糸偏の仕事は川で例えられます | 編・縫・織の暮らしの中で

編・縫・織の暮らしの中で

高野山ふもとにある織物の町に生まれ
糸や布に囲まれ育ちました。

和歌山県橋本市高野口町
洋服お直し
手仕事工房SUNNY店主

日曜日の朝です
今日は曇っています

紀の川で、私が一番好きな場所です♡
水量が多くて、ゆったりと流れている場所


糸偏の仕事って、川で例えられます

川上産業は 繊維素材・テキスタイル
紡績、糸商、染色、機屋、ニッターなど


川中産業は アパレル業界
縫製、ニット、輸入、加工など


川下産業 アパレル小売
販売ですね


川上で糸・布など生産し、川中へ
川中で仕立て、そして川下が販売する


こんな図式もあります


私の暮らす高野口産地
布の生産・染色・加工ですので
川上産業です

一つ、前々から思っている事

高野口産地の歴史って、古い
そして昨日のブログでご紹介した
大畑才蔵さんの技術により
早い時代から川の環境も整っている

大畑才蔵さんの築いた技術を
「紀州流」と呼びます
この紀州流の技術が関東に渡り
関東平野の水路を整備しました
これを「関東流」と呼びます

水の技術って
紀州流・関東流この2つのようなのです
(只今、勉強中)

川の整備技術の始まりは紀州からです
八代将軍・徳川吉宗の頃に始まります
高野口産地はもっと古いのですが
産地として認められたのは吉宗の頃です

高野口産地は川上産業です
この地域、紀州の北で 紀北地方
昔は、別名で川上地方とも呼ばれていて
農協は今でも
その川上農協と言う名前が残っています


糸偏業界を川で例えるのも
もしかして
紀州流の名残りではないのかな?

大畑才蔵さんの紙芝居を
作っていくに当たり
この点も探ってみようと思っています

大畑才蔵ネットワーク和歌山
川についての知識人の集まりですので
おっちゃん達に私の長年の疑問を
投げかけてみようと思っています



私たち、糸偏ハンドメイド業界の人間も
同じこの川で生きているのだと思います

織りから布を作り
製品化し販売している人は
川上・川中・川下と
川を網羅している人で
糸偏ハンドメイド業界のスペシャルな人

布を仕入れて、製品化し販売している人は
川中・川下で生きている

そう考えると
私たち糸偏ハンドメイド業界の人間は
単独で、よく頑張っているよね

悩んだりつまづいたり、壁に当たる
大きな大きな川の中で泳いでいるんだもん
怖くて、当然だよね

わたくし本日、川中を泳いでおります
お預かりした手織りの布で
ソファーカバーを縫っております


お預かりの布なので
川下へ流れる必要はありません( ´艸`)

お預かりのお品は、有り難いです♡



私は川中が大好きです
ずいぶん長い間、川中だけで生きてきた
出来ることなら
ずっと川中だけで生きていきたい
だけど
川中だけで生きていてはプロとは言えない

川下へ行かないと、お金は入ってこない
そして川下は激戦区です こわい……
当たり前です お金なのですから

川下でどう生きていくか 
今後の課題です

泳ぐのは下手くそです
溺れないよう、ムリはせず
救命胴衣を付けて安全第一です