買いたい服がない難民 | 編・縫・織の暮らしの中で

編・縫・織の暮らしの中で

高野山ふもとにある織物の町に生まれ
糸や布に囲まれ育ちました。

和歌山県橋本市高野口町
洋服お直し
手仕事工房SUNNY店主

地域衣料サポート・糸布製品お直し

手仕事工房SUNNY

橋本市高野口町向島223ー8
09030394300
2/23㈬天皇誕生日 9時〜5時
※今週は早く閉める日が多いです

さにーです。

紳士服ジャケットのような袖付を
【セットインスリーブ】(左)といい、
肩が落ちた所から袖が付いているのを【ドロップショルダー】(右)と言います。

セットインスリーブという言葉は知らなくても、お直しに来店されるお客様の多くは【セットインスリーブ裏地付きアウター】を求められている事はよくわかります。

華奢でお若いお客様が、真剣に吟味して探しに探して買ったコートがドロップショルダーなので、セットインスリーブに直して欲しいとご来店されました。
お値段を見てびっくり。うちの旦那の給料より高いやん💦は言いませんでしたけど、ホントに驚きのお値段でした。いくら探してもセットインスリーブの気に入るデザインがない、との事でした。
・ドロップショルダーは今のトレンド
・洋服を作ることは簡単ではない
・この服を作られた方々や、この会社への敬意も必要だと思う
・うちは【日常着】の洋服お直し店
・数年着用してからお直しオススメ
などの内容を言葉を選びながら伝えました。一生着るくらいのつもりで真剣に考えて選びに選んで購入されたとの事だったので、私も真剣に時間をかけて解説と説明をさせて頂きました。

採寸して原型(その方の身体の数値)からパターン線を引き直してハサミを入れないと、この服に対して失礼という事も話した上で、それでもこの洋服を直したいと思うなら、名刺の先生(大阪北新地)を訪ねるように伝えました。

採寸して原型に基づいた直しをしてくれる先生で、本当に困った事があった時に助けてもらえる私のお守り名刺です。

迷いに迷いながら買ったとはいえ、若い子が買うお値段の洋服ではなかったので可哀想になりました。若い子の方がお金持ってますけどね。
そこまで悩むなら
【オーダーする事を考えてみる】
それでも気に入った洋服に出会わなかった時は洋裁教室へ通い自分で洋服を縫ってみて下さい。
関西に腕の良い洋裁師先生はいるし、良いお教室もある事も伝えました。
とことん気に入った洋服を着たいのなら努力も必要だと思います。

私も含め欲しい服がない難民はたくさんいます。これだけ世の中に洋服が溢れる飽飾の時代なのにね。
洋装店や洋裁師先生、クチュリエールと呼ばれる職業の方々なら救えるのに、と思っています。
洋服をオーダーする、洋裁教室へ通い自分が着る服は自分で作る事が特別でない世の中になれば良いな。
そんな時代もあったのにね。

天皇陛下が生まれた1960年(昭和35年)頃は素敵な洋服がこの世に溢れ始めた頃です。