今まで読んでくださった皆様、Sunset Dreams様

 

2015年に1月に始まった親子2人留学は紆余曲折を経て2019年の3月に終わりました。 

 

今まで、本当にとろとろのろのろとした更新の中、読んでくださった方々に感謝です。 またこんなOut of Dateなブログを更新して下さってお付き合い下さったSunset Dreamsのこうじさ ん、しげこさん、本当にありがとうございました! 

 

このあたたかいご夫婦に親子2人はたくさんサポートしていただき、また、トラブルの際もいろいろと助けて下さって支えられてなんとか無事に2人のPerth生活を終えることができました!

 (終えたくなかったよー!涙) 

開催してくれるBBQではいつもたくさんの美味しい食べ物や飲み物を用意して下さって、貧乏な親子にはすごくうれしかったです! 

 

Perthは本当にとても素晴らしい場所で、他の国や土地に行ってもPerthから来た人はPerthに帰る率が高いとよく聞きます。それほど豊かで魅力のある場所だと思います。(だって、もう帰りた い!) 

Perthを形容詞でたとえると「家族のような」です。

出会えたみんな、家族のような暖かさを持っています。

もちろん騙そうとする人間やいろんなトラブルもありますよ。でも、それよりももっとたくさんの助けてくれる人たちがいるのです。 

家の前の道でボンネットを開けてエンジンオイル交換していたら、何台もの車が止まって「大丈 夫か?故障か?」って聞いてくれたりしちゃう場所。本当、何度いろんな見ず知らずの人にも助けられたことか…。 

 

そして何より、Perthは日本よりずっとずっと子どもに優しくてハッピーな場所なのです。

 

LunaがPerthで小学校時代を過ごせたのは、本当にラッキーで幸せなことでした。

前回書いた通り、娘は日本に帰ってから文化と時代と価値観のギャップに苦労しました。でも今はその苦が彼女をまた一つ成長させ、一つ上のステージへと登るキッカケになったと思いま す。(将来は絶対AUのCitizenshipとるらしい…) 

 

もちろん、母も大成長したよ! 

40過ぎで英語がろくに聴き取れず喋れずに来たくせに、娘と一緒に学びはじめ、四苦八苦、 デッカい苦労の末、Early Childhood EducationのDiplomaの資格も取り、 Early Learning Centreで先生としてお仕事もさせていただき、帰国後は日本では英語で教育関係のお仕事をしたりしています。

親子で一緒に学ぶ経験ができるのはこの限られた子育て期だけ。 

 

この親子でのPerth生活からの帰国は旅の「終わり」ではなく、わたしたちのこれからの人生の 「始まり」です。 

またいつか、たくさんの経験をして、親子2人でPerthへ帰ってきます。 

 

ありがとう、こうじさん、しげこさん。 

ありがとう、Perthの学校、先生たち、クラスメートや職場の仲間、

ファミリー、知り合ったすべ ての暖かい人たち。 

ありがとう、Perthのすてきなビーチや公園、大きな空や自然や

動物たち。 

みんな大好きです。 

心からありがとう。

そしてまた、会いましょう! 

 

Momo & Luna

 私たちがPerthの北へ旅したのは2019年の年始。それから長い長い月日が経った。その間に私たちも日本に帰国し新しい生活を始め、また2020年に入り世界はCovid-19というパンデミッ クを経験し、現在は簡単に国境を行ったり来たりできなくなってしまった。 

 

さて、帰ってきた娘の話をしようと思う。 

 

彼女は小学校1年生(正確には保育園卒業前の1月から渡豪)から5年生の1学期(Term 1)までをオーストラリアの小学校で過ごした。つまり学校教育システムはどっぷりと、自由で楽しい、 そしてテクノロジーを取り入れたオーストラリア流で、日本の学校教育といえば週に一回3時間の補習校のみだった。

 そこからは全く異なる価値観とたくさんのルールに集団行動、先生主義な(ハッキリ言うが)時代遅れな教育システムの公立小学校教育に来たわけだ。

 

 帰国前に学校の担任の先生から、日本の小学校に行ったら、クラス同士をサテライトで繋いで交流授業をしましょうと持ちかけられたのだが、通い始めた公立小学校に尋ねると「うちの小学校のインターネットは外に繋がりませんので、無理ですね」とあっさり簡単に断られた。(い、イ ントラネット?)

 

 とにかくあれもダメこれもダメで生徒はモチベーションを削がれることが多く、従うことで思考を奪われていく。Learn by doingとは違って、机にずっと座って先生の話を聞く授業のスタイルで、 そしてまた先生がちょっとしたことで簡単に怒ることにも驚いたらしい。(Lunaの通っていた WLPSでは先生が怒ったのを見たことがないそうだ) 

今思うと学校にペットを連れてくる日とか、日本じゃ本当にありえないことが日常だったなぁ。。。 

オーストラリアにいた頃は自分の故郷と日本を誇りに思っていた彼女も、帰ってきてから日本が嫌いになってしまったらしい。 

 

とにかくLunaは、

 「学校に行きたくない!!!」と毎晩のように号泣。 

 

これには、わかっていたつもりの母もショックだった。あんなに学校が大好きでたくさんの賞を受けていたクラスのリーダー的な子が、突然の不登校である。(子供の辛い姿を見るのは本当に辛い!) 

