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"Food for Thought"

日々考えていることを、自分の思考をまとめるためにも書きつづっています。

【マンダロリアン・アンド・グローグー】

 久々にスターウォーズを映画館で鑑賞。実写版スピンオフとしてドラマ・シリーズがあるようですが、自分の知っているスターウォーズとはチョット違った感じ。宇宙船が飛び交うスペース・バトル(もあるものの)を予想したのですが、モンスター・バトルが中心。それでも、3D・MX4Dで観ると、色々と仕掛けもあって没入感満載でした。

 

評判も高く、これ単体で十分面白いのですが、スカイウォーカーはおらず、ジョン・ウィリアムズの音楽でもなく、ジャバ・ザ・ハットの息子まで登場し、「あ~、一世代、過ぎた」と妙に感慨にふけってしまいました…。






【オペレーションZ】

 

 この土日、アマプラで全6エピソードを一気見。2020年WOWOWの制作で、副題は「日本破滅、待ったなし」。「ハゲタカ」シリーズの小説家・真山仁氏が、財務官僚からヒアリングして同名著書を書き上げたと某番組で語っていて見たのですが、これは真に迫ってきます。

 

 IMF、米国から、日本の財政が破綻すれば、日本に留まらず世界恐慌に陥るとの指摘を受け、時の総理が財政再建を図るというドラマ。一般会計の「歳出半減」、そのための「社会保障費ゼロ、地方交付金ゼロ」という「オペレーションZ(後がないZ旗)」を掲げ、総理官邸、財務省、厚労省、与野党、新聞社、地方自治体から果ては中国・ロシアまで巻き込んでの壮大なストーリーです。「いかな何でもいきなり歳出半減はないっしょ!」ながら、これを除けば、さもありなんの展開。

 

 総理役の草刈正雄がカッケーですが、結果は、いまの情勢に似ていて、う~んと唸ってしまいました。ドラマの内容から、「シーズン2」が期待できそうで、あれば是非見ねばの作品です。

 

【人文知は武器になる】山口 周、深井 龍之介

 

 いまをときめく二人の対談。山口氏は誰しも知る著名人ですが、深井氏は、(株)COTENを率いて人文知の研究を進めています。歴史研究により「人類の軌跡や共通点から学ぶ」ための「世界史データベース」をつくることを目的とし、その事業の中心となる「Coten Radio」は、第1回Japan Podcast Awardで「大賞」、「Sportify賞」をダブル受賞。愛聴していて毎週ウォーキングのときに聴いています。

 

 本書は、人文知、特に歴史から何が学べるかについてのお二人の対談。さまざまな知見が得られますが、例えば、深井氏は、戦争以外では、社会規範や道徳的価値はそのときの「生産手段」に都合が良いように後付けでできるものであって絶対普遍のものはないと論じています。詳細は本書、または5月18日配信「番外編#140」となりますが、これらは世界史を「メタ認知」で俯瞰した鋭い洞察と思います。一方の山口周氏は、今回は伴走者的な立場をとっていますが、その博覧強記には唸らせるところ多数。「Goodbye」と「さようなら」の違いは初めて知りました(雑談用にぴったり)。

 

 CONENでは既に「ジェンダー・インクルーシブ」のデータベースは完成したようですが、ジャレド・ダイヤモンド、ノア・ハラリも引用するような「世界史データベース」を待ち望みたくなる一冊です。

 

【霧のごとく】

 

 観終わってから、何ともジワ~っと来る映画。1953年、台湾での白色テロ後の戒厳令下の出来事からスタート。派手な仕掛けはなく、主人公の阿月という少女が、逮捕され銃殺刑となった兄の遺体を引き取ろうとする内容。

 これを機に、台湾の歴史を知ろうと観たものの、韓国映画のような政変劇やクーデター・シーンはなし。ただ、本作は、阿月をとりまく偶然や人間関係をとても上手く交錯させているところが出色の出来映え。脚本・監督の力量がすごいと思いました(同一人物でした)。

現在では半導体製造の中心地の台湾も、戒厳令が解かれるつい1987年まではこんな感じだったのかと、その意味では台湾の歴史を知ることができた秀作。

 

【シリアの家族】 小松 由佳 著

 

 これはもう…壮絶。本年上半期の暫定第1位、文句なしのノンフィクション賞です。

 

