これは相続対策の手となるか?
2018年9月20日、東京地裁は元近鉄バファローズ
の佐野慈紀(50)に対して、「野茂英雄(50)からの
借金2565万5000円とそれに付随する年5%の利子
を支払え」と命じました。
野茂氏の勝訴で、その判決を佐野氏も了承して
いるとのことです。
内容(経緯)はこうです。
1.佐野氏が現役引退を表明した2003年9月
に野茂氏が3000万円の貸付を行ない、2013年
までに完済する契約を交わした。
2.ところが佐野氏は434万5000円しか返さな
かった。
3.野茂氏は代理人の弁護士を通して、残金の
2500万円以上の返済を求めていたが、佐野は
のらりくらりとかわして逃げまわっていた。
4.そのため野茂氏は裁判を起こし、今回勝訴が
確定した。
昨今の超低金利の時代に「5%の貸付金利を
支払え」と裁判所が認めたわけです。
まあ、世の中にはクレジットカードのリボ払い
(年利14~18%)などもっと高金利の貸付も
存在していますから、商慣習としては低いほう
なのかもしれません。
いずれにしても、人と人との間でお金の貸し
借りがあったとき、それを返さないでいると
利息がどんどん増えて返済額が膨らんで
いくことは間違いありません。
・・・・・・・・・・・・・・
親子間や兄弟間であってもこうしたお金の貸借
は起こります。
親子間で金銭消費貸借契約を結び、金利に
ついては複利計算で計算されるように契約し、
それを親が死ぬまで返済をしなかったときに
どうなるか?・・・を考えてみました。
結論から言うと、相続対策の秘訣になるので
はないか?と思いました。
具体的にはこうです。
仮に親が50歳時/子ども22歳時に「子どもが
親に現金100万円を年利10%で貸し付けた」
とします。
年利10%ですから、1年後には返済すべき額
は元金100万円+利息10万円=110万円と
なります。
ところが、ここで親は1円も返済しません。
そのため、翌年は110万円に対して金利10%
がかかり、したがって返済すべき額は121万円
となります。
親はこのときも返済せず、これをずっと親が
死ぬまで繰り返していきます。
すると、たとえば40年が経過し、親が90歳/
子どもが62歳のときに親が亡くなったとします。
すると、そのときの借金額は45,259,256円
にまで膨らんでいます。
元金1百万円だったのが、何と4千5百万円
です(これが複利計算のすごいところです)!
親が死亡すると、子は当然相続人となり、
負の相続(借金)も引き継ぎます。
負の相続分(借金)は正の相続分から差し引き
計算すれば良い(相殺するということ)とすれば、
仮に親の遺産が5千万円あったとしても、そこか
らこの4千5百万円を引くことで相続遺産額を
かなり圧縮することができます。
→ ここでは正の相続分と負の相続分の相殺
が認められることを前提にしていますので、
これが本当に可能なら相続税対策として有効
な手と成り得るかもしれません。
細かいことは税理士の先生などに相談・確認を
する必要がありますが、借金を相殺するという
概念がアリならこの手法はさらに工夫・応用する
などして使えるのではないか?・・・と思います。
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