ファッションジャーナリスト 髙はし賀子(高橋佳子)のトレンド記録

ファッションジャーナリスト 髙はし賀子(高橋佳子)のトレンド記録

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ファッション界のトレンドを

分かりやすく解説する 

ファッションや流行、その年のトレンドをジャーナリズムの観点から推察し解説する

ファッションジャーナリスト

髙はし賀子です。


こんにちは。
ご訪問下さり有り難うございます。

<このブログについて>
ファッションやその年流行っているもの、世の中の関心などを通して、日本を始めとした国々の経済や政治的、文化的な出来事の側面やその裏側を推察していきます。

また、私が携わっている仕事等も紹介等していきます。

<情報提供媒体>
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ファッションジャーナリスト
髙はし賀子(たかはし よしこ)
携帯:090-3086-6393
メール:fc.yoshiko0225@gmail.com

 

 

先日、Rakuten Fashion Week TOKYO 2027 S/Sの記者発表に足を運んだ。


渋谷ヒカリエでの本番(8月31日〜9月5日)を前に、参加ブランドや今シーズンの見どころが発表される場だったが、私が一番耳を傾けたのは「by R」プロジェクトの話だった。

 

 

楽天という、圧倒的な消費者接点を持つ企業が、リアルなランウェイショーとどう向き合っているのか。それは単なる一企業の取り組みという以上に、これからの日本のファッション産業の在り方を占う話だと感じている。

 

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  KHOKIという選択

 

今シーズン、「by R」が支援するのは「KHOKI」というブランドだ。2019年創業、蚤の市のような高揚感をものづくりに落とし込むというコンセプトを掲げ、東洋と西洋の美意識を折衷させながら、記憶と空想が入り混じるような服を作り続けてきた。2023年にはTOKYO FASHION AWARDを受賞し、2024年にはLVMHプライズのセミファイナリストに、2025年には「10 Asian Designers to Watch」に選出。すでに世界的な評価の階段を、着実に上ってきたブランドである。

 

楽天の担当者に「数あるブランドの中で、なぜKHOKIだったのか」と尋ねたところ、返ってきたのは「楽天とKHOKIだからこそ生み出せる新たな表現を届けたい」という、両者の想いの合致だった。正直なところ、これは決め手というより理念に近い言葉で、質問への直接的な答えとは言い難い。

 

ただ、その裏にある事実は興味深い。今回の支援に先立ち、7月27日には「Rakuten Fashion」内にすでにKHOKIのショップがオープンしている。ランウェイショーという「見せる場」の前に、まず「買える場」を整えていたということだ。ここに、この提携の本質が透けて見える。

 

 

  「自己表現」を聞いたら、「接点設計」が返ってきた

 

もうひとつ、私が投げた問いがある。「by Rを通じて、ファッションと自己表現の関係を、一般消費者にどう感じてほしいか」。

 

私にとって、装いとは自己認識が顕在化したものだ。だからこそ、この問いを投げた。しかし返ってきたのは、EC支援の強化、ユーザーとの直接的なタッチポイントの創出、特設ページでのインタビューや限定アイテムの展開——という、事業設計の言葉だった。

 

これは担当者の力不足というより、構造的な必然だ。企業広報が語れるのは「どうやって消費者を服に触れさせるか」という接点の階層であって、「その服を着ることが、その人にとって何を意味するか」という内面の階層ではない。前者はビジネスの言語であり、後者は個人の言語だからだ。同じ「by R」というテーマを語っていても、見ている階層がまったく違う。

 

このズレそのものが、実は今のファッション業界と消費者との距離を映し出しているのではないか、と私は思っている。

 

 

  数字がまだ出ていないからこそ、見えてくるもの

 

KHOKIは国際的な評価こそ積み重ねてきたが、それが「売上」という数字にどれだけ直結しているかは、まだ見えていない。だからこそ、楽天側の言葉も「シナジーが見込める」「エンパワーメントする」といった、期待値でしか語れない抽象的なものに留まっているのだろう。

 

