紅花染めは紅花の花を使って赤く染める方法で
シルクロードを経て日本に伝わり弥生時代後期には日本に伝わっていて
古くから貴族の憧れの色でしたが
染色には花の部分を使うので大量に染めるのは難しく高級品とされていました。
江戸時代は山形県が紅花の一大産地となり、紅花を加工した紅餅を京都へ運び(紅餅が出品されていました)
高級な京染めに使ったようです。
紅花は黄色の色素と赤色の色素があり
まず麻布を使って黄色の色素を抽出してから
赤色で染色するという、たくさんの手間がかかっています
そしてせっかく染めた美しい
この赤色が褪色しやすく、紫外線にも弱いようで
やはり貴重なものであったのです。
で、今回の展覧会の楽しみはそんな紅花染めを見ることです。
上の二つは既視感あるあるですが
この胴抜き仕立てにされた襦袢に非常に興味を持ちました。
これは紅板染めです。
この襦袢の説明に
漢方として紅花が血行を良くする効能があると言われていた
とか
麻葉の模様が着物の柄として江戸時代は好まれ、襦袢や産着に多く取り入れられた
といった説明しかないのですが
え?では、なぜ why?
襟、袖口、袂の部分が灰色の生地なのでしょうか?
別布にする意味は何ですか?
袖の一部を別布にするなんて、普通に縫い物をする人にとってはそんな手間がかかることをするとは思えません
汚れたから?
生地がへたったから?
洗い張りして仕立て直せば使えるでしょうし
それはら襟はなぜ灰色なのでしょうか?
私の勝手な推測ですが
高価な紅花染めを使っていることを知られたくないための方法だったのではないかと思います。
寛政の改革、天保の改革で倹約令が出された頃
紅花は貴重で高価だけど
色々な効能も言われている。
でも使っているとお咎めがあるよな
じゃあ、
見えなければいいんじゃない?
ということで見える部分の
襟
袖口、袂や
足捌きのところはジミーーーな灰色にして
あとは豪華に紅花染めを使っちゃえ
ってことにしたんじゃあないかな
と勝手な推測をしました。
想像する分にはとても楽しい展覧会でした。
あと、地下で染色のDVDを放映していたんですが
その手間暇を見て
着物や反物を大事にしようと改めて思いました。