 写真家の著者がシリア人と知り合い結婚。シリア難民が国外に出ようとする惨状や英国に渡るまでの壮絶なルポ(この難民たちはボートが転覆して全員死亡)、アサド政権とこれを支援するロシア軍と反政府軍との戦闘、加えてISとの戦闘、反政府軍によるアサド政権の崩壊とその後のイラン・ヒズボラ対イスラエル戦争によるイスラエルからの空爆。これらを著者自身が肌で感じたことや、シリア親族・市民の動き、経済などを克明に描いて、全巻ハラハラ・ドキドキの連続です。国際政治に翻弄される国の姿や、『夜と霧』『エルサレムのアイヒマン』を彷彿させる極限状態での人々の生きざまも書かれ、シリアという国が如何に凄惨であったかがわかります。また、写真家である著者は、シリア内戦で荒れ果てた夫の故郷を撮ろうと単身乗り込み、秘密警察と交渉を重ねますが、こちらも緊張の連続。

 

 笑ってしまうのは(いや、笑ってはいけないが)、そこまで苦労して戻ると夫から「第二夫人を娶りたいから、自分と彼女の生活費二人分、工面して」と言われる場面。著者も衝撃で「第二夫人騒動」として1章を割いていますが、この章はアラブと日本の価値観(書きたいが書けない内容含む)が如何に違うのかがよくわかります。

 

 こうした惨状は、たった一人の指導者に起因し、その影響が如何に大きいかを思い知らされます。しかし、「独裁国家は、強力な独裁者が存在するから維持されるのではなく、それに同調し、従う民衆が一定数存在するから維持されるのではないだろうか。(中略)今置かれている状況は、ある意味、それを選び取ってきたシリアの人々の選択の結果ともいえるのではないか」という問いには、本書を読むと「YES」と言わざるを得ないと思います。

 

 何だかんだ言っても平和に過ごせる日本に感謝と、自分には思いもよらない世界があるのだということを痛感させられた圧巻の1冊です。

 

PS

かつて、ヨルダン出張の際、地元料理を所望。「お前、マジか!?」と呆れられながら、砂漠を突っ切って、ベドウィン料理を食べに行きました。最初に出てくるのが、本書にも出てくる「マンサフ」。客人への最高のおもてなしと聞いて期待していたところ、出てきたのは、お皿の上にポンと置かれた羊の頭の丸焼き。「舌(一つしかない)⇒目(二つしかない)⇒耳(同様)」と目の前で切り出され、結局、どれも食べられませんでした…。

 

【プラダを着た悪魔2】

 

 色々な見方があると思いますが、自分の観た印象は、「This is THE American Business!」。これぞ、アメリカのビジネス・モデル。いや~、これは、楽しめました。

 

 以前、一番感銘を受けた映画は「プラダを着た悪魔」という知人がいました。これで上司の言うことは「絶対服従」を学んだと言うので、一作目を観たところ確かにその通り。今回もこの路線は継承していますが、JTCJapanese Traditional Company)とは違うエグい(?)アメリカ流ビジネスの現場。テンポも速く、レディ・ガガ様まで登場し、久しぶりに堪能しました。

 

ところで、観終わって、近くの座席にいた若い男子二人の会話。「あの企業、全然わかんなかったな~。何でジャーナリストが雑誌やってんだよ?」「あとで説明するよ」「アトセツ?」「ああ、アトセツ」。「アトセツ」という言葉があるのを初めて知りました。(^^)





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【愛媛(別子銅山編)】

 自身は足尾銅山系なのですが、住友系の知人も多く、愛媛で行ってみたかったところが別子銅山(住友理事だった伊庭貞剛は個人的にも尊敬)。

 車でマイントピア別子という道の駅まで行き、まずは周辺の端出場などを散策。続いてバスで東平(とうなる)エリアに向かいます。クネクネの細い山道カーブをバスはホイホイ行くのがすごいです。

