「〜しない」という思考停止 | 心模様とガラス玉演戯(役立つ心理ポイント)

心模様とガラス玉演戯(役立つ心理ポイント)

交流分析やサイコドラマ・心理学について書いています。また、好きな本の引用など。

人はしばしば、あることをやめることを目的にしてカウンセリングにやってくる。
クライエントは、否定的な言葉で最初の目標を述べるであろう。

・親戚との喧嘩を「やめる」ように。
・喫煙を「やめる」ように。
・人前でしゃべる時にドキドキ「しない」ように。
・イライラ「しない」ように。
・体重を「減らす」ように。

効果的な治療契約のためには、このような否定的な目標は肯定的なことばにくみかえられなければならない。


否定的な言葉が効果を生みにくいのには理由がある。

1.「なにかでないもの」を視覚化することは困難である。
「~恐れない」という契約を誰かがしたとすると、彼は「~恐れている状態」を視覚化し続けて、恐れない状況を確認しなければならない。視覚化されるときの作用が否定的なのもになってしまう。

2.否定的な言葉遣いは具体的・明確的な方針を与えない。
 われわれが子供の頃に両親から与えられた、「~をやめなさい」「~してはいけません」というリストをされに付け加えるだけである。自分の抑えつけられた「子供」の心に、さらに禁止リストを付け加えるのではなく、今現在を楽しもうとする「子供の心」を使う方が、契約を維持するのに有効である。抑えつける子供は容易に反発して、ぶちこわしてしまう。

長期的に効果のある契約をするには、古い行動よりも少なくとも一つ以上の代替案が必要である。

カウンセラー
「あなたは喫煙によって満足してきた欲求を、タバコを吸う代わりに何をすることで満たすつもりですか?」

そのことを話し合うことで、「しない」という「意志の力」の戦いをしないで、永続的な変化の基盤をさがすことができる。

(「交流分析のカウンセリング」参照)

さて、今私のお腹の「駄肉」が増え続けており、ピンチです。履くことができないズボンが出てきました。お腹を締め付けるズボンが出てきました。
医師が言います。「血中のコレステロール値が高いですね」。

まさに、『・体重を「減らす」ように。』と考えていました。食事を減らし、運動を増やし・・・。しかしあざ笑うかのように体重が減る様子はありません。もう、「こんなに苦しいのであれば・・・・・・増やしてやる!(サウザー風)」と言いかねない状況です。

これは、自己への契約の仕方を間違えているのでしょう。
例えば、美味しものを沢山食べたいという希望にすれば、そのためには、ある程度体重のコントロールが出来ている方が気兼ねなく、人生の長い期間を通じて、楽しむことが出来る。結果的にお得である、とかの方がいいのでは。

あるいは、ちょい悪親父(中年)として好意の視線を浴びたい、なんてのもいいかもしれない。


最初に戻りましょう。問題を「しない」と思うだけでは思考停止に近く、自分への抑圧を増やすことになりがち。

「イライラしない」ということは、自分がイライラする状況が現にあるわけです。そのような場面で「イライラしない」と言うことは「イライラする感情を押し殺す」という抑圧してイライラするとになるかもしれない。

「イライラする状況」を変化させるためには、自分はどのような状況であれば楽しむことが出来るか、負担が減るのかを考える必要があります。それは具体的である必要がありますし、試行錯誤が必要です。それは抑圧された子供の心で行うのではなく、自由な発想を持つ子供心と、現状を正しく見極める大人の能力を要します。

「しない」という思考停止や抑圧だけではなく、他の方法も考えられるといいですね。

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