デジタル教育先進国のスウェーデンが、脱デジタル教育にシフトしたことは、日本のデジタル教科書に関わっている者にとって、大きなショックとなりました。
ユネスコのみならず、2022年PISAで3分野1位のシンガポールも、小学生にはデジタル端末を配らないことを表明しています。
その他のデジタル教育先進国でも、デジタル教育の成果や問題点が検証され初めています。
当社スーパーワンは、ガッツリとデジタル教育の開発に関わって、もう10年になりますので、この流れはショックな事ではあります。
こうしたニュースに対して、多くの方がコメントされている中に、「日本も脱デジタル教育にシフトすべし。しかし、国が決めて企業が既に利益を得ている状況では、そう簡単に戻せないのが日本。」という意見があり、「利益を得ている企業」には、当社も含まれるのだろうなと思うと、そうか、当社は既得権益者なのか、と気がつきました。晴れてタックスイーターになったというわけですね。
デジタル教科書がようやくスタートしたところなのに、もし無くなってしまうとなると、当社の収益上もとても困ります。
でも、デジタル教育が、子どもたちの学習にとって弊害となる部分が多い、多すぎる、となるのであれば、それは甘んじて受け入れるしかないなと思います。デジタル教科書やデジタル教材には、私自身、心血を注いできたので、それはあまりにも残念すぎる結果と言わざるを得ませんが。
ところが、そうはならないだろうと、私は判断しています。
デジタルが出てくるまで、紙の教科書や、紙のノート、紙のドリルが、いいのか、悪いのかということを言われることはありませんでした。
デジタルが出てきてようやく、デジタルの弊害とともに、紙の有効性が証明され始めたといったところが、現在のステータスです。
学びのイノベーションという国の事業がありまして、iPadでデジタル化された教科書を作り、実際の学校での実証を行いました。
その実証の様子を聞いたとき、私はデジタル化のメリットを強く感じました。
「教室の全ての子どもたちの目が、キラッキラに輝いていました」。
このようなシーンは、その後も、いくつもの学校で目撃しました。
タブレットを手渡した子どもが抱く、ワクワク、ドキドキは、うまく導くことができれば、学習へのモチベーションに繋ぐことができます。
デジタルのメリットはあります。まず子どもの興味を持たせる導入口が作れること、そして、いつでもどこでも通信によって情報のやりとりが可能なこと、記録して客観的な分析と指導ができることが、3大メリットと考えてますが、昨今は、AIによる学習の伴走型支援を行えることも追加できそうです。
既得権益者だから、デジタルを擁護するのだと言われそうですが、事実、そこは無きにしも非ずとしても、デジタルでできることはあり、非デジタルでは難しかったことを実現できる可能性があります。
その見極めの時期に差し掛かっているのだと思います。
学習というものが、間違いや試行錯誤を繰り返し、自分の正解を求めてゆくプロセスであるのと同様に、二極論では無く、デジタル化の正解を求めて、学ぶためのプロセスに入ったことは、歓迎すべきことなのだと思います。

