個人戦二日目① | スピカの住み家

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大学将棋個人戦。それはその日最も運の良い者が勝ち上がる大会である。


なんだか麻雀みたいになってしまったが、つまりは皆、日頃の行いがどれだけ良かったか競い合っているのである。将棋は二の次。まずは運だ。


いやあ思わず真理を突いてしまったところで、先日個人戦の二日目があった。
明治からはT下(前回優勝者のため初日はシード)、I藤(関東幹事シード)、私、T谷、O平の五人が参加した。


今回期待されるのはやはりT下。大学全体で見ても三日目進出の有力候補だろう。また、今回が二日目進出初というO平にもどこまでいけるか期待がかかる。T谷も当たりによってはスルスルと上までいけるだろう。I藤はまあ頑張れ。


さて、二日目はまだ将棋が始まってもいないのにそわそわする人が多い。なぜなら勝負は盤の前に向かう前から始まっているからだ。そう、クジである。


クジは概ね人数が多く残っている大学から引く。よって東大や早稲田など強豪校から先に引いていくことになる。するとよく起こってしまうのが東大ー早稲田のカードである。強豪同士が初戦でぶつかった時の盛り上がり様は、サッカーのゴールに匹敵するほど。今回も早々に東大のM下氏と早稲田のK村氏がぶつかり、会場は湧いた。M下氏がややうつむきながら退室していたのが印象的だった。


次々と名前が埋まっていき、明治の番になった。今回一番の当たりクジを引いたのはO平だろう。パッとみて勝てなそうな相手がおらず、これはきたかと思った。
逆に一番酷かったのがI藤。先述のカードも存在する死のブロックに入ってしまった。ここは本当に気の毒なレベルで強豪が集中していた。


また、私とT谷が同じブロックになってしまい、お互い初戦を勝ってしまったら潰し合いが発生する事態になった。東大早稲田ならわかるが、明治の潰し合いは運が悪いとしか言えない。



ベスト64。
私の相手は早稲田のS田氏。過去にも対戦したことがあり、その時は相矢倉だった。それでは分が悪そうだったので今回は横歩取りに誘導。奇襲戦法が決まり、早々に勝つことができた。しかし味の悪いものだった。


他を見てみると、I藤は残念ながら敗退。レギュラー達は全員勝ち。非常に順調だが、次戦で潰し合いが確定することになった。



ベスト32。
私の相手は後輩のT谷。相居飛車の力戦系になり、T谷は急戦調の駒組み。ここまでは予想通り。
しかしそこからのT谷の指し回しが独特で、最初は雁木だったはずが、いつの間にか物凄く手厚い陣形を築かれてしまった。対して私の玉形は端一本で痺れる布陣になっており(T谷の牽制がうまかった)、明らかな作戦負けだった。


戦いが始まってからも常に自信がなかった。普通に攻められていたら負けていただろう。だが、それではT谷の名がすたる。俺はT谷だ!と自玉周辺で火種を作り、自ら屋根を剥がしてしまう。それでもまだ陣形が手厚く、T谷ペースだったのだが、運良くこちらに捌く手順が見つかった。以下は長手数となったが、なんとか勝ち。負けたがT谷もワールド全開の将棋で良かったと思う。精度がもう少し上がれば相手にとって嫌な存在になるのではないか。
とにかく私はもう戦いたくないと思った。



ベスト16に進むことができたが、トーナメント表を見てみると事件が発生していた。続きはなるべく今週中に。