朝に目が醒める。
今日もまだ、
彼が遠くなってしまったことに寂しさを感じる。
子供達を送り出してから
自分も足早に出勤する。
外に出ると、
突き刺すような冷たい空気が
私を一気に包む。
ものすごく寒い。
温まっていた身体は
指先、耳、鼻先から
徐々に冷えていく。
上を見上げると真冬の凍て空が広がり、
まだ弱々しい朝の光が
透明な世界を作り出している。
昨日、という
一日の時間の経過の中で
蓄積された負の要素が
きれいに清められている。
まだ明けきらない空は
群青色のグラデーションを成し、
陽光に近いところは浅紅色だ。
その様がもの悲しげで、
私の心にある寂しさの線を
くっきりとなぞる。
私にその寂しさを確認させながらも
確かな希望をくれるような、
そんな色。
そんな真冬の朝の雰囲気を感じながら、
駅までの歩みを緩めることなく進んだ。
職場に着くと
一気に仕事モードに切り替わる。
仕事着に着替えた途端、
思考の切り替えが完了する。
次から次へと
片付けても片付けても
湧いて出てくる仕事に集中する。
そんな時は彼のことを
考えなくて済む。
彼が遠くなっていることも
感じなくて済む。
今日は朝から余計なことを考えずに
仕事ができていた。
そして、
電話がかかってきて、
また一つ仕事が入る。
その人の命を救わなくてはならない。
その人の情報を得る。
私がその人の担当となり、
関わることになった。
その人はにこやかで
自分からよく話をする人だった。
私も笑顔で相槌を打ち、
会話を楽しみながら
その人に必要な仕事をする。
・・・・・・・・・・・・・
その人は
ツインの彼がいる場所から来た人だった。
そういうことは
そんなに起こることではない。
不意打ちで
彼の最近の情報を
思いもよらぬ人の口が語っている。
身体に電気が走ったように衝撃を受ける。
サインだ…
その人の口から
ツインの彼の名前が出る。
ツインの彼が働いている状況が語られる。
何事もないように
その人の話を聞き、
淡々と仕事をしながら
時折、
彼のことに絡むような質問をしてしまう。
そして、その人が答える。
私はこの話は私に聞かせるために
語られていると悟る。
たまたま
その電話を私が取り、
たまたま
私が担当になり、
たまたま
彼のところから来た人が
彼のことを語っている。
その間、私は確かに彼といた。
彼がその場にいるように感じるほど、
強く繋がれていた。
その人とではなく、
彼と会話していた?
涙は出なかった。
優しく、愛に溢れる自分がいるだけだった。
強い繋がりを通して
彼には愛を伝え、祈る。
今日もあなたを愛してる。
今日もあなたが幸せでありますように。
そんなことを思いながら、
その人との時間を過ごした。
彼が遠くなっても、
二人は決して離れているわけではない。
二人の愛は変わらず、ここにある。
それを私に理解させるための、
寂しがる私を心配しての出来事だろう。
外から見れば、
普段と何も変わらない一日。
内から見れば、
この世界も
見えない存在も
彼も
私も
愛に溢れている。