<非上場株式の評価>何故、配当還元方式があるのか? | 相続税申告は自分で出来る!

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こんにちは!


タイトル以外のもう1つの疑問は、何故、資本還元率は10%なのか?です。


非上場企業の株価は通常の取引価額がないので、評価方法
を定める必要があります。


上場企業は会社の内容に従って、相対的に株価が評価
されています。


例えば、5201 旭硝子 の株価は543円です。


旭硝子の企業内容は、


1株当たり純資産価額  698円
1株当たり配当金     26円
PBR(純資産倍率)    0.78倍
配当利回り        4.78%


こういう内容に対して、543円という株価が
つけられているわけです。


非上場企業にはこうした株価がつけられる市場がありません。


そこで、適切に株価を評価する方法が考えられました。


1、原則的評価方式
2、配当還元方式


です。


この方法を作った人は色々考えて、公平に、実態に近く、
様々な人が納得いくように作ったことでしょう。


1、何故、配当還元方式があるのか?


会社をより正確に評価するために、大会社、中会社、小会社
に分けたり、<L>、というものを作ってより細かに分類
したり、


類似業種比準価額と1株当たり純資産価額、とに分けたり、


色々、工夫しています。


しかし、これらはすべて原則的評価方式のものです。


一番大きな分類は<配当還元方式>を採用したことでしょう。


非上場企業の株主は大きく2つに分かれます。


会社の所有権、経営権を握る支配株主と、


単に、配当を期待するだけの、取引先や従業員といった
少数株主です。


両者は当然、区分されねばなりません。


そこで、原則的評価方式に代えて、配当のみに着目した
特例的評価方式である<配当還元方式>が採用されています。


2、何故、資本還元率は10%なのか?


配当還元方式の算式は、


年配当金額÷10%×1株当たりの資本金額/50円


この算式は簡略化すると、次のようになります。


1株当たり資本金額×配当率/10%


この算式の意味は、年1割配当をしている会社を
標準としているということです。



かなり高めに設定されていますね。


旭硝子は4.78%で高い方です。市場平均は2%台
ではないでしょうか。


これだけ高く設定しておけば大丈夫だろうということでしょう。


低くすると株価が高めになります


たとえば、5%にすると、株価は倍になることになります。


1株あたり資本金が1000円、配当率が5%の会社の
株価は、


1000円×5%/10%=500円


1000円×5%/5%=1000円


倍になりますね。


ではまた よろしくお願いします。