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"Food for Thought"

日々考えていることを、自分の思考をまとめるためにも書きつづっています。

四国縦断の旅の最後に、まずは高知城へ。山内一豊の城だが、凛とした雰囲気がいい! 続いて、ホテル近くの「はりまや橋」。歌で聞いたことがあって有名ながら、札幌の時計台、長崎のオランダ坂と合わせて、「日本三大がっかり名所」とか。期待しないで行ったものの、本当にがっかり…。


土佐と言えば、坂本龍馬。車で移動し、龍馬像を拝んで、近くの桂浜へ。


そして何と言っても四国と言えばお遍路さん。父は友人といくつか周り、88ヶ所すべて巡るのが夢だったが、それ以前に亡くなってしまった。ということで、父を偲んで、最後は第三十一番札所の「竹林寺」(右にお遍路さんが熱心に拝んでいた)。最近できたという五重塔と紅葉とともに。










夜は宮尾登美子の小説の舞台になった「陽暉楼」にて。最初に皿鉢料理という刺身の盛合せで、鰹のタタキを満喫。土佐の女性は酒好きなので、刺身を一気に出して、それから一気に飲むために皿鉢料理ができたらしい。


続いて「ベク杯」という飲み合戦でお座敷遊び。負けると三味線に合わせて一気飲み。さらにお箸のじゃんけんの「はし拳」をやって、またまた負けると一気飲み。ほかにもお座敷遊びをたくさんやり、もうふらふらになってお店の庭と大広間を見てお開き。


土佐はお酒が大好きぜよ!







香川県から徳島県に移動。お目当ては「祖谷のかずら橋」。


吉野川上流の秘境にかけられた「かずら橋」を渡る。源平の戦いで敗れた平家の落武者を源氏がここまで追い詰めたことから、いつでも「かずら」を断ち切って、追っ手から逃れられるように作った橋とか。足場が悪く、かずらに捕まっていないと前に進めないがスリル満点! 


なかなか味わえない体験です。







 香川県に来て、故・大平総理ゆかりの地を訪問。その後、まず海沿いにあるお墓に墓参り。岸田外務大臣(当時)、石破さんも来たらしい。クリスチャンながら分骨して地元に納骨。大平記念道路沿いの豊浜八幡神社に銅像もあって、まさにこの地の偉人。いまの日本をどうご覧になっているのか…。

 続いて記念館などを見て、近くの銭形公園。「寛永通宝」と書かれた直径約100mの砂絵が見える。江戸時代、丸亀藩主を喜ばせようと、地元の古老が一晩で作ったとか(いまではボランティアが維持しているらしい)。これを見た人は「健康で長生きし金に不自由しない」のだそうだ。





【20世紀のグローバル・ヒストリー】 北村 厚 著

 来年から高校で「歴史総合」が始まりますが、近現代史を中心に、グローバルな内容とした必須科目となる由です。この本は元高校教師が書き上げたものですが、とっても良いです!

 友人の教師は、指導要領で「近現代史は歴史認識が定まっていないので時間切れアウトにして大人になってからそれぞれで勉強」するよう言われていたと語っていました。よって、一般の日本人は近現代史は疎く、こちらを中心に教育をする近隣諸国とは、歴史感を巡って常にズレが生じるとのことでしたが、これには見事に答えています。

 1900年代から現代まで、一つの国・地域ではなく、まさに「グローバル」に展開しています。その時々の出来事がどう世界各国に影響を及ぼしたのか、底流を紐解きながら記述しており、とてもわかりやすいです。教科書的な記述で網羅的ではありますが、個別に理解していた事象に繋がりを持て、まさに副題にある「大人のための現代史入門」です!

 日本が米国と戦争したことを知らない高校生が増えたようですが、「アジア太平洋戦争」(「歴史総合」では、「太平洋戦争」でも「大東亜戦争」でもなく、この用語を使う)など、しっかり勉強してほしいと思います(大人も頑張ります!)。


 両国首脳のオンライン協議の日に読了。1979年の米中国交正常化・鄧小平訪米から現在に至る米中関係を丹念に調べ上げた点で白眉の出来と思います。さらに、こうした事実を振り返り、米国側の対中意識の変化を論じた優れた著作です。
 
