次の日に大会があったので、ここで鍛えてもらおうと、参加してきました。以前館長から本をお借りしたので、返却するのも目的です。
会場の分館は比較的家から近いのでありがたい限り。来るのは2度目です。
この日も多くの子ども達が来ていました。
田中先生の三面指しでした。
あとから来たので順番待ち。
子どもの相手が多く、田中先生は優しく感想戦を行っていました。その調子でボクにも優しくしてくれるかしら。23歳です。
さあついに私の番が。盤の前に座ったとき、ここでふと、あることが頭をよぎりました。
手合いはどうしよう。
私は今まで指導対局という経験をそれほど受けたことがありませんでした。
なので駒落ちというのもほとんど経験がありません。
小中学生の頃は、変に意識が高かったので、(せっかくプロの方と指せるんだから自分がこの前相手にやられて負けてしまったことを自分がやってプロの先生がどうやってくるのかを勉強してそれで次の大会で生かそう)みたいなことを考えていました。
だから平手で申し込むことが多かったのです。
まあ今はさすがにそこまで考えていませんが、平手以外だと、どうしようか悩むところです。
そこで、棋力はアマ四段です、と田中先生に申告。すると、「じゃあこのくらいかな、その代わりちょっと本気出すよ」と田中先生は角をひょいとつまんで駒箱の中にしまいました。
これで角落ち戦となりました。
手合いに困ったら先生にお任せしちゃうのも手ですね。ちょっと本気出すよ宣言されてしまいましたが…
久しぶりの下手です。
いやあ、普通に盤面見てみたんですけど、角がないってやばくないですか。
角がないということは、あの憎き角のニラミとかに気をつけなくていいわけですから、駒組みの楽なこと楽なこと。今流行りの左美濃急戦とかもできませんしね。
私はのんびり矢倉に組もうとしました。すると、許さんとばかりに仕掛けられてこんな感じに。
プロの先生とは本当にうまく攻めるもので、なんで相手は角がないのに、こんなに崩壊しちゃったのかしらと首をヒネるばかり。図の予定では▲7五角でしたが、それには△6三桂があるので、慌てて▲7二歩と先着。
以下進んでこんな局面に。
勝ったと思いました。
と思ったらここで田中先生はすごい手つきで△2五桂打。読んでませんでした。こえぇ…
実際この手を見て、あ〜やっぱり負けちゃうのかと。最後は結局持ってかれちゃうのかと。一気に悲観してしまいました。
▲2五同桂には△3七金があって飛車銀両取りです。
ここで腰を落ち着けて考えました。上手からしたらたまったものじゃないかもしれませんが、ここまできたら勝たないと辛いと思ったのです。
▲2五同桂△3七金▲3三桂成△同金▲8八桂△8七銀成▲2六飛△7六歩▲5七玉
本気出しました。我ながらよくやったと思う手順です。手順中▲8八桂に△4七金や△2八金だと▲7六桂で上部脱出が確定的。△7六歩で△4七金と指しても▲6七玉で入玉確定です。本譜の順もこれで上手の攻めが切れ筋に。
田中先生は▲8八桂を褒めてくれました。これでこちらが勝ちになったようです。
以下は勝ち。
指導対局はいいですね。プロの先生は力を引き出させようとしてくれます。おかげで実力以上の力が出せました。負けたとしてもきっと充実感でいっぱいになってたと思います。
貴重な経験でした。この勢いのまま挑んだ大会についてはまた書きます。