タイ第30代首相、就任 | 「アジアの放浪者」のブログ

「アジアの放浪者」のブログ

東南アジア、南アジアを中心に、体験・見聞したことをレポートします。

8月22日、実に15年ぶりにタイに帰国した元首相、タクシン・シナワット氏。

8年の禁固刑が確定していますから、入国後直ちに収監されました。

 

そして。

日本でも大きく報道されているように、昨晩、警察病院の特別室に移送されました。どうやら心臓に異常がみられ、血圧も高いことから、収監されていた拘置所の医療施設では、適切な治療ができないと判断されたようです。まぁ、拘置所内の特別室で特別扱いを受けていることがバレるよりも、人道的理由により人命を優先したかたちのほうが、政府にとって好都合なのでしょう。警察病院であれば警備(メディアへの情報漏洩対策を含む)がしやすい、というメリットもありそうです。

 

タクシン氏については、これでしばらく落ち着くかと思います。あとは、巷で噂されている「国王恩赦」がいつ出されるかというタイミングの問題です。

 

恩赦に向けては、進展がありました。

それはタイ国会で、ようやく首相が指名されたことです。総選挙で第2党となったタクシン派の貢献党。そこから首相に推薦されていたセター氏が、上下両院総会での首相指名選挙で過半数を超える信任投票を得、昨晩、マハーワチラロンコン国王によって承認されました。第30代首相の誕生です。

 

形式上、恩赦は政府側でリストを準備し、国王に奏上してご裁可をいただきます。今回、首相が正式に決まりましたので組閣作業が進み、恩赦に向けた手続きが進展するものと見込まれます。

 

 

ところで、上から2枚目の写真は、国王の肖像画の前で国王の承認に敬意を表し、かつ誓言するセター氏です。日本の皆さんにとっては、少し違和感を覚える情景かも知れません。また、下の写真が国会による首相指名を承認する、国王の勅書です。

さぁ、次の関心事はセター内閣の組閣です。

連立政権に参加した11党が、議席数に応じて大臣、副大臣の椅子を割り振られることになりますが、これもまた、不仲になる火種。新首相にとって、頭の痛い問題です。