 1979年の米中国交正常化により、米国は中国の成長を支援する「関与政策」を立ち上げ、「しぶとく」支援を続けたとあります。これには、中国の経済成長による「三つの期待(政治改革、市場化改革、国際社会への貢献、への期待)」が米国側にあったためですが、その後、①「三つの期待」は習近平政権によって裏切られた、②中国経済がここまで成長するとは予想せず米国側が焦燥感を持った、ことから米国内での意識が変化。そのなかで、オバマ政権末期の中国での人権や安全保障問題によって軋みが生じ、トランプ政権になって決定的に「米中対立」に至ったという分析です。

 中国側はこうした動きに「受動的に対応」とのことですが、本書は米国からの視点中心であり、中国側の意識変化などもあればさらに良いかと思いました。日本の対応についても、もう少し記述が欲しいとは思いましたが、いまの米中関係を紐解くには最適の1冊と思います。

 なかなかの良書です。リーダーの言葉が重要視されるなか、自らの言葉で語り、統計上の「命」ではなく一人ひとり「いのち」に向き合った人物として、①聖武天皇、②空海、③ガンジー、④聖フランシスコ、⑤大平正芳、を取り上げて論評しています。

 

 コロナ禍での独・メルケル首相の演説はつとに有名ですが、(原稿の棒読みではなく)こうした言葉が出てくるのは、「無私」であり他者の痛みが分かったうえでの「利他」であると論じています。

 

 いずれの人物についても、歴史背景や文献・原典を精緻に考証しており、良心的な記述の読後感は「清涼感」という印象です。「終章」の結論として、「すべてのいのちを生かすために重要なのがリーダーの選び方」という点は、常に考えておかなければいけない論点と思いました。

 

 編集者が付けたタイトルと思いますが、内容からすれば「西洋史における美術」という感じです。

 

 プロテスタントが偶像崇拝を禁じたことから商業絵画がオランダで開花。当時、「家政は国政の礎」とされて、家政婦の社会的位置づけは高く、フェルメールが「牛乳を注ぐ女(家政婦)」を描いて、パン屋の広告に使われたという話から、ダ・ヴィンチ、ナポレオンなどの史実を踏まえて、19世紀ころまでの西洋史(+米国史)を新書サイズに一気に書き上げた内容になっています。

 

 読んでいるうちに、「これ、歴史の本じゃないの?」と思うときもままあり、金利の話やそれによるユダヤの位置づけなど、美術とはそれますが、とてもわかりやすく書かれています。

 

 歴史と絵画との大きな流れをつかむことができて参考になりました。高尚なウンチクを語るにはお薦めの一冊です。

 

 これはいい本です! 原題は「Humankind: A Hopeful History」ですが、何となくこちらのほうがしっくり来ます。

 

 「FACTFULNESS」では、人間の歴史は良い方に向かっているとデータで実証するのに対して、こちらでは、「人間は基本的に助け合う生き物、つまりホモ・コーペランスだ」ということをさまざまな事例をもとに語りかけています。

 

 「危機が引き出すのは、人間の最悪の部分ではなく、最善の部分」と、これまで負の側面を中心に語られてきた事実も、実はそうではないと性善説に立って反証し、各章を読むごとに明るい気分にさせてくれます。

 

 知らない事実・側面も数多く紹介され、少なくとも複眼的にものを見ることの重要性を教えてくれます。

 

 コロナ禍で暗い気分が蔓延するなか、寝る前に読み、いい気分で眠りにつくのに最適の1冊(上下2冊)です。

 

  「昭和16年夏の敗戦」に続く完結編と著者は書いていますが、これは日本人必読の書かと思いました。

 

 ある女性が手にした祖母の日記に、「ジミーの誕生日の件、心配です」とあったことから物語は始まります。少しネタバレですが、ジミーとはいまの上皇様(天皇明仁)のこと。2・26事件から「日本のいちばん長い日」 (半藤一利)を経て、東京裁判・処刑までを追っています。東京裁判の開廷は憲法施行日(5月3日)、28人を起訴したのは昭和天皇誕生日(4月29日)、そして処刑されたのは次の天皇誕生日(12月23日)。そこに時限装置としての意図を見出しながら歴史を追う展開となっています。

 

 天皇明仁は、皇太子時代の沖縄訪問(火炎瓶を投げつけられる)や、サイパン・パラオを含めて各地の戦没慰霊碑を回られていますが、これが背負った運命によるとすると、ご心痛もさぞ多かったものと拝察します。

 

 文庫版に加えられた「予測できない未来に対処するために」も読みごたえあり、まるでいまの首相を彷彿させます。初めて知る部分も多く、歴史好きには見逃せない一冊です。