そして親が思う以上に、帰国が与える子どもの影響は大きかった!

 

 行きたくなものはしょうがない。学校が行けない日はMomoの働くインターナショナルプリスクー ルに来て、Lunaが子どもたちに英語でいろいろな遊びや英語のゲームを教えてあげたりして一緒 に過ごした。(←職場も英語で大人にない知識を豊富に持っているLunaを小さなヘルパーとして 歓迎してくれた)

 

 思い立って他の私立小学校やフリースクール、果てはお高いインターナショナルスクールまで見学に行ったのだが、やはりどれも日本スタイルの価値観(あたりまえだよね)で「違う」らしい。 

そして最終的に「ホームスクーリングがいい」と言い出した。

 しかも日本のそういった学校に入れる親のエクスペクテーションはやはり学歴だったりするわけ で、彼女の求めるところとは違う。(ちなみに私の学校に対するエクスペクテーションはクリエ イティビティ)

 

莫大なお金かけて海外スタイルの日本のインターナショナルスクールに入れたって(まぁ、学費的に無理だがな)そのお金でPerthの学費と生活費になるじゃん、となってしまうわけです。オース トラリアに帰ることも考えたのだが、ビザの都合上、母が働けないとなるとやはりサステイナビリティ(持続可能)がない。つまり金が尽きてしまう。 

 

とにかく母の小学校の頃と大して変わらない教育が行われている日本の小学校に、子ども中心の自由でクリエイティブな小学校から来た娘の拒否反応はいたって自然。母も十分理解できたの で、

 「無理に行かなくていいよ。ただ自分で勉強するのなら何を勉強したいのかを見つけて勉強してごらん」

 

 そして彼女は「自分は何のために何を勉強したいのか」ということに向き合い、

ある日「将来は海外で獣医になる。だから私はサイエンスと数学と動物について学ぶ」

 と母に伝えました。

 

 今はインターネットになんでもリソースがある時代。

 彼女はオーストラリアの小学校でiPadでノートをとったり、アプリを使って勉強していたので、いろいろの勉強サイトやツールを知っているし、またネットの安全な使い方や母の知らないクリエ イティブな使い方もよく知っている。

 コロナの自粛期間もあって自主学習の習慣が身についてきて、家で実験したりもしていた。 

 

↑コロナ自粛中、家のシェアメート達とボルケーノ噴火実験用の火山を製作中 

 

今は公立学校に通いながら、一週間の時間割をもらったら自分で休む日を1日か2日決めて(自分にとってこの勉強は意味がないと思った日は休みがち)その日を自主学習に充てている。自分で休む日を決めるこで、他の学校に行く日がポジティブになり、友達と楽しく遊んだり、漢字もよくできるようになって来た。 

 

家での自主学習はもっぱらiPadで行っている。

最初に自分で1日のプランニングを作り、リセス、ランチ、エクセサイズの時間も決めながら、 アラームなどを使ってタイムマネージメントしながら勉強する。もっぱら朝に英語と算数を勉強 し、午後の自由学習のテーマを決めてネットやYouTubeでそれについて調べてGoodNoteにまと め、夕方に帰ってきた母が生徒になって勉強したことをプレゼンしてくれる、と言う流れだ。 

(たまに質問コーナーやチェックテストまで作ってくるので、母もお勉強になります!)

 

 ↑自宅学習中。詰まった時はインド出身のエンジニアに算数を聞いたり、FaceTimeで在宅の叔父に理科の質問をしたり。

 

 ちなみに算数は問題集とMath Anticsというサイトで勉強している。(←これは大人が見ても算数のコンセプトを復習できてけっこうおもしろい) すべてのビデオはYoutubeで見れるのだが、$10払うと1年間サイトのワークシートが使えるので習ったことを実践できて実用的。

 Math Antics サイト https://www.mathantics.com/ 

 

そしてサイエンスの勉強をするにあたっては、母は以下の3冊の本を買ってあげた。 

自分でサイエンスの勉強を始めてからすべての物質の元である元素周期表(Periodic Table)が好 きになって、いつもPeriodic Table Songを歌ったり、YouTubeビデオをみたり楽しみながら学んで いる。どうやら水素がお気に入りらしい。 

 

https://www.youtube.com/watch?v=rz4Dd1I_fX0&ab_channel=AsapSCIENCE

↑Lunaがいつも歌っている歌

 