だとすれば、この提携は今すぐの売上を目的としたものというより、KHOKIのようなクリエイティブ性の強いブランドを通じて、まだ楽天の主要顧客層になっていない、感度の高い新しい層にリーチするための布石なのではないか。by Rは2019年から数えて今年で7年目を迎える。単発のプロモーションというより、3年後、5年後のトレンドの土台を仕込む、時間軸の長い投資として捉えている——そう読み解くのが自然に思える。

 

これはあくまで私の仮説だ。楽天側が数字で明言しているわけではない。ただ、企業が語らない部分を、業界の構造から読み解いていくこと自体が、今の私にとっての取材の意味だと感じている。

 

 

  装いは、企業の言葉の外側にある

 

結局のところ、「自己表現とは何か」という問いに、企業は答えを持たない。持てないのだと思う。それは本来、着る人自身の中にしかないものだからだ。

 

「by R」がどれだけ接点を設計しても、その先で服を纏った一人ひとりが「自分は何者であるか」を感じる瞬間までは、企業は手が届かない。届かせることもできない。だからこそ、そこを言葉にしていくのが、私たちのようなファッションジャーナリストの役割なのだと、あらためて思う。

 

KHOKIのランウェイショーは9月4日、Rakuten Fashionで無料ライブ配信される予定だ。企業が仕込んだ「接点」の先に、KHOKIというブランドが本当は何を語ろうとしているのか——それを見届けたいと思っている。

 

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取材後の懇親会。ケータリングが振る舞われた

 

  JAPAN EDITIONのオープニングレセプションへ

 

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銀座の路地に、藍色の瓦屋根と赤提灯が並ぶ。一見すると老舗の料亭かと見紛うほどの佇まいだが、ここはTOKYO BASEが新たに開いたセレクトショップ、JAPAN EDITION GINZA。京都店に次いで二軒目の銀座店。

 

 

「日本発を世界へ」という創業以来の思想を「今の時代」のファッション、クラフト、ライフスタイルの視点から「再編集する場」として誕生した。

 

 

 

  「懐古的な伝統としてではなく、現代を生きるための感性として捉え直す」

店内に足を踏み入れてまず目を引いたのは、ガラスケースに整然と並ぶ達磨たち。

 

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よく見ると、表面にはデニムやレザーが被せられている。神社に奉納される本来の達磨に、あえて現代の素材で加工を施すという発想は、まさに「懐古的な伝統としてではなく、現代を生きるための感性として捉え直す」というブランドのステートメントを体現していた。ここに祈りの対象としての達磨と、日本のものづくりの技術が重なり合う。

 

 

 

  「着心地」を育てるデニム  

 

 

そして地下へと続く階段を降りると、そこには隠れ家のような空間に整然と並べられたデニムがわたしを待っていた。

 

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ここで一際目を引いたのが「YAMANE INDUSTRIES(山根インダストリーズ)」。伝説的デニムブランドEVISUの創業者・山根昭彦氏が立ち上げた新ブランドで、90年代のジャパンデニム文化へのリスペクトを、旧式力織機による生地と経年変化を楽しめるアイテムに落とし込んでいる。2ndまでセレクトされていたことからも、JAPAN EDITIONがこのブランドにかける熱量が伝わってくる。

 

会場には他にも、アロハシャツやスカジャンなど、日本の職人技が息づくウェアが並び、足元にはガラス素材のソールを合わせたモダンな草履が置かれていた。

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伝統的な鼻緒の意匠を残しながら、現代のライフスタイルに馴染むようアップデートされたそのデザインは、まさに「装いとは自己認識の顕在化である」という私自身の哲学とも重なる。

 

 

 

伝統を纏うことは、懐古ではなく、いまを生きる自分を選び取る行為なのだと、あらためて感じさせられた。

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客層は男性が8割という国際色豊かな間口の広い立地。銀座という「日本の商い、美意識、国際性が重なり合ってきた街」に、新たなの場が開かれた意味を、これからも追っていきたい。

 



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ジャパンブランドセレクトということで、会場でも見かけたブランドではあるがJAPANブランドをチョイス。
トップス:ISSEI MIYAKE
ボトムス:08sircus

