藤原正彦さんの「数学者の休憩時間」を読みました! | がんばる地上の星たち!高知と松山のまんなか・仁淀川町

がんばる地上の星たち!高知と松山のまんなか・仁淀川町

土佐の山間・仁淀川町(によどがわちょう)の(元)地域支援企画員の日記!





私にとって5冊目となる藤原正彦氏の本を読んだ。
タイトルは
「数学者の休憩時間」
である。

本書もなかなか素晴らしかった。
とくに鼻毛(笑)の話題はなるほどである(笑)
電車のなかでの鼻毛攻防?は鬼気迫るもんがある♪

さて本書の後半1/3は、作家であった実父・新田次郎氏への
その想いから、新田氏が書きつつあった(書きながら亡くなった)
ポルトガル人・モラエスの故郷を訪ねるという父のモラエスへの
想いをその息子である著者が引き継いだように訪ねる、すこし
いままでのエッセイとは違った旅本部分が掲載されている。
新田氏は、このモラエスに相当惚れ込み、その本を書くために
ポルトガルを訪問後、急死、そのルートを息子が父の旅メモで
こまやかに辿り、その時々に出会ったもの、人に触れるのである。
息子・藤原氏の父への想いの大きさに心打たれる。
旅の終わりに、日本にいる「母」へも想いも強くするシーンは
じわっとくる。

他のエッセイも秀逸だ。
藤原氏が初めて夫婦で臨んだ長男の出産記録とも言える「人が人を生むために」では、まだラマーズ法が一般的無い頃に奥さんとともに分娩室に入り、その圧倒的なシーンに立ち会う瞬間は、私自身にも同じ経験があり、久々にあの時を思い出した。

「公平という不公平」では、近年の日本教育の公平性が日本の教育の危機であり、それは大学入試のあり方にあるという。つまり、大学入試がその中学、高校の教育内容に大きく影響し、規定していくことが偏ったものであるという。この点は、先日読んだ立花隆氏の著者「東大生はバカになったか」でも再三、書かれていることである。

「二十年ぶりの将棋」では、これまでの大局観の変化がもたらす知らぬ間の将棋の強さに反映したところなど、なんとも唸るもんがあった。


SEE YOU!