2025年4 月 23 日 (水) から 25 日 (金) にかけて東京ビッグサイトで開催された「EDIX (教育総合展) 東京」に行ってきました。
コロナ禍が明けて、久しぶりの参加です。
コロナ禍が明けても、特に学校関係者は大勢が集まる場所へ行く事は憚られる状況が続き、私たち教育関連企業も土曜でした。
しかし、今年はそういった自粛ムードもかなり薄れて、たくさんの方が訪れていました。
GIGAスクール構想が具体化するまでのEDIXでは、黒板や机、三角定規などなど、学校で使う機材などが主に展示されていましたが、今はもう、デジタル一色です。ITの展示会かと思うほどです。
現在、2026年に向けて、次の学習指導要領が検討されているところであり、デジタル教科書の今後の姿というものも、こうした検討を経て、明らかになってくる事でしょう。
そのためか、デジタル教科書関連の展示は、以前ほど多くなく、特に教科書会社の出展は少なかったように思います。特にここでお披露目できる新しい取り組みはあまり無いといったところです。
そんな中、目立ったのが、AIを使った学習へのアプローチです。AIと英語で会話したりするアプリで、ちゃんと教科書に準拠しているので、教科書に出てくる単語や文法が使われています。
アウトプットの様子から、chatGPTをそのまま使ったものとわかるものも多く、まだ教育専用のモデルが構築されているわけでは無いのですが、英語については、今後、本格的に学校でも使われるものになってゆくだろうと感じました。
AI以外で目立っていたのは、デジタルドリルと自動採点、デジタル採点システムです。これらはかなり多く展示されていて、私が見た中でも、デジタルドリルは7社、採点システムは3社はありました。
現学習指導要領に倣い、生徒の自主自律的な学習の観点から、宿題を減らす、あるいは無くす学校や自治体が増えています。
宿題が減った分、保護者は家庭で何らかの学習をさせたいと思うのでしょう、紙のドリルの売上は増加しているそうです。
そのような背景に、ひとり1台端末が配られている状況が加わり、デジタルドリルの方も注目されており、各社の展示が増えているのではないかと考えます。
デジタルドリルの場合は、自動採点が可能であるというところが大きな利点です。保護者が採点をするにしても、学校で先生が採点するにしても、かなりの労力を省略できます。
もちろん、漢字書き取りドリルで、筆順やトメ、ハネまで考慮して自動採点するというのは、まだ難しいのですが、算数の計算問題や英単語問題ではすでに完全に自動化できており、さらに、AIを使って苦手傾向の問題を抽出して出題するなど、より省力化や最適化が可能な環境が整ってきています。
ところが、デジタルドリルには大きな課題がいくつか存在します。
一つには、デジタルドリルは紙のドリルの「おまけ」として無料で配布されており、教材会社の経済的な負担となっている事。
二つ目は、書いたり、話したりといった身体を使った学習にならないという事。タブレットでペンを使った記入が可能なアプリもありますが、紙と鉛筆の場合の集中度には及びません。
最後に、学習の記録が目にくいといった点です。紙のドリルではページをめくればどこまでやったかわかるし、どこで間違えたかや、どうやって理解したかを、ドリルへの解答欄以外への書き込みですぐわかるという大きな利点があります。また、頑張って終わらせたドリルが何冊も積み重なっている様子は、生徒本人も、保護者や先生も、そも成果を認めやすく、褒めやすいというとこがあります。デジタルドリルなどでは、ドリルを終わらせたり、正解したりすると、「バッジ」をもらえたりします。このバッジも、子供たちにとっては、あまりにもどこででももらえるものとなっているため、「褒められた」という実感に繋がりにくくなっています。
ところで、冒頭に書いたように、ここしばらくはコロナ禍の関係で、教育関連の企業では、なるべく接触を避けるようにしてきました。そのため、オンラインミーティングが専らで、ざっくばらんに業界話しなどする機会は、ほとんどありませんでした。
EDIXでは、多くのお取引先方々と会って、久しぶりにお話ができて、また、弊社の名前をご存知の教科書会社や教材会社のみなさんから、たくさん声をかけて頂いて、ご挨拶ができたのは、とても嬉しい時間でした。
そうしてお話している中では、やはり業界話しが多くなるのですが、上記の課題などは、より深く分析されている方もおられて、いよいよ、デジタルでのこうした課題やメリットも含め、知見が蓄積されてきたと感じました。
アナログかデジタルかという二極論ではなく、こうした課題をどう解決し、デジタルメリットをどう活かして行くかを、自主的に、自律的に考えてゆく必要を強く感じました。
