中東専門家の高橋和夫先生 と 何故だか海外の思い出 | sunshineのブログ

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中東がきな臭くなり高橋先生がまたまたお忙しくなっていますね。

 

高橋先生は放送大学の名誉教授で

「テレビは上手に嘘をつく」でフセインの像が倒される映像を用いた授業で

放送大学を受講された人にはお馴染みです。

 

私は

2010年に「現代の国際政治」

2011年に「世界の中の日本」

を受講しました。

 

海外にいたときに、

ガザに住んでいたことのある国連職員と知り合いだったり

イスラム教圏の人との交流もあったり

もちろん、最近流行りつつある「バクラバ」

(めっちゃ甘いお菓子なんですが美味しすぎるので悪魔のおやつでした)

などのお菓子も大好きでしたが

日本人で、しかも(脳内お花畑である)私にとって

中東とは不思議な国だったので、色々と脳内でこんがらがっていました。

帰国して早々に、放送大学で高橋先生の講義を受け

私的には不思議がいっぱいだった中東について

体系立てて勉強できて、とてもためになり、

現在に至るまで敬愛している先生であります。

 

ところで、海外に住むと

日本の事や、世界のことをあまりに知らないことに愕然とする

という話はよく聞きますが、

その典型例が私です。

別に知らなくても、現地校のママ友たちとは

ファッションや、食べること、美容、スポーツ、ペットなどの話でなんとかなりますが

少し付き合いが深くなると、宗教や家族観など色々と複雑になってきます。

その上、夫の仕事関係とかとなると、政治やら世界情勢やらが絡まってきて

なんか、ややこしいことこの上ない。

インドとパキスタンなどは、政治上はともかく、奥様同士はめっちゃ仲良しでした。

全体的には、白人と私たち有色人種といった感じの勢力図だったり

アフリカもタンザニアなどはかなり発展した考えでしたが

ニジェールなどは旧態依然とした考えだったり

(いや、脳内お花畑の私には刺激がいっぱいで、今考えれば最高の喝でした)

 

思えば、それほど長くない滞在期間で子供をバイリンガルにさせるには

日本人社会と隔絶するしかないと腹を括り

嫌われてもいいので、最初の頃以外は

ほぼ日本人社会と距離をおきました。

その甲斐あって、子供はバイリンガルに育ち、現地の友達と楽しくやっていました。

子供の教育に関しては後悔はないです。

ただ、自分自身振り返ってみると

海外に滞在していた友達と楽しそうに交流している帰国組を見ると

ちょっと羨ましくもなります。

多分私はその当時の日本人社会から見たら、イケスカンやつだったと思います。

 

その話を、子供ができる前に住んでいた街の駐在友達に言うと

あんなにみんなと楽しく毎日を暮らしていたあなたが??

日本人社会と断絶していた?

嘘でしょ。。と笑ってくれます。

 

 

高橋先生で

海外の話を思い出してしまいました。

 

 

 

日本人はまずパレスチナで何が起きてきたかを知らなければならない/高橋和夫氏(放送大学名誉教授)

