久しぶりの更新となります。
先月24日、インド出張からタイのバンコクに帰任しましたが、1ヵ月タイを離れていたことで情報音痴になってしまい、さらにインドでの業務報告とそのフォローアップ、年度替わりの対応でブログどころではなくなっていました。
ところがようやく、かなり落ち着いてきましたので、ボチボチとブログを再開いたします…とはいうものの、陰湿な事件の記事になってしまうのですが。
タイ・バンコク北部にある私立バンコクトンブリー大学。ここに交換留学生として音楽を専攻していた22歳の中国人女子大生が、同じ中国人3人によって誘拐され、無惨にも殺害されたというニュースです。
この女性が誘拐された目的は、身代金。
タイ警察がこれまでに集めた情報から、どうやら彼女は3月28日深夜、何者かに誘拐され、翌日中国で音楽教師をしている父親に身代金の要求があったそうです。
彼らは父親に対し、身代金として500,000元(約1,000万円)の支払いを要求。慌てた父親が留学先のバンコクトンブリー大学に連絡を入れ、娘の安否を確認したそうです。そこで大学側が彼女に連絡を取ろうとしたものの、彼女とはつながらず。しかし彼女の友人たちが、28日夜までに彼女を姿を見かけていたということで、どうやら大学側が「彼女は無事である」という返答をしたもよう。これにより父親は、この身代金要求を「いたずら」だと考え、対応をしなかったそうです。
そのため、彼女は3月29日に殺害され、ノンタブリー県の遊休地に遺棄されてしまったらしい…。
3月30日になっても、娘と連絡が取れなかったため父親も「これはいたずらじゃない」と考えを改めたらしいのですが、その時はすでに遅し。もはや父親は、彼女を誘拐した犯人らと連絡が取れなくなっていたのでした。
住民によって遺体が発見されたのが4月1日午後。
タイ警察は、ここから迅速に動きます。周辺の防犯カメラの映像から、赤色のマツダが不審車として浮上。さらに調べたところ、この車はレンタカーであり、借主の中国人は3月30日午後3時、車を返却してそのままタイから中国の成都に向けて出国していることを確認しました。このレンタカーの借主と、出国時に行動を共にしていた2人についてタイ警察は身元を特定。24歳1人、23歳2人の中国人男性でした。どうも、誘拐をするためにわざわざタイに入ってきたような…。
もちろん、誘拐計画は他の人たちが考えたのでしょうが、実行犯としてこの3人がリクルートされ、タイに送り込まれた気配がするのです。
今回ここで記事にしたのは…。
実はタイ国内で発生した中国人の誘拐事件。明るみになっているだけで、3月に4件発生しているそうです。そのうち、誘拐された犠牲者の死亡が確認されたのは、この事件が初めてだとのこと。
他国で自国民をターゲットとした犯罪を、平気で行う国。
現在は中国人のみがターゲットになってはいますが、それがいつ他の国籍者にも及ぶかわかりません。タイでの生活、これまで以上に気をつけなければならないようです。