前回は放物線についての概説をしました

今回は1/6公式など放物線に関する面積についての公式について扱います。


⭐︎1/6公式

・直線と放物線で囲まれた面積は、2次の係数と交点のx座標の差の3乗に比例します。

なぜなら、2次函数のグラフの形は2次の係数のみで決まるからです。

直線と放物線のy座標の差は2次函数で2次の係数は放物線のものと同じです。このy座標の差は両端にある交点で0になる事に注意すると、この差のグラフは2交点の真ん中を軸とした左右対称なものになります。横幅はx座標の差に比例し、縦幅は差の2乗と2次の係数に比例するので、面積は2次の係数と交点のx座標の差の3乗に比例します。

・これは放物線の頂点が原点にない時も変わりません。

・2つの放物線で囲まれる面積も同様にして求められて、2次の係数の部分は2つの放物線のそれの差に変わります(係数が同じ時は囲むことができません)。


⭐︎2次の1/12公式

・先程と同じく、放物線と直線が引かれており、それに加えて交点での接線を引いた状況です。

このとき、放物線と2つの接線で囲まれた面積も2次の係数と交点のx座標の差の3乗に比例し、先程の直線と放物線で囲まれた面積の半分になります。

まず、直線と接線で囲まれた面積から直線と放物線で囲まれた面積を引くと、放物線と接線で囲まれた面積が求められます。後者は先程求めたので、前者を求めていきます。

2次式ax²の微分は2axであり、放物線の軸を2交点の中央に置いたのを踏まえると交点での傾きは±a(β-α)です。よって、y切片は-(1/2)a(β-α)²になります。したがって面積は(1/4)a(β-α)³になります。これと1/6公式から求められました。

・接線の交点のx座標は2交点のそれの真ん中であり、そこを通るy軸に平行な線で面積を2等分します。

⭐︎放物線とその共通接線で囲む面積

・共通接線を求めるのは面倒ですが、実は放物線の軸を求めるだけで面積を出せます。

・なぜなら、同じ形の放物線なので傾きの増え方も同じだからです。

・こちらも面積を2等分する線は交点から下ろす縦線です。


⭐︎3次の1/12公式

・3次函数のグラフと接線で囲まれる面積は(1/12)a(β-α)⁴で表されます。

・求め方は1/6公式と同様です。左右のどちらが接点かで符号は変わりますが、大きさを求めるので特に気にする必要はありません。

・次数が増えても同様にして面積を求めることができます。