うつ改善セラピスト 横山玲子 のプロフィールは こちら
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私は、鍼灸を中心とした治療を行っています。
さらに、鍼灸のやり方のうちでも、
「中医学」という理論を元にしています。
鍼灸専門学校で習う、基礎中の基礎です。
「中医学」は現代の中国で整理された医学体系ですが、
ベースは紀元前200年ぐらいに編纂された、
黄帝内経素問などの古典です。
専門学校時代、「中医学」は、
非常に精緻に組み上げられた学問のような感じがしていました。
そりゃ、ちょっと前まで、
大手IT企業でSEみたいなことをしていたわけですから、
世界のすべては説明できる、ぐらいの勢いだったわけです。
しかし、臨床の現場に出て、もう一度「中医学」を勉強すると、
意外にも、抜けや漏れがたくさんあることに気が付いたのです。
抜けや漏れ、というか、語らない部分が多い、というか。
例えば、診断の基礎となる情報に「脈」があります。
中医学では、脈は、28種類あります。
速い、遅い、細い、無力、などですが、
さらに、浮いていて弱くて細い、といった複合の脈もあります。
速い、や、遅い、といった単一の要素の脈は20種類。
それらにすべて2つ以上の組み合わせがあるか、といったら、ない。
そう、実は複合の脈は8つしかないんです。
臨床の現場に出てから、真面目にこの組み合わせ表を作ろうとして、
愕然としました(大げさ?)。
そして、臨床って、こういうものなんだ、と悟りました。
実際に「ある」ものが大切で、理論上「あるはず」のものにまでは言及しない。
まず、目の前の患者さんを見なさい。
そして、持てる知識と技術を総動員して、患者さんを改善に導きなさい。
そう言われているような気がして、それが、IT企業時代の考えを手放した瞬間でした。
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