Guaiacum officinale. (グアイアカム Guai. /癒瘡木 ユソウボク) | SUNNY GARDEN

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VAMOS A MIRAR Mi JARDIN.

 

ダイナミススクール4月の授業では、サイコシス(淋病)マヤズムについて学びました。

それに続き、7月授業では、シフィリス(梅毒)マヤズムについて学びました。

そこで、私にとってあまりなじみのないシフィリスマヤズムのレメディ~Guai.を学びました。

 

梅毒マヤズムのレメディといえば水銀を原料とするMerc.(マーキュリー)が代表格。

水銀は、梅毒の薬として使われてきました。

きわめて毒性の強い、常温では液体の重金属です。

 

1492年、コロンブスの新大陸発見は、世界史上もっとも有名な出来事の1つです。

コロンブスは当時の英雄。

芋、煙草、チョコレート、唐辛子など、さまざまなものを持ち帰りましたが、「梅毒」という厄介なものも持ち帰りました。

梅毒は、南米では風邪をひくような大したことのない風土病のようなものだったようです。

それがスペイン人に感染したとたん大変な業病になったのだそうです。

梅毒は、性交渉で感染していきます。

1512年には、日本でも、文献記録に登場します。

たった20年で極東の島国までやってきたことは、驚きです。

 

スペイン人は、南米から「梅毒」を持ち帰ってきてしまいましたが、病と共に治癒の木も持ち帰りました。

梅毒の薬であったことから、和名ではユソウボク(癒瘡木)と呼ばれてきました。

種小名の officinale も「薬効あり」という意味を持ちます。

Guai.は、ユソウボクの樹脂を原料にするレメディです。

 

 

ユソウボクは、水銀が梅毒の治療に使われるようになるまで、30年から40年ほど使われてきました。その後100年以上水銀が使われるようになります。

 

ユソウボクは、南米北部の沿岸から西インド諸島原産の常緑高木。

ジャマイカの国花に指定され、別名Lignum Vaite(生命の木)とも呼ばれています。

 

ユソウボクは、現存する南米の木の中でもっとも比重が重く、硬い木です。

丈夫で耐久性に優れているため、昔から船舶のスクリュー装置の軸棒などに使われてきました。

また、この木に含まれている樹脂が潤滑油の役目もするため、機械時計の軸にも使われてきました。

重くて水に沈む、鉄の木ともいわれています。

まるで金属のような特徴を持った木です。

油分を多く含み、腐らない。

警棒にも使われました。

 

 

Guai.は、「ファタックのマテリアメディカ」では、“関節の繊維組織に主に作用する、関節炎体質に有用なレメディ。”という一文から始まります。

筋肉と腱が収縮して、痛みをもってこわばり、関節が腫れます。

縮こまり、ねじれ、しびれ、痛み、歪み、動きにくくします。

Guai.はこういった症状の主たるレメディです。

筋肉・靭帯の収縮といえば、Caust.(コウスティカム)にも似ています。

ですが、Guai.の方が、より収縮感が強いです。

 

Guai. の収縮感は、だんだん痛みへと進みます。

針で縫われているような痛み。

全身の様々な部分で感じるようになってきます。

頭、顔、喉、心窩部、膀胱、焼けるような熱感のリウマチを伴う扁桃炎、。

ナイフで刺されるような痛みもあります。

ナイフで刺される夢を見ます。

梅毒レメディの多くがナイフのテーマを持ち、重たい金属でもあります。

Guai.は樹木ですが、金属のように、重くて硬いというところが面白いと思います。

そして、樹木ですが、梅毒レメディに分類されています。

収縮は、中心に向かって一点に絞られてきます。

すべてのものが一点に向かって、収縮して、動けなくなり、立ち尽くします。

 

「ファタックのマテリアメディカ」の精神症状では・・・。

・忘れっぽい、特に名前。

・すべてのことを批判したい、さげすみたい強い欲求。

・軽率に物事を始める。

・怠惰、頑固、気難しい。

 

あらゆるものが狭すぎるという妄想を持っています。

MIND; DELUSIONS, imaginations; narrow, everything is too

(精神;妄想,想像;狭い,すべてが狭すぎる。)

この症状に該当するレメディはGuai.とPlat.(プラチナ)。

 

イライラして話さない。縮こまっている。固定観念。柔軟さがない。侮辱するような傲慢さ。さげすむように批判し、軽蔑したい。強情。思考が硬い。妥協しない。懐疑的。

 

戦いの夢や暴動の夢を見ます。

MIND; DREAMS; battles  戦い

MIND; DREAMS; fights  戦闘

MIND; DREAMS; murder  殺人

MIND; DREAMS; quarrels, strife  けんか

MIND; DREAMS; riots   暴動

MIND; DREAMS; scientific  科学的な、厳正な

MIND; DREAMS; stabbed  刺される

 

命を持つ動的なものは、一点に向かって、収縮するときには、必ずもう一方に拡張していくという力が働きます。

そして、それらの間で、引き裂くという不調和な状態が病気です。

政府は一点に収縮させたい、他方民衆は拡張したい。

これが暴動という状態を起こし、「警棒」で収拾されます。

「警棒」は、ユソウボクで作られることが多かったようです。

 

ジェレミー先生がダイナミススクールで、このレメディについて講義をしていた時、ある生徒さんの一人が「私の夫です!」といったそうです。

 

彼は65歳。

しばしば喉の痛みを訴えます。痰は出ない。左腕に大きな潰瘍があり出血している。

メラノーマ(悪性黒色腫:皮膚がんの一種)もあります。

精神的にも「収縮」している人。

若いときからのルーティンを変えずに暮らしている人。

習慣を変えない。

新しいものに心開かない。

同じ服を着て、同じものを食べ、ジムで同じエクササイズをして、同じ本を読んで、同じジョークを言う人。

ジョークは人への批判と馬鹿にすること。

常に変わらず1つのことを信じて、違うことは信じない。

仕事は、映画のスタントのコーディネーター。

ナイフ、けんかの準備の仕事。

多くの戦いや暴力のシーンを作ってきた。

ナイフと刀が好きでベッドのわきにナイフのコレクションを飾っている。

話すときは短い文。語彙が貧しい。

短期記憶は貧しく、長期記憶は豊か。(これは梅毒マヤズムのレメディに特有)

動くことが嫌いで、時間のある時はソファに寝ころんでTVを見ている。

関節の痛みは、冷たいものをあてがってケアしている。

寒がりで寒さは嫌い。暑いのも嫌い。寝汗がひどい。

いつもリンゴとバナナを食べている。

身体はがっちりしている。

 

この人に、Guai.6c.を1日に3回毎日続けて1か月飲ませたそうです。

すべての症状は消えて、身体は治癒され、彼女とは離婚して友人となったそうです。

ハッピー・エンド。

 

Guai.は、寒がりですが、患部を冷やすと好転します。

関節リウマチも、関節炎も、痛風、成長痛、首の痛み、手根管症候群も患部を冷やしたがり、また楽になります。

Led.(イソツツジ・ワイルドローズマリー)も患部を冷やすと楽になるという、同じモダリティを持っています。

Led.の精神症状は、「ファタックのマテリアメディカ」では、

“怒り。不機嫌。不満。仲間を憎み、一緒にいることを避ける。”とあります。

精神的にも似た傾向があるようです。

 

りんご好きのレメディです。リンゴを欲しがり、リンゴを食べることで好転します。

りんごもユソウボクと同じく硬い木です。

Guai.には硬いというテーマもあります。

粘液が硬くなったり、発疹が硬いという症状もあります。