配信

パレスチナ情勢が緊迫の度合いを増している。日本にも大きな影響が及ぶ恐れのある大事だが、日本の報道がやや場当たり的に見えるのが気になる。  今回、1,000人を超える自国民を殺されたイスラエルとしては、国民の怒りを鎮めるためにも激しい報復をしないわけにはいかないのだろう。しかし、もしそうなれば、長さ50キロ、幅5~8キロしかない、総面積にして東京23区の6割にも満たない狭い地域に220万人の人がひしめき合って暮らしているガザ地区に、世界屈指のイスラエル軍が一斉になだれ込むことになる。既に空爆によってパレスチナ側の犠牲者の数は4,500人に及ぼうとしているが、もし市街地で掃討作戦が実行されれば、人的被害は想像を絶するものになるだろう。  パレスチナはなぜこのような事態に陥ってしまったのか。  10月7日のハマスによる対イスラエル奇襲攻撃は民間人を多く巻き込み、200人の人質を取るなど、人道的にも国際法上も到底許される行為ではない。しかし、パレスチナの武装組織であるハマスがなぜそのような暴挙に出たのかを理解するためには、これまでパレスチナで何が起きてきたかを知ることが不可欠だ。  パレスチナを含む中東情勢全般に詳しい国際政治学者の高橋和夫氏は、パレスチナでは1948年のイスラエルの独立以来75年もの間、自分たちから土地を奪い、圧倒的な軍事力を背景に抑圧を強いてきたイスラエルに対する不満と怨念が積もりに積もっていたと指摘する。それはあたかも圧力鍋にこれでもかこれでもかと言わんばかりに圧力を加え続けるようなもので、それがいつかは爆発することは誰もがわかっていた。  日本ではあまり大きくは報道されてこなかったため、恐らくあの地でパレスチナ人たちがどれほどまでに辛く苦しい目にあってきたのかを知る日本人は多くはないかもしれないが、それを知らずに現在のパレスチナ情勢を正しく理解することは不可能だ。  イスラエルという国の起源は19世紀末にヨーロッパで民族主義が隆盛し、ユダヤ人が迫害を受けるようになったことに遡る。そして、1世紀にユダヤ帝国がローマ帝国によって滅ぼされ世界中に散らばったユダヤ人たちの間で、自分たち自身の国を持ちたいという機運が高まった。これをシオニズム運動と呼ぶ。彼らは建国するための地を見つけるためにアフリカや南米などを物色したが、最終的にはユダヤ人の発祥の地であるパレスチナを選び、その地域への入植を始めた。  ただ、新しい国を作ると言っても、そこには元々住んでいる人たちがいる。当然、先住民と入植者の間で摩擦が生じる。そのため、1914年の第一次世界大戦頃までは、ユダヤ人のパレスチナへの入植者は非常に少なく、民族間の摩擦も大きな民族紛争に発展する規模にはならなかった。  その後、第二次世界大戦下でナチスドイツからひどい迫害を受けたユダヤ人たちのパレスチナへの入植が進んだ結果、1947年、国連はパレスチナの地をパレスチナ人とイスラエルの間で分割する決議を採択してしまう。この背景にはホロコーストなどを経験し、ヨーロッパでひどい迫害を受けたユダヤ人に対する欧米諸国の同情と、彼らを助けられなかったことに対する罪悪感があったと高橋氏は言う。それが1948年のイスラエル建国につながっていった。  パレスチナ人から見れば、元々自分たちが住んでいる地に、欧米列強を後ろ盾にイスラエルという国が人為的に作られ、ユダヤ人たちが次々と入植してきた。そして、独立当初は自分たちの土地の数パーセントが奪われただけだったものが、イスラエルの国力が大きくなるにつれて欧米の後ろ盾に加え、イスラエル独自の軍事力も強くなり、それを背景とするパレスチナ人の土地の収奪が進んでいった。その結果、今やパレスチナの地の92%がイスラエルに占領されてしまった。土地を奪われ行き場を失ったパレスチナ人たちの多くは、難民として周辺国に流出し、パレスチナに残った約550万人のパレスチナ人は、ガザ地区とヨルダン川西岸地区の狭い土地に押し込まれ、政治的にも経済的にも苦しい立場を日々甘受させられてきた。しかも、その間、国際社会はあからさまな「力による国境の変更」を指を咥えて傍観していたのだ。  実はイスラエルが軍事力を背景に土地の収奪を続ける中、国連ではイスラエルを非難する決議が何度となく提案されてきた。しかし、そのたびに安保理常任理事国のアメリカが拒否権を発動し、イスラエル非難決議は毎回否決されてきた。アメリカには570万人のユダヤ人が住む。これはイスラエルのユダヤ人人口の630万人に匹敵する数だ。しかもアメリカでは、ユダヤ人はユダヤロビーを通じた強い政治への影響力を持ち、大統領も連邦議員もユダヤ人を敵に回したら選挙には勝てないと言われる。またアメリカのユダヤ人は法曹界、アカデミア、メディアなどでも枢要な地位を占める。