※本記事のうち、山根インダストリーズおよびEVISUの沿革に関する記述はブランド説明として伺った内容に基づいています。哲学的な解釈部分は筆者個人の見解です。
 

※文中のテキストの画像転用の際のはトップの連絡先からご連絡をください。

 

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メディアでのトレンド解説♪しております。

 

3月日テレZIP ショウビズコーナーにて米国アカデミー賞トレンド解説

 

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下記トレンド解説の情報です 
 

<週刊誌>
週刊女性(取材)
12月

・12/23に90歳をお迎えに 上皇さま 装いに込められた変わらぬ想い
11月
・ダイアナ妃がいつの時代も最先端!
10月
・10/26デニムの日!永遠に色あせないキムタク家のデニム

 

過去のメディア掲載はこちら

 

あなたは、同じバッグを何年も使い続けるタイプですか?それとも、その日の気分やシーンで持ち替えるタイプでしょうか?

 

映画『プラダを着た悪魔2』から、私はこのファッションのにおける永遠のテーマの一つであるこの問いに改めて向き合うことになりました。

 

 

アンディが劇中を通して手放さなかったのは、使い込まれたコーチのヴィンテージメッセンジャーバッグ「メトロポリタン」(※1)です。

 

 

報道記者となった今も、ジャンポール・ゴルチエのアーカイブアイテムをコーディネート しようと、ドルチェ&ガッバーナのブレザーを羽織ろうと、肩にかかっているのはいつも同じバッグ。

 

出典:COACH コーチ メトロポリタンブリーフケース

 

今作でコスチュームデザイナーを務めた"モリー・ロジャース"(※2)は実はこんな決め手があったとインタビューで話していました。

 

※1:コーチには公式のVintageコレクションがあり代表作である「Metropolitan」シリーズなど、年代物のシルエットを専門のスタッフが修理・再販しています。アンディが持つスタイルに近いものもこの公式ラインから探すことが可能です。

※2:「プラダを着た悪魔」からコスチュームデザインの制作に携わる。前作のコスチュームデザイナー"パトリシア・フィールド"のアシスタントを勤め上げた

 

  「本物」に宿るのは「質の高さと確かな実用性」

 

 彼女は、「実用性と本物感そして最高に柔らかいレザーが揃った瞬間に『これが正解だ』と確信した。」と語っています。20年という歳月の中で職業も立場も変わったアンディが、唯一変えなかったもの、それがこのバッグだったのではないでしょうか。

 

 

一方のミランダは、シーンごとに最適なバッグを選び直します。

 

  纏うのはその瞬間の「最適解」

 

アンディとの再会シーンでは、サスフィ(SA SU PHI)のグレーセットアップに、ピネル・エ・ピネル(Pinel et Pinel)のクリーム色のハンドバッグを合わせました。

出典:Pinel et Pinel

 

「高級ブランドに自分を表現するアイテムを組み合わせる」ミランダらしい”ハイ&ロー”な美意識がそこにあります。

 

これは単なるスタイリングの違いではないと、ファッションジャーな リストの観点を超え筆者は感じています。

  装いとは自己認識の顕在化

 

アンディにとってバッグは「変わらない自分を確認するためのアイテム」であり

 

ミランダにとってバッグは「その瞬間の自分を更新するためのアイテム」です。

 

装いとは自己認識の顕在化である——この視点に立てば、二人が選ぶバッグは、それぞれの生き方そのものを映し出しています。

 

 

「一つのものを持ち続けて自分の軸を確かめる人」

 

「その時々で最適な自分を選び取る人」——あなたは、どちらの生き方に近いですか。

 

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過去のメディア出演・寄稿掲載一覧

 



ファッションジャーナリストの髙はし賀子です。

6月12日に公開され、世界的にヒット中の映画『Michael/マイケル』を観てきました。今週の興行収入は3億7020万8308ドル、日本円にして約600億円(1ドル=162円換算)にのぼるそうです。