 30分後に着いた東平には驚きました。かつて採鉱本部があった場所で、山奥で採掘した鉱石は、当初、ここまで人力で運搬。次に牛を使い、最後に蒸気機関車で運んだとのこと。この蒸気機関車は山頂付近を走り、大正時代にこんなことができたとはビックリです。人から牛、牛から蒸気機関車になって生産性も500倍に上がったというのですからこれまた驚き。鉱石の索道基地・貯鉱庫はマチュピチュ遺跡に似ていることから、東平は「東洋のマチュピチュ」とも称され、世界遺産登録の動きもあるそうです。以前は、この山奥に5千人もの社員が働き、病院・映画館・プール・迎賓館まであったそうですが、一体どうやってこんな山奥に作れたのか本当に不思議です。

 伊庭貞剛のおかげで植林も進み、今では付近に樹木が生い繁って、この点は足尾銅山とは大違い。やるな~、住友。ということで、愛媛を制して、「日本未踏の地」はあと6県!(岩手、秋田、山口、佐賀、宮崎、鹿児島、待ってろよ~)

【愛媛(松山市・道後温泉編)】

 今回の「日本未踏の地を行く旅」は愛媛県。雨模様ながら、まずは道後温泉本館に行き、中に入って天皇がご入浴・ご休憩されたという特別室も見学。この周囲には、鯛めしとじゃこ天の看板がひしめくなか、「夕食に必ず出る」と踏んでお昼はあえて鯛茶漬け。それにしても、鯛にとって松山は地獄の地です。

 松山城にのぼり、続いて「『坂の上の雲』ミュージアム」。途中、結構、松山市の中心地に秋山兄弟の生家がありました。ミュージアムそのものはよく構成されていて、今更ながら日露戦争がよくわかりました。松山は、「坊ちゃん」と「坂の上の雲」の街という印象ですが、「風情があってとても良い街ぞな」です。

 お宿は寛永年間(1627年)創業の老舗旅館。天皇が宿泊したという由緒正しき風格ながら、仲居さんがとにかく明るい方で、一緒にいるだけで元気になれました。予想通り、夕食には鯛めしとじゃこ天が出て松山名物全品を完食。腹ごなしに、夜の道後温泉本館も散策して初日は終了。(^^)

【あなたの知らないアメリカ】 日本経済新聞社 米州総局 編

 

 学生時代のかわいい後輩が執筆者の一人。「増刷になりました。お読みいただければ嬉しいです」と来れば読まなくてはなりません。日経・電子版の連載に加筆・再構成したものとのことですが、「わたしの知らないアメリカ」で驚きの連続でした。

 

 メディアとしては非日常的なことや「想定外」を取り上げるのでしょうが、それにしてもこれは驚きです。平均労働時間の伸長、白人出生率低下とその影響、ウォール街からテキサスへ、不法移民収容所ビジネス特需、スポーツ・ビジネスの光と影、超富裕層の実情、NYの家賃状況とホームレスの急増、ブロードウェイやハリウッドの惨状など、書き上げればキリがありません。最後に米国に行ったのは15年も前ですが、もう「わたしの知っているアメリカ」ではないのかと思わされました。

 

 本当のところはどうよ?と、これをベースに語りたくなる一冊です。

 

【黄金の稲とヘッジファンド】 波多野 聖 著

 

 第一次産業中央金庫(農林中央金庫)、略して産中(農林中金)を舞台とした経済小説。一般から預金を集める銀行とは異なり、農共(農協)、農林水産共同組合(農林水産業協同組合)から安定した資金を集めて運用する「系統金融」が、やがてヘッジファンド化する実態を描いています。

 

 主人公は自分とほぼ同世代。リーマンショックまでを描いていますが、実体験と重なる上、「なるほどね~、農協(JA)、農林中金とか、こうやっているのか」とか、地域の農業・漁業の話もあって、とても面白く読みました。恐らく著者の実体験によるものと思いますが、古典からの引用も多く、ページをめくる手が止まらない、人呼んで「かっぱえびせん状態」。

 

 脇役の「産中の最終兵器」として登場する菅拓郎という人物には助演男優賞です。エリート集団の産中にあって「菅は頭はありませんが、腹もありません」とケチョンケチョン。しかし、酒の付き合いだけは良いことから農共や共同組合から絶大な信頼を得て、産中との架け橋になるというのは、あるあるの世界です。

 

 色恋話は一切ない経済小説ですが、IR(投資家向け広報)をやっていたためか、投資家たちの動きや考え方もありありとわかり、読み終わって「あ~、面白かった~!」とため息をついた一冊です。