日本ではあまり知られていないが、アメリカにはイスラエルを非難する目的でイスラエル企業やイスラエルと関係の深い企業の商品に対する不買運動を禁止する法律や政令を持つ州が50州中34もの州に存在する。自由人権協会などはこれが表現の自由を定めた憲法第一修正条項に違反すると主張しているが、憲法審査権を持つ最高裁は頑としてこの問題を取り上げようとしない。この法律はアメリカでビジネスを行っている日本企業もその対象となるため、日本にも少なからず影響が出ている。  こうした背景の中で、10月7日、パレスチナの圧力釜の圧力が頂点に達し爆発した。10月21日の時点でイスラエル側で少なくとも1,400人が、パレスチナ側では少なくとも4,137人が亡くなっている。もし、イスラエル軍のガザ掃討作戦が始まれば、犠牲者の数はこの何倍、何十倍にも達するだろう。  今回も国際社会はパレスチナの惨劇を黙って見過ごすのだろうか。ウクライナではロシアの「力による現状変更」をあれほど厳しく糾弾し、戦争の道義的な正当性を主張したアメリカを始めとする西側諸国は、なぜパレスチナでは皆口をつぐむのか。このダブルスタンダードはあまりにも醜悪ではないか。  そして問題は日本だ。第一次石油危機の時には70%台だった日本の原油の中東への依存度は、現在91.9%にまで上がっている。一体全体この50年間、日本は何をやっていたのだと言いたくもなるが、今はそんなことを言っている場合ではない。もしイスラエルとハマスの戦闘にハマスと関係が深くイランを後ろ盾とするレバノンの武装組織ヒズボラが参戦すれば、たちまち中東全体に戦火が広がる恐れも現実的なものとなっている。そうなれば、石油価格が跳ね上がるばかりか、下手をすると中東からの石油が届かなくなる恐れもある。いずれにしても日本の経済が壊滅的な打撃を受けることが必至だ。にもかかわらず、暢気な日本の政治指導者たちは解散総選挙のことで頭がいっぱいのようで、中東で戦火が拡大しないように日本が積極的に停戦に向けた努力に関与する姿勢などは微塵も見られない。  今回のハマスとイスラエルの戦闘の背景に何があるのか、イスラエルのパレスチナ入植を国際社会はなぜ止められなかったのか、パレスチナ問題の出口はどこにあるのか、日本はただ傍観しているだけでいいのかなどについて、国際政治学者の高橋和夫氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。 【プロフィール】 高橋 和夫 (たかはし かずお) 国際政治学者、放送大学名誉教授 1974年大阪外国語大学外国語学部卒業。76年米コロンビア大学大学院修士課程修了。学習院大学非常勤講師、クウェート大学客員研究員などを経て2008年より放送大学教授。18年より現職。著書に『なるほどそうだったのか!! パレスチナとイスラエル』、『イランとアメリカ』、『アラブとイスラエル』など。 宮台 真司 (みやだい しんじ) 東京都立大学教授/社会学者 1959年宮城県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。東京都立大学助教授、首都大学東京准教授を経て現職。専門は社会システム論。(博士論文は『権力の予期理論』。)著書に『日本の難点』、『14歳からの社会学』、『正義から享楽へ-映画は近代の幻を暴く-』、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』、共著に『民主主義が一度もなかった国・日本』など。 神保 哲生 (じんぼう てつお) ジャーナリスト/ビデオニュース・ドットコム代表 ・編集主幹 1961年東京都生まれ。87年コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。クリスチャン・サイエンス・モニター、AP通信など米国報道機関の記者を経て99年ニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を開局し代表に就任。著書に『地雷リポート』、『ツバル 地球温暖化に沈む国』、『PC遠隔操作事件』、訳書に『食の終焉』、『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』など。 【ビデオニュース・ドットコムについて】 ビデオニュース・ドットコムは真に公共的な報道のためには広告に依存しない経営基盤が不可欠との考えから、会員の皆様よりいただく視聴料(月額500円+消費税)によって運営されているニュース専門インターネット放送局です。 (本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください。)