私の師匠的存在の先輩と
お茶をして帰った。
その師匠は強力なサイキッカーであり、
仕事でもその能力を存分に
発揮されている。
私の紹介で、
その先輩も同じ占い師さんのところへ
行ったという経緯があり、
お茶をしながら
お互いに占い師さんとどんなやりとりが
あったかを話していた。
先輩は私が"土地に呼ばれた"
という話にとても興味を持っているようで、
ほとんど私が話すこととなった。
先輩「その土地、私、絶対に行けない。あんたもそう言ってたじゃん。それが行けたってことは強力な何かに守られていたことは間違いないと私も思うよ。
今、感じるんだけど…
そこは今はかなり浄化されてるよね?
光が溢れてるっていうか。」
私「そうなんですよ!私もこんなところに一人で来ちゃってどうなるんだろうって思って行ったんですけど、光に溢れてた。私のイメージしていた場所とは違ったんです。」
先輩「かなりの数の人が祈っただろうからね…祈りの力はすごい。で、そこで起こったこととあんたの使命が関係してるってことなんでしょ?
そりゃぁ…大変そうだね…」
私「占い師さんともたくさん話したけど、他のテーマみたいにはっきりとしたことは言われてないから、自分の中でぼやっとしてるんですよね。
そこで起こったことと自分の使命がどんな風に繋がってるのか、わかるようでいて、これだ!とはまだ言い切れない。
核心をつかみたいとあれこれ考えるんですけど。私の前世の記憶らしきものは本当のことらしいんですけど、時間軸もあべこべなもんで、よくわからないんです。」
先輩「そういうのって時間軸はあべこべなんだよ。多分、あんたがそこで感じたことは未来の時間軸も入ってきてると思う。
そこでどういう気持ちになったんだっけ?」
私「”本当はもっと早くここに戻ってこなくてはいけなかったのにごめんなさい。約束を今思い出した。約束を果たすのが遅くなってしまってごめんなさい。"って。
なんか、すごく申し