本 みをつくし料理帖 と いろいろな発見 | sunshineのブログ

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年末年始に友人から貸してもらった本
あまりに面白くて全12巻一気に読んでしまいました。

新刊本ではないので内容の紹介をざらっとしてみますと。
江戸時代。大阪の洪水で孤児となった主人公が、料理の道を目指しながら、同じく孤児となって太夫になっている幼馴染を身請けするというお話。
こう書いてしまえばナンテコトナイ話なのだが、登場人物、料理、起こる事象すべてが絡まり合って、面白いことこの上ない。私なんて一番の泣き所だった場所を新幹線の中で読んでしまって、大変なことになってしまったくらいです。

みをつくし料理帖(全10巻)+みをつくし献立帖(1巻) (ハルキ文庫 た 時代小説文庫)/高田 郁

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料理帖というからには、もちろん料理が数々出てくるのだけど。
関西出身の私としては、主人公の澪が大坂から江戸に出てきた時に面食らった食文化の違いに大変共感しました。
例えば、卵焼き。
関東は甘いけれど、関西はお出汁の味。
お出汁も、関東と関西では違う。
東京で飲む”おつゆ”は、いまだに私の中では物足りないです。
お正月の黒豆だって、関西は皺がなくふっくらとしているのが最上なのですが、関東ではシワシワがいいらしいですね。
美味しそうなお料理がたくさん出てくるし、最後にレシピ付きなので「とろとろ茶碗蒸し」というのを試してみました。

登場人物はそれぞれ個性があって十分感情移入ができました。
気に入ったのは、実在の人物との整合をしてみる宝探しのような謎解きのような部分です。

主人公の澪が料理帖をつとめるお店にたまにくる客で、清右衛門先生という人物があるのですが。
口は悪く、態度も横柄だけど、この時代では珍しく文章を書くことだけで生計をたてられていた。最新作戯作は「女ながら相当に肝が据わってますよ、犬と添おうだなんて、男には出来ない芸当ですもの」と下足番の女に言われています。
うおおおお
これはぜったい曲亭馬琴の南総里見八犬伝に違いないです。

そして、その清右衛門先生が連れてきた風変わりな絵師の辰政。着物にゴミが付着し腐臭が漂っていて、部屋が汚くなると引っ越しをするという設定。
あああああああ葛飾北斎ですよね。
その絵師は、お運び担当のおりょうさんの養子が地面に絵を書いているのを見て、懐から草紙をだしてその子供に与えるのですが。その草紙には鳥獣草木、仙佛士女と思いつく限りのものを書いていた本で、中でも餅をつく人々の姿、酔って眠る人の姿などが生き生きと描かれ当て今にも本当に動き出しそうに書いてあるとあります。
これはもしかして伝聞開手か画本彩色通ではないでしょうか。
折しもトーハクで博物館に初詣というイベントをしていますが
北斎のコーナーで見ることが出来ます。
そして、北斎コーナーには浮世絵もありましたが、版元の名前に板元というのがありました。
文中で清右衛門先生と一緒にいつもご飯を食べに来る版元の名前が坂元なのです。
面白ーーイ。

昨日トーハクへ行ったので、全部写真に撮りたかったのに不覚にも
昨日、スマホを家に忘れていった私は写真を撮ることができなかったのです。
リベンジすべきかなあ。。

そして、この本の登場人物の医師原斉の一言から借りまして
私のニューイヤーズレゾリューション
私の体は私が食べたものからなっている

ダイエットばかり考えていたけど
体に入れているものを考えよう