フィーバーゴールド(三共)
詐欺ではない真実のパチンコ攻略法が存在した時代があった。
今ほどパチンコ雑誌もなくて、
攻略情報は、いくつかの攻略法会社が握っていた。
中でも一番老舗のキャッツタイムズ社は、
正しく正確な攻略法情報を提供することで、
パチンカーから絶大の信頼が寄せられている会社だった。
何を隠そう、俺もキャッツタイムズ社の会員だったのだ。
新しい攻略法ができると、同社の会員(50,000円払うと会員になれる)にだけ、
「○○○○という機種の攻略法が完成しました。20万円だよん」
みたいな案内が送られてくる。
金額は攻略法の効果や難易度によって決められていた。
会員になって初めて買った攻略法は、フィーバーゴールド(20万円)だった。
さすがに初めは恐かった。
詐欺だったらどうしよう?
難しすぎて攻略できなかったらどうしよう?
いろいろ悪い状況ばかりがアタマに浮かぶ。
ま、悩んでも始まらない。
え~い、出たとこ勝負だ~!
と、郵便書留で20万円送った。
数日後に封書で攻略法が着いた。
ドキドキしながら封を開けると、
A4コピー用紙4~5枚に文字やら表やらが印刷されていた。
「たったこれだけのもんが、20万円もするのかよっ!」
…半信半疑だった。
でも、買った以上、信じるべきだと自分に言い聞かせ、
目を皿のようにして、何度も何度も隅から隅まで読み尽した。
内容はほぼ理解できたが、覚えることが多過ぎて大変だ。
「こりゃあ、暗記できないな…」
そこで思いついたのがカンニングだ。
カンニングはさんざん試験でやったので慣れているw
いろいろ考えた末、たばこの箱の大きさに表を作り直し、
たばこのセロファンの中に入れ、必要な時にだけ見ることにした。
もし、店員にバレたら追い出されるだろう。
これは慎重にやらないといけない。
何度も繰り返し仮想実験をした。
よし、これならいけそうだ。いざ出陣!!
だが、1日目は…さんざんだった。
リールの絵柄を数字に置き換えるのだが、
完全には覚え切れていないので、手間取った。
あとはストップボタンを押すタイミングと押し時間が、
練習でやった時ほど正確にできない…。
少しでも狂うとダメなのだ。
それでも、3回は成功してビッグボーナスとなった。
2時間打った結果、何千円かプラスで終えることができた。
何とか手応えは掴んだ。
3回の大当たりは絶対マグレではない。
攻略法を使った結果だと確信を持った。
もう少し慣れて、スムーズにできるようになれば、絶対勝てるはずだ!
台の特徴と攻略手順を少しだけ説明する。
台にはタッチセンサーのストップボタンが付いている。
このストップボタンを活用すれば、、
通常1/250の大当たり確率を、約1/50(5倍!)にまで引き上げることができるのだ。
三共のドラム式リールは、実際にリールがゴロゴロ回る原始的なものだった。
リールが回り始めた時は、まだ大当たりは決定しておらず、
3つのリールがすべて停止した後、レーザーをリールに照射、
3つの絵柄が同一だと機械が判断すれば、
大当たりとなってチャッカ―が開く…といった仕組になっていた。
リールはタイムリミットになると爪が出てきて、
ガチャと引っ掛けて停止させる仕組だ。
台によっては爪が甘くてうまく引っ掛からず、
止まる予定だった絵柄の次の絵柄で止まったりするw
その結果、大当たりを逃して悔しい思いをすることもある。
今考えると、えらくアナグロで不完全なシロモノだった。
出目の移行も割と単純だった。
停止した目に、決まった数字が加算されるのだが、
加算される数は約30通りほどあり、
そのうちのどれか1つがランダムに選ばれるのだ。
それは単発で玉が入賞した時に限られる。
いくつも入賞してメモリーされると、その法則は崩れる。
だから攻略法はすべて単発入れだった。
単発入賞させたあと、リールが止まるまでにストップボタンをうまく操作すれば、
3つ目の絵柄を強制的に変えることができたのである。
「うまく操作する」と一口に言っても、これが結構大変で、
鋭い反射神経と一定のタイム感を必要とするものだった。
0.8秒を10分割すると、1コマが0.08秒になる。
スタートチャッカ―に入れる直前の出目によって、
ストップボタンに触れている時間の長さを10コマ分、
正確に押し分けないといけないのだ。
つまり、
1コマ 0.08秒
2コマ 0.16秒
3コマ 0.24秒
4コマ 0.32秒
5コマ 0.40秒
6コマ 0.48秒
7コマ 0.56秒
8コマ 0.64秒
9コマ 0.72秒
10コマ0.80秒
つまり、0.8秒以内で勝負が決まるのだ
訓練方法は、「だるま理論」と言われていたものでw
「だるまさんがころんだ」の10文字を0.8秒ジャストで言えるようにすることだった。
速過ぎても遅過ぎてもいけない。
カシオのストップウオッチを買って、ひたすら訓練を積んでいった。
10文字であれば、「だるまさん…」である必要はない。
「あいうえおかきくけこ」でも良い。
ひたすら繰り返していると、だんだんタイム感は身に付いてくる。
それができるようになると、
今度は必要なコマ分を言葉に出し、
その秒数の間を押し続けられるように訓練する。
これも、やればやるほど、誤差は少なくなってくるものなのだ。
訓練を終えると、いよいよ実戦に入った。
ストップボタンの押し始めは、1つ目のリールが止まった瞬間からである。
たとえば、7コマ分押す必要がある時は、1つ目のリールが止まった瞬間から
ストップボタンを0.56秒押し続け、終わった瞬間、すぐに離すという方法だった。
押した瞬間、「だるまさんがこ」と、頭の中で数えて、即、ストップボタンを離す。
正確であればあるほど、大当たり回数は増えてくる。
攻略法を使い始めて3日目から、スムーズにばっちり使いこなせるようになった。
夕方から閉店時間まで打って、平均4万円~5万円/day稼げるようになったのだ。
2週間も経たないうちに元手は回収できたのである。
その店で同じ攻略法を使用していたのは、若い男のヤツがひとりだけだった。
数は少ないほうが長持ちする。
約半年間、台がなくなるまで、互いに意識しながら、
何のトラブルもなく、打ち続けることができた。
彼はコマ数のタイミング表を尻に敷き、見る時は少しだけ足を開いていたw
隣りに座っていた常連客のおっさんが、
ドル箱を7箱積んでいた俺に声を掛けてきた。
お「その攻略法、高いらしいですね」
俺「えぇ、まぁ…安くはないです」
お「さっき大当たりした時は、ストップボタン押しませんでしたよね?」
俺「そういう場合もあります」
……実際に押さない場合(リーチ目)もあった。
お「この目、何とかなりませんかね?」
……見ると、頭ふたつがゾロ目だったw
俺「いや、ゾロ目は関係ないんですよ」
……実際、まったく意味はなかったw
ひとつだけ注意していただきたいのは、
俺がブログで書いている攻略法はすべて過去のものであって、
現行の機種には攻略法はひとつも存在しない。
もし、売っていたとしても、
それらはすべて詐欺なので、絶対に買わないように!
キャッツタイムズ社も、今はもう存在しません。。。

