風の冷たい一日。
久しぶりに夫が日曜休みなので、近くのレストランでブランチをとる。
この住宅街にぴったりの、お気取りな店で、わざわざシェフをニューヨーク
から引き抜いたという。ロブスターとアスパラガスのオムレツが美味しかった。
そのあと、カウガールの拵えを専門に売っている店で素敵な皮ベルトを見つけ、
「今日でセールは終わりよ」と言われて買う。私には長すぎるので、あとで
詰めてもらうことに。「まあ、あなた、細いのね?。これはいてみる?うちで
一番細いジーンズだけど」と、ラメと刺繍入りのドレスパンツを出してきた。
でもブカブカ!でも良かったよ、ジーンズに300ドルは出せないし。
店を出たところで、夫が「忘れ物したから、先に行ってて」と言う。
中で店員さんと何か話しているのが見えたが、なんだかわからない。
家に着いてから、赤いカウガールのバンダナに包まれたものをくれた。
中を見ると、牛を追うのを仕事とする犬たち、カウドッグの写真集。
私が店で試着している間に見つけて、これはいい!と思って店員さんにお願い
してレジに隠してもらったのだそうだ。
本物のカウボーイたちと一緒に働く、カウドッグたちの姿が、本人もこれまた
カウボーイな写真家のカメラにとらえられている。牧羊犬より彼らは大きく、
マクナブ、カタフーラなど古き良き西部に見られる典型的な雑種に近い犬たち
ばかりである。大きなピックアップトラックの後ろにひょいと飛び乗り、
「じゃ、仕事に行ってくるから」とすましている犬たち。これぞアメリカの
西部の犬!生き生きとした顔、鍛えられた体、なんとも美しい。
美味しいココアを入れて飲みながら、夫と私とTABIとで、ページをめくって
いく。幸せな時間。ありがとうね。