今回は、作中でマイケルを象徴するアイテムとして強く印象に残った「ナポレオンジャケット」について、彼が放っていたメッセージと、このアイテムの起源を深掘りしたいと思います。時代を席巻し、「King of Pop」の名をほしいままにした彼が、視覚的に表現し続けてきたものとは何だったのでしょうか。

 

※彼がこのスタイルを愛用していたことは、DVD『マイケル・ジャクソン・アンソロジー サンキュー・フォー・ザ・ミュージック〜The Final Word〜』のジャケット写真でも見て取れます

 

  マイケルが自分自身を生きると強い思いを込めた「ナポレオンジャケット」

作中、彼が幾度となく身にまとっていた「ナポレオンジャケット」。このアイテムが彼にとってどんな存在だったのか、筆者なりの視点で読み解いていきたいと思います。

 

紺色をベースに、金のフリンジや金ボタン、荘厳な金刺繍が施されたこのジャケットからは、真剣さと硬派な意志を感じます。勲章を思わせる装飾の裏には、「自分自身を、自分の指揮官の元に置き、自由に生きる」というテーマが広がっていったように、筆者は感じました。

ナポレオンジャケットという呼称が一般化したのは、1987-88年秋冬のパリ・コレクションで、フランス人デザイナー、シャンタル・トマス(「ランジェリーの魔術師」とも称された)が発表した作品がきっかけだったというのが、業界での共通認識です。マイケルがこのスタイルを着用し始めたのは、これより早い1981年、ライザ・ミネリのコンサート後の登場時だったとされています。彼のスタイルがその後のムーブメントに何らかの影響を与えたのかは定かではありませんが、時代の空気を彼が作り出していたことを思うと、筆者にはその重なりが偶然とは思えません。

マイケルの映画に話を戻します。彼は父親の支配に苦しんでおり、作中でもそのフェーズは繰り返し描かれていました。育ててくれたのは紛れもなく父ですが、自我が芽生えてからは「自由に音楽を楽しみたい」という渇望が、彼の中で欲望から革新へと変わっていったように見えました。

今回の「ナポレオンジャケット」の使い方には、次の3点が強く表れていたと筆者は感じています。

・自分自身を人生の指揮官に置き、同時にビジュアルもコントロールする ・違いを一瞬にして、硬派に表現する ・支配ではなく、愛のために闘う

次回作では、彼が獲得した自由、そして「King of Pop」の名をほしいままにした人生がどのように描かれるのか。その続きをじっくり見届けたいと思いました。

 

 

KEISUZUKI デザイナー 鈴木圭さんの追悼スピーチを最後の言葉としてさせていただきました



左:クリエイティブパートナーの白澤貴子氏 右:奥さまの寿枝さん


皆さんご存知のように、彼は「今を美しく生きたい」という高い意識を持つ女性が求める「半歩先行く美」をドレスに落とし込む能力を持つ、最高のデザイナーだったのではないかと思います。



彼は個人的に、ムッシュ・ディオールを大変尊敬されていました。一般人から程遠いクチュールドレスを、圭さんはご自身のフィルターを通して、本物を求める女性に響くドレスへと生み出していたのだと思います。






皆さんが感動されるのは、彼のドレスを着る度に日常に高揚感を持てるという魔法だったのではないかと思います。

彼のすごいところをファッションジャーナリスト的に申し上げると、一貫して、いつ着ても高揚感までまとうことができるドレスをつくり続けてきたという点です。KEI SUZUKIが生まれて間もない頃に私は出会いました。

彼の本物思考の優雅さは、今では白澤貴子さんを初めとして、業界の方々から憧れを抱かれる一般のお客さままで魅了しています。

ここまで成功したブランドで、お客様を一人一人愛し、時にドレスをもって美しさという面で影響を与え、そしてお客様からも同時に愛されて成功し続け、進化し続けたブランドは他に類をみません。これからは、妻の寿枝さんと、クリエイティブディレクターである白澤貴子さんとスタッフの皆様でKEISUZUKIを存続されるということになり、わたしは期待で胸がいっぱいです。

こちらで終わりの言葉とさせていただきます。

本日はありがとうございました。

※こちらを昨日2026年6月21日に横浜で行われた追悼式でスピーチをさせていただきました。