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株式会社スーパーワン 代表ブログ

教育DXに関することなど、思うがままに書いてます。

子どもの頃、授業で「ごんぎつね」という話を読んで、感情がどうにかなってしまい、教室で吐いてしまい、保健室に運ばれてしまいました。

感受性がどうかしてしまっている子だったので、こういうことが結構ありました。

 

いったい、「ごんぎつね」という話の、どういったところが、子どもの私の感情を揺さぶったのか、大人になっても検証することもなく過ごしていましたが、デジタル教科書の開発のお仕事で、また「ごんぎつね」に接する機会があり、読み直してみることにしました。

 

「ごんぎつね」は、こんなお話しです、

山里に独り暮らす小狐・ごんは、好奇心旺盛で兵十の田んぼを荒らすいたずら者だった。ある日、ごんは悪戯の罪滅ぼしに、川で獲ったヤマメや山栗、小鳥を助けたときの火打石をそっと兵十に贈る恩返しを始める。しかし、真夜中の足音を不審に思った兵十は、誰かの仕業と勘違いし、猟銃でごんを撃ち倒す。翌朝、田んぼに残された贈り物と倒れたごんを見て、自らの誤解に気づき、深い後悔と悲しみに包まれる。

感想は読者によって様々だと思いますが、兵十の勘違いでごんを撃ってしまったところに、強い不条理を感じた方は多いと思います。

子どもの私はどうも、そこではなく、「なぜ、ごんが悪戯の罪滅ぼしをしようと思ったのか」、というところであったことを思い出しました。

「悪戯」とは、おふざけ、冗談、といわれる、取るに足らない悪さというものでしょう。ごんは、兵十の捕らえたうなぎを盗んだことが、死んだおっかあに好物のうなぎを食べさせてあげられなかったという兵十の後悔に繋がっていると想像し、その償いをしたことで、銃で撃たれてしまいます。

私は「罰が重すぎる」と感じ、そこにやりきれない理不尽さを感じで、気持ち悪くなってしまったのでした。

 

大人になって読み返すと、今もそこに感情が揺さぶられる(もちろん、もう嘔吐はしませんが)のは、ちょっと驚きましたが、このお話しには、他にも理不尽さが隠されていることに気がつきます。

ごんが、いわし屋からいわしを盗んで兵十に届けたところ、兵十が盗人扱いされて、酷い目にあったことや、

栗が届けられるおとを不思議に思い、兵十が加助に相談したところ、それは神様の仕業だと言ったことを、兵十が真に受けてしまったことなどです。

 

理不尽さへの過剰反応具合は今も変わりません。理不尽はきらいです。

あの小学生の頃から、半世紀近くが経過していても、そこは変わっていないところであり、これは私の「コア」なのでしょう。今はよく理解していますが、小学生の当時にも、読書という行為を通して、自分の自分たる所以の部分が現れていたのは、驚きです。

 

授業では、「ごんぎつね」を読んだ感想を、皆で発表しあった記憶があります。

ただ、そこでは、可哀想とか、勘違いはよくない、とか、いかにもな感想しか発表されず、自分も、「ごんが可哀想だと思いました。」と一言だけ発言したのを思い出しました。「理不尽」というものを正確に表現できる知性と経験が無かったからなのか、クラスの皆にあわせたのか、あるいは嘔吐して迷惑をかけた先生に、悪いと思って忖度したのか、そこまでは思い出せません。

 

ただ、もっと他の生徒や先生や、家族とも、この話をしてみたかったのは、思い出しました。感情が大きく動いたときは、そうした会話のチャンスです。

それができなかったのは、恥ずかったから、というのはしっかり思い出せました。

 

LLM(大規模言語モデル)を使って、「ごんぎつね」の感想をAI相手に話せないだろうか?と思い、半分趣味で作ってみました。

 

 

このLLMには、青空文庫の「ごんぎつね」を読ませた上で、インターネット上にある感想文や解釈を与えています。

会話に使用する文字数は100文字前後に制限しています。

その他、このお話しの時代背景や、兵十の職業、ごんの年齢など、推測をさせて上で、会話ができるようにしてみました。

 

質問を質問で返してしまうといったところがあるのは、AIの限界を感じますが、よく話すというより、よく聞いてくれます。

情報が与えられるほど、AIは意見を言うのではなく、聞いて、質問する姿勢に変わりました。なかなか面白い結果です。

 

いずれは、こうした、AIとの対話が、学習に使えるようになる日が来ると思いますが、いまはまだ、人と対話には遠く及びません。

そう思うのはなぜか、どういったところが及ばないのか、ということを、うまく言語化できないのがもどかしいのですが、AIには「感じる」ということが、まだできていないのだと思います。

 

「感じる」とうことが、いかに人間固有のものであるのかを感じます。大事にしたいですね。