ヒマラヤそばを思いながら年越し | 「アジアの放浪者」のブログ

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今日はいよいよ大晦日。令和元年の締めくくり。

とはいえ、常夏のバンコクに住んでいますので、年末気分にはなれません。

それに、タイは4月中旬がお正月ですから、年末年始のお休みは短め。今年はタイ政府が12月30日を臨時休日と指定したため、12月28日の土曜日から休みに入っている会社が多いのですが、ふつうは12月31日のみが年末休み。そして新年の仕事始めは、官公庁の場合、1月3日からです。

 

さらに、さらに。

私の場合、家内はタイ人ですので、なおさらお正月気分にはなれないのです。

おせち料理の準備など、おせち料理を知らない家内にできるはずもなし。バンコクの日系デパートや日本食レストランの中には、事前予約をすればおせち料理を提供いただけるところもあるようですが、そういったことは我が家とは無縁。最後におせち料理を食べたのはいつだったか…もはや記憶にありません。ま、それほど好物だったわけでもないので、おせちが食べられなくてもまったく苦にならないのですが。

 

お正月気分ではないとはいえ、それでも少しこだわりがあるのが、「年越しそば」。

これはタイの大型スーパーでそばやそばつゆが手に入りますので、自分で気軽に茹でて食べられます。おそらく今晩はそうするでしょう。

 

「そば」で連想するのが、ネパールのカトマンズ市内にある「ヒマラヤそば処」。

先週のネパール出張では時間がなくて寄れませんでしたが、ネパールにいったときには、だいたい1度食べに行きます。今年も4回あったネパール出張中、3回食べました。下の写真は、2019年1月の出張時に食べた「そばセット」。値段は1,380ネパール・ルピー(約1,380円、1ルピーは約1円です)。

 

ざるそばのみならず、そばがき、そばようかんなどのそば料理がセットになっています。天ぷらも、サクッとあがっていて美味しいです。

 

 

この店は、Hotel Sunset View というホテル内にあるのですが、店主はネパール人。長野県戸隠村で修行をしてきた経験を持つだけあって、本格的な手打ちそばが楽しめます。

 

ちなみに、Hotel Sunset View のネパール人オーナーの奥さまは「ヒロコさん」という日本人(数年前に熟年離婚したという話がありますが、確認していません)。このヒロコさんが骨折りをして、カトマンズで本格的なそばが食べられるようになったのです。

 

ネパールは、そばの主要生産国のひとつ。世界食糧計画が公表している2017年の統計によれば、生産量は約12,000トン。世界で14位です。ちなみに同統計における日本の生産量順位は世界10位。生産量は約34,000トンです。国の大きさを考えれば、ネパールのそば生産量はかなり大きいのです。

 

ネパール人は、そばを麺にして食べることはありませんが、そばがきのようにして、アーチャールという辛いつけダレと共に食べたりします。そばは、水の確保が難しく、土の栄養分も高くない山岳地でも育ちます。山岳民族の中には、そば粉の料理を主食とする人たちも少なくないのです。前述のヒロコさんの夫も、こうした山岳民族のひとつ。タカリ族出身だったかと…。

 

長野県から約5,000キロ離れたカトマンズ市内にある、戸隠村発の隠れた名店。

あぁ、この店でヒマラヤ山脈の水でつくられたビールを飲みながら、年越しそばを食べてみたいものですなぁ。もっとも、出張のたびにこの店に立ち寄る努力をしていますから、「年越し」という条件さえつけなければ、すでに10回以上も飲食しています。これで満足しなくては。

 

それでは皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。