ボッティチェリ展 2016 東京都美術館 | sunshineのブログ

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日伊国交樹立150周年記念 ボッティチェリ展

イタリアルネサンス期を代表する巨匠。
前にも書いたけれど
ボティチェリのイメージはかの有名な「春」とか「ヴィーナスの誕生」となってしまうのだけど、今回の展覧会で、傑作「春」と「ヴィーナスの誕生」は、才能と時代と注文主がマッチングして生まれた稀有な作品だったのだと痛感しました。

教養があり神話や古典を解釈して楽しむ洗練された文化を持っていたパトロンであるメディチ家が注文主となり、その注文主の要求に応えられるだけの教養とお茶目な心があった(バザーリの芸術家列伝によれば、かなり茶目っ気があったあります)ボッティチェリがタッグを組んて、私的な目的で描かれた「春」や「ヴィーナスの誕生」がボッティチェリの作品であって、それ以外の作品にはあまり興味のなかった私には今回の展覧会はボッティチェリを新たに知ることとなる良い展覧会でした。



今回の展覧会の構成は4部構成
1章はボッティチェリを庇護したメディチ家のコレクションの展示

ラーマ家の東方三博士の礼拝

右端のこちらを向いている人物がボッティチェリの自画像です
そのほか、中央で黒いマントを羽織っているのが注文主
左端はロレンッツオの弟



2章はボッティチェリが弟子入りした、フィリッポ.リッピの初期作品の展示

バラ園の聖母

独立間際くらいに描かれたとされる作品です


3章はボッティチェリ自身の作品の展示

書物の聖母

高価な金やラピスラズリを多用していることを除いても、
この絵からは高貴な優しい品格が漂ってきて、素敵な絵でした。


美しきシモネッタの肖像

この頃の美しい女性
金髪に赤の服
高貴な身分の女性なのでしょう


アペレスの誹謗

この絵は急遽展示されることになったようです。
古代ギリシアの著名な画家アペレスが描いたとされる、現存しない作品の復元を試みた意欲作だそうです。
右側にはロバの耳に耳打ちしている人々は不正
中程にいる人の右側黒い服の人は嫉妬
松明を持つ人は誹謗
祈るように手を合わせる青年は無実
そして、左端のヴィーナスは真実(希望)
この絵も見飽きません


4章はフィリッポ.リッピの息子でボッティチェリに弟子入りしたフィリピーノ.リッピの作品の展示

ボッティチェリはロレンッツオが亡くなった後、サヴォナローラに傾倒し、貧困の上になくなりました。
サヴォナローラに傾倒したあとは作風も暗く、宗教じみていてボッティチェリの陽気さがなくなってしまいました。
でも、作品それぞれをみてみると、ボッティチェリの才能は枯れているわけではないので、思想が人に与える影響の恐ろしさを目の当たりにした展覧会でした。