どうしよう、大会前日なんてほとんど内容がない…
だってその日のことを要約すると
大阪行って串カツ食べて寝た。
しかないんだから。はぁ～どうすればいいのだろうか………
3/23日。私はある将棋大会のため大阪に向かった。
学生将棋選手権大会、通称「キリン」である。キリン？と言われてもキリンしかないのである。だからこんな間違いが起こっても不思議ではない。
超美人彼女「ねえ、今度の月曜日デートしよ♡」
超イケメンスピカ氏「ごめん、その日は予定があるんだ…」
女「なに？私より大事な用があるっていうの？」
ス「キリン…」
女「えっ？」
ス「……キリンが待っているんだ」
女「キリン！？あなた、私よりキリンを取るっていうの！？どうせ私はそこまで首が長くないわよ！さよなら！」
ちなみにキリンというのは偶蹄類の最も背が高く、体に比べて際立って長い首を持ち、サバンナや疎林に住むあのキリンのことではなく、大会の協賛であるキリンビバレッジ株式会社の頭をとってキリンという。
……先ほど調べたらキリンビバレッジではなく、株式会社ジャパンビバレッジウェストという名前になっていた。
これではどこもキリンの要素がない。あと、この大会の正式名称である「学生将棋選手権」という名で呼ぶ人はほとんどいない。
でもキリンはキリンである。来年からも学生間で「キリン行く？」という奇妙な会話が行われることだろう。
大阪までは新幹線で行った。東海道新幹線である。この東海道新幹線とは東京～新大阪までのことであり、意外とうっかりしやすい。博多までの範囲は山陽新幹線となる。このことは小学生の時に対して電車に詳しくもない友人に言われてびっくりした思い出がある。
東海道新幹線といえばのぞみである。こだま、ひかりもあるが利用者のほとんどはのぞみを使うのではないか。
のぞみの良いところは静岡県をぶっとばせることにある。熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松…ああ多い。
そんなわけだから名古屋まで着くのにも一苦労である。東京～品川～新横浜までスイスイ着くからあれっ、こんなポンポン駅に停まるっけ、なんだか大阪まで早く着きそうだぞ！と思わせてからのこれだから余計に長い。かといって名古屋に着いても大阪まではまだ距離がある。岐阜羽島駅ってなんですか。調べたら政治駅みたいな扱いになってるじゃないですか。ちょっと遠回りして岐阜に寄らなくてもいいんですよもう。
とまあいろいろあって2時間半かけて新大阪までたどり着いた。
ここからは御堂筋線に乗り換えた。目指すは難波のホテル。しかしこの難波という地名もややこしい。難波じゃなくて“なんば”であったり、実は最寄りが日本橋であったり、日本橋と書いてにっぽんばしと読まなきゃいけなかったり、どうなってんじゃと。
関西の方が東京に来てもこんな感じなのだろう。ぜひ大手町辺りを探検させてあげたい。それでカントーチカテツオオイネ！と言わせてみたい。大手町駅にいるのに「すいません、東京駅ってどこですか？」と聞いてもらいたい。私は前に大阪駅で「すいません、梅田駅ってどこですか？」と聞いて恥をかいたことがあった。だから私は大手町駅で「それアンタ、ここのことやで(爆笑)」と言ってみたいのである。
明治の人たちと合流し、串カツ屋に入った。
串カツとは肉や野菜などを串に刺して、衣を付け油で揚げた日本のカツ料理である。薄いウスターソースをベースに醤油や醸造酢などを配合した専用のソースに串カツを漬けて食べるスタイルが多い。気をつけないといけないのは、ソースは二度漬け厳禁であること。ソースが共用であるから衛生面の問題でアウトなのだろう。この文化を知らない外国人が串カツ屋に入ったらどうなるのか見ものだ。
肝心なことを忘れていた。
おそらく串カツと聞いてピーンときた方が多いはず。そう、串カツといえば串カツ囲いである。通常の穴熊にそっくりだが、王様と香車の位置が逆になっており、米長玉の9八に据えている。
角筋に対しては優秀だが、端攻めに対して弱過ぎるためか、穴熊のほうが人気。私も串カツ囲いはほとんど指さない。全国民使用率アンケートでも1%も満たないだろう。
それにしても将棋の囲いや戦法は変な名前が多い。串カツ囲いなんてまだ普通？の部類である。
カニカニ銀とか箱入り娘とか、将棋を知らない人に聞いたらどんな反応をするのか。
超美人彼女「大会お疲れ様。勝てたの？」
超イケメンスピカ氏「うん。相手のゴキゲン中飛車に対してこちらは超速を捨ててビッグフォーに組むことができたんだけど、途中でパンツを脱ぐことになってさ、羽生マジックばりの穴熊の暴力で相手の美濃囲いを剥がしまくったんだけど相手も鍛えが入っててね、結局全駒されて穴熊の姿焼きになっちゃったよ」
女「何言ってんのかさっぱりわからない……さよなら！」
ホテルに着くと明日もあるからか比較的早くみんな寝ました。おしまい。