のうち一本は借りようと思ったら、なく、ファミマでTカードを作ろうと思ったら、いまはツタヤでしかTカードは作れないらしく、結局またツタヤまで遠乗りして、Tカードを作り、映画の一つは借り、もう一つは取り寄せ注文。

十八日(月)
カミュ『ペスト』を読む。
ある日、フランスの植民地であるアルジェリアのオラン市をペストが襲う。市の門は封鎖され、疫病によって次々と市民は命を落とす。不条理と戦いつづける医師のリウーを主人公にして、じつに味のある人物たちの生きざまを描いている。息子をペストで失った判事・オトンは、愛に目覚めたあげくに自分も疫病で没する。神父のパヌルーは神による救済を得られずに死ぬ。部外者のランベールはオラン市から恋人の待つパリへ逃げる工作をくりかえすが、そのうちに人びとを見捨てることができなくなり、残留する。犯罪者のコタールは追及の手から逃れられたことからペストを是認していたが、終息後に気が狂って警察に射殺される。
世にあるほとんどの小説が個人のモラルに基づく物語であるのに対して、この小説はペストという不条理に立ち向かう群衆の連帯的な倫理観を確立させていることに成功している。これは凄いことだ……。天災というものがある限り、人は真の意味での自由は得られない。
午前六時くらいに寝る。

午後二時に起きる。特別休暇。
携帯の機種変更。設定作業に没頭。以前、外付けHDDがお陀仏になった関係でiTunesも一新され、曲数が激減したが、むしろ新鮮。増やしていく楽しみができたかもしれん。

十九日(火)
午前五時すぎに寝る。

午後一時くらいに起きる。特別休暇。
買い出し。エヴァンスやらミンガスやらソニー・クラークやらのCDを借りに行く。一枚百円くらいで借りられるのかと思っていたが、案外高いんだね……。映画は安いのに。帰って焼き作業。

二十日(水)
『転々』を観る。
大学六年生で借金八十万を抱える法学部学生の文哉。彼のもとへ借金取りの福原という男がやってくる。厳しい取り立てがはじまるかと思いきや、福原は文哉に、散歩に付き合え、という。そうすれば借金はなくなる。彼は妻を傷害致死で殺してしまい、警視庁まで自首しに行く旅のお伴が欲しいのだ。借金がなくなるなら……と文哉は仕方なく同行する。しかし東京散歩をつづけるうちに、両親に捨てられた過去を持つ文哉と、息子も幼くして亡くしたあげくに妻にも裏切られた福原のあいだに、奇妙な疑似親子の絆が生まれる。最後、自首を止めようとした文哉の目をかすめて、福原は出頭する。
面白い。延々と観ていられる気がした。作中ユーモアに充ちており、けっきょく死んだ妻のことが出頭するまでバレないというのも意外性があって良し。
午前四時すぎに寝る。

午後二時半くらいに起きる。特別休暇。
栗林すみれトリオの『TOYS』が届いたので、取りこみ作業。
携帯の液晶フィルムも届いたので、埃のない風呂場でミリ単位の貼りつけ作業。たぶん成功。
借りていたCDとDVDを一挙返却。取り寄せ注文していた映画DVDが届いたので、新たに借り入れる。
買い出し。
一番はじめに書いた雑文……懸賞雑文を読み返して修正。いやー、青いなァ。さすがに最低限、直すべきところは直し、刷って封じた。

二十一日(木)
『酔いどれ詩人になるまえに』を観る。
転職をくりかえしては辞め、アルコールに溺れる日々を送るチナスキー。しかし彼は作家になるという野望を抱いており、どんなに退廃的な生活を送っていようと、その芯だけはブレずに書きつづけている。場末のバーで知り合ったジャンとねんごろになり、ギャンブルでひと儲けを図るが、長続きしない。親に泣きつくも、自棄になって不用意な発言をして勘当される。新たにできた女も淫売同然。結局ジャンとヨリを戻すが、こちらもやはり淫売と変わりない女で、金持ちの家に転がりこんだ。そのころ、チナスキーの原稿がやっと採用になったが、住所不定の彼にその報せが届くことはなかった……。
あまりにも自暴自棄で、やぶれかぶれで、観ていてちょっとツラいものもあった。勝手に生きろ――とはいっても、人生は思ったより長いのかもしれない。さて、どこで折り合いをつけるか、なんてことを自分事のように考えたりもした。
午前五時前に寝る。

午後一時すぎに起きる。特別休暇。
郵便局でauの携帯返却キットを受け取り、懸賞雑文を投函、ツタヤでDVDを返し、スーパーで一玉百円のレタスを買い、コンビニで一服、クリーニングを引き取る。帰って返却キットに携帯を嵌めこみ、封じたときにパンを買い忘れたことを思い出し、ふたたび外出。投函、パンを買い、携帯ケースも百均で買い直し、コンビニで一服、帰途。
夜、関西三都の緊急事態宣言が解除になる。同時に、六月一日からの出社が決定。あっという間の長期休暇だったな……。

一時間ほど仮眠。

二十二日(金)
午前六時すぎに寝る。

午前八時半に起きる。特別休暇。
使うかどうかわからないネットキャッシングの増枠承認通知が届いた。
あと一週間で休みも終わってしまうので、名医を予約して足りてないお薬を処方してもらう。こまごましたことは、すべて済ましておきたい。
帰って昼寝。
夜、センセから山越雑文が返送されてくる。うーむ、なるほど。大きな改変はなさそうだ……もちろん直しは一筋縄ではいかなさそうだが。とりあえず明日、ワデンしよう。長屋雑文をやろうやろうと思っていたけど、やっぱりまずはコッチを仕上げるべきか。