天国までの百マイル | TAKの部屋

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ムラムラくんという、よく分からない人がよく分からないことを書くブログです。

浅田次郎氏の小説
また、それを原作にした映画のタイトル
そして、その映画の主題歌のタイトル
それが「天国までの百マイル」。

曲は失恋の歌。
だから、小説もそうかと勝手に思っていた。
でも違った。

年老いた心臓病の母を
百マイル離れた奇跡を起こす病院
=天国へ主人公が送り届ける物語。

主人公の安男もすばらしい。
安男の恋人(というか慰め相手)のマリは
もっとすばらしい。

でもそれ以上に
年老いた母もすばらしいのだ。

子供のことを考えない親は
基本的にはいない。
だから自分が子供の犠牲になっても
その反対はイヤなものなのだろう。

でもそれは子供も同じ。
自分を犠牲しても親を助けたい
そんな気持ちだって当然ある。
生んでくれた、育ててくれた恩を
返さずに死んでほしくない。
基本的にはどんな子供でもそう思っている。

そして親はそんなことも分かっている。

それぞれがそれぞれの立場で動く。
それは決して悪いことではない。

比較的悪者風に描かれる安男の兄妹にしても
年老いた母は肯定的に受け止める。

貧乏から抜け出したのだから
それだけでよく育ってくれた、と。
落ちぶれた子供に面倒を見てもらうより
夢を叶えた子供にほったらかされたい。

この本には究極の愛がいくつも出てくる。

親の子への愛。
子の親への愛。
女の男への愛。
医者の患者への愛。

究極の愛なのだから
どれか一つでも小説の題材たりえるのに
この本には4つも出てきてしまう。

だから4倍、泣いてしまう。
号泣してしまう。

そして、主題歌。
なぜこの本を原作にした映画の主題歌が
失恋ソングだったのか。
途中まで分からなかった。

しかし読み終えて分かった気がした。

マリが消えた。

自分の心の愛に気付き
安男が元嫁ではなく
マリを選ぼうとした時に。

マリを探すには
もう一度百マイル走らなければならないのだ。

この曲は後日談なのかもしれない。