太陽光発電についての批判youtube投稿 | 元太陽光発電技術者の道楽ブログ

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30年余り太陽光発電に携わってきましたが、リタイアすることにしました。
これまでの経験を活かし、我が家の屋根太陽光発電や購入した分譲太陽光発電所の状況・運営・評価などをはじめ、太陽光発電の技術に関連したことを中心に呟いていこうと思います。

私は最近、youtubeにはまっています。Youtubeでは様々な人が意見を発していますので、中には間違ったものもありますが、うまく利用すれば結構良い情報収集ができるメディアだなという印象を持っています。しかし、本当に酷い間違いをしているものもあり、そういうものについては、やはり間違いを指摘して是正していくことも必要ですね。

 

太陽光発電についても変な投稿がありました。いくつもありますが、そのうち、今回は「意外な事実に鳥肌!コレが太陽光発電に隠された闇なんです…知らないと損するデメリットを徹底的にお話します」という投稿について見ていきます。

この投稿は2019年のものなので、もう遅いかもしれませんが、youtubeには間違い指摘のコメントを投稿しておきました。とにかく完全に勘違いしていますね。

 

この投稿をした人は有名な人で、電力の専門家(原子力)と見られますが、それにしても酷い間違いですね。この人の主張は「太陽光で1kW発電するのに電力4kWを消費する」と言う学生の話を信じて、こんなバカげた発電は止めろと言っています。

 

もし学生の話が本当なら、確かにバカげた話です。しかし、これは明らかに間違いですね。おそらくこれはkWとkWhの混同という、最も初歩的な間違いを犯していると見られます.

 

一般的に太陽電池はエネルギーペイバックタイムが2年ほどと言われています。これは太陽電池を作るのに要したエネルギー(電力)を太陽光発電で取り戻すのに2年ほどかかるという意味です。まぁ、架台やインバーター、送電などのコストを考えて、2倍の4年かかると考えましょうか。

 

太陽電池1Wは1年間で約1kWhを発電します。すると4年で4kWh発電しますね。そうすると、4kWhの電力を用いて太陽電池を作ってしまえば、それは毎年1kWhの電気を発電するということになります。10年間では10kWh、20年間では20kWhの電気を発電します。

 

恐らくこの投稿者は「4kWhの電力を用いて太陽電池を作ってしまえば、それは毎年1kWhの電気を発電する」という話を「4kWhの電力を用いて1kWhの電気しか発電しない」と勘違いしたのでしょう・・・・、良く判りませんが。

 

初歩的な間違いですが、これを言っているのは有名な先生で、無名の私なんかが反論しても、世の中の人は有名な先生の話を信じてしまうのが辛いところです。そうは言っても地道に反論していくしかないですね。これから、出来る範囲でこのような投稿を見つけて分析反論していきたいと思います。

 

 

 

 

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