家族間での心血管疾患とうつ病の関連を明らかに-配偶者の心血管疾患により個人のうつ病リスクが増加-
https://research-er.jp/articles/view/132734
(注)心血管疾患(CVD)
心臓や血管の機能異常によって引き起こされる病気の総称であり、心筋梗塞や脳梗塞などの病気が含まれる。CVD, cardiovascular disease.
これまでの研究により、個人レベルではCVDとうつ病には様々な関連が存在することが報告されていました。一方で、個人のCVDがその家族のメンタルヘルスにどの程度影響しているかは明確な検証がされていませんでした。
本研究では、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入する世帯主(被保険者)とその被扶養者を対象とし、被扶養者の CVD 発症(脳卒中、心不全、心筋梗塞)の有無における世帯主のうつ病リスクの変化を比較しました。
その結果、被扶養者が CVD を発症した家庭では、そうでない(被扶養者が CVD を発症していない)家庭に比べて、世帯主のうつ病リスクがより高く認められました。また、被扶養者の発症した CVD がより重症である場合、世帯主のうつ病リスクがより高くなることが示されました。
本研究結果は、配偶者がCVDを発症した際に、そのパートナーに対してメンタルケアを提供する重要性を示唆しています。
疾病がその症状だけではなく、二次的に不安を伴う心労があります。
それは、本人はもちろんのこと、配偶者にも起こり得るということでしょう。
おそらく心血管疾患だけではないでしょう。
ガンや認知症、そのたの慢性疾患や、リウマチやパーキンソン病などの難病や進行性疾患も含まれる。
心理的ケアが必要となりますね。
ただ、多くは心理ケアの専門科にたよるのではなく、看護師の対応や家族・友人との語らいで、随分と緩和されるのではないかと思っています。介護保険を使っているときには、ケアマネに相談してもいいと思います。
もう一つ。
ここでは「うつ病」とだけしか書かれていませんが、一言で「うつ病」といっていも重篤なものから、意欲低下や食欲低下が中心の軽症のものまで含まれます。
症状の一つの不眠にも、入眠困難(寝付けない)、早朝覚醒(とても早い時間に覚醒し、その後眠れない)などあります。
それぞれに、対応が違いますから、生活が滞るときには、専門科に相談してください。
悩むことや心配することは本来的な反応ですから、それを受け入れるのにちょっと時間がかかっているだけなのです。
↓出来事と思考、結果としての感情について説明しています。気楽にご笑覧ください。