 「ママ~、実験道具が欲しいー」

 うむ、そうか、実験したいのね。でも実験道具を買ってもどんな実験をしたらいいのか、材料をどうするかなど結構大変。 

そんな時、政府がくれたコロナの給付金が彼女にもあったので、そのうちの3万円を好きなこと に使っていいよと伝えた。

 いろいろ欲しいものがあったようだが(ビーカーやら顕微鏡やら)彼女が決めたのはMel Science。イギリスから毎月自宅に届く実験キット12ヶ月分。実験用のスターターセットと1ヶ月 に一度実験キットを送って入れる。(しかも世界のどこに引越ししても送ってくれるしね) これの素晴らしいところはデバイスのアプリが充実していて、詳しい説明やヘッドセットのアプリ。実験のフォローアップもある。そしてZoomで参加できるオンライン実験レッスンもあるの で、楽しくわかりやすく実験することができる。イギリス時間で真夜中だからリアルタイム参加は難しいけど、レッスン後にレコーディングのリンクを送ってくれる。(でもリアルタムで質問したかったらしいけど)

 

 ちなみに実験をシェアハウスの住人とした時はこんな感じだった。

 ↑電流を使ってスズ(Tin)を樹状の形に発生させる実験をプロジェクタで実験方法を説明中

 

 

↑Cl2・2H2OとNaHSO4をまぜる 

 

↑溶けている液体の電子を二つ失ったTinイオンSn2+がマイナスの電流にくっついてマイナス電子をゲットしてメタルのSn(スズ)として成長する。 

 

↑フォローアップの説明も頑張って日本語でしていた。

 

 もしオーストラリアに行かなかったら、周りと同じように言われたことを言われたように勉強し て、いい学校に入るために勉強して、受験して、とかなっていたのかなぁ。。。(うわぁぁぁ!) そう思うと、自分で考えて自分で人生を選んで成長しようとしている今のLunaが、素晴らしく大きく輝いて見えるのだ。

 

 Perthで過ごした時間、価値観、教育、友人、景色、環境、すべてが今彼女の人生の土台になって いる。オーストラリアの国家を歌って国旗を描いて、彼女には二つの国のアイデンティティが存在 している。それをわたしも受け入れて、日本の価値観に染めることなくそのままの彼女で成長させてあげようと思う。 

 

ちなみに彼女は日本の中学校に行きたくないそうなので、今はCovid-19で動けなのだが、いろいろとまだ未来を模索中のMomoとLunaである。 

 

Perthという故郷と、未来につながるすばらしい経験を手に入れたLunaは幸せだね。

 

 キミの未来は明るい!

 8日目の朝が明けた。

旅の最後の日はさらに南へひたすらにドライブする。トイレ休憩以外はノンストップだ。

 

↑はい、最終日の車中はひたすらこんな感じ~

 

↑Darren本当にひたすらドライブ、ありがとう!

 

そしてお昼頃にはPerthについた。

道途中、Swan Valleyあたりの北の方から、1人、また1人と別れを告げて下車して行った。

 

 

たった8日間だけど、家族みたいに共に過ごした8日間。

世界の別の場所から来た一人一人の別れは、再び会うことがないとわかっているので、「またね」ではない本当の「別れ」となる。

でも旅はいつもそんなものだ。

「よい人生を」

そんな言葉とハグを交わしながら、別れを告げた。

 

 

1日1日がまたとない、心を揺さぶられるような感動や経験に満ちた8日間だった。

大人の我々がそうなら子どものLunaにはとてつもなくデカい経験だっただろう。

誰もが地球規模の景色を五感で体いっぱい感じていた。

 

 

風の匂い、大地の音、生き物の気配。

足を滑る砂の柔らかさと、乾いた空気の肌をしめつける感触。

鼻の奥をツンとくすぐる夕暮れの匂いは、少し悲しい太古の記憶を呼び起こす。

 

 

何十億年とかけて作られた造形は、地球の時間を伴う規模の大きさで人間の矮小さを警告し、

何時間車で走っても360度続いてゆく果てしない大地は、今まで感じたことのなかった地球の大きさを教えてくれた。

 

そして日常では味わえない不便さは、電気、屋根のある住まい、きれいな水のありがたさ、そして私たちがきちんとこの大地に生きていることを教えてくれた。

 

 

そして広大な土地の中で、1人ではない、仲間のいる心強さを教えてくれた。

 

気がつくとこの子は、「なにやってるの~」といろいろな人のところに行っては、いろんなことを質問したり、お願いしたり、心配してあげたり、助けたり、チョロチョロとみんなの間を動き回っては人と人とを繋げている。

 

自分が育てていると思っていた娘が、いつしか、

大地や自然、経験や景色、出会うたくさんの人々や生き物、そこにある花や草、たくさんのものに育てられていることに気がついて、自分はひとり親ではないことに驚く。

 

 

そして同じ景色を見て同じ景色に感動し、2人で感動や困難も共有した親子の8日間は、これからの人生に残る大きな思い出と絆を残してくれたように思う。

 

 

親子よ、旅をせよ。