わたくしの母は
とても
我儘な女性でしてね
本人自覚が無いので
更に面倒臭いのですが…
父が亡くなる前
私以外の人は
本人含め
逝くとは
思っていなかったのです
なので
母には
『もっと優しくしてあげてね』
『そんなに長く生きないよ』
と伝えてあったのです
確かに
急な発症の病ではありましたが
本人の年齢・病状から判断して
退院は無理だろうと
思っていました
父が亡くなって
後の処理が色々とあり
事務的な事は
全て父に任せていた母は
何が何だか分からず
右往左往
手続きは
わたくしが代理で全て済ませましたが
母が父に対して
切れるのです
「もうお父さんったら
私に話しておけば良いのに」
「本人は家に帰れると思っていたんだから
仕方ないでしょう」
と言っても
「お父さんが全部悪い」
と切れてました
そうして
4か月程経ち
母が
おもむろにお茶を飲みながら…
「お父さんはいい人だったな~」
これには
吹き出しました
生前も亡くなってからも
父の悪口ばかり
言っていた母が
やっと
気付いたようでした
はい
そうです
あなたの旦那様は
あなたの我儘を受け留めた
良い旦那様だったと
わたくしも
思いますよ
やっと
父の存在の尊さに
気が付かれたのですね
そこには
『亭主元気で留守が良い』
と言っていた
おバカな母は
おりませんでした
天真爛漫な母は
父の死で
少し大人の階段を
登ったようです
それは
トトロの『メイ』が
『さつき』に変わった程度かも
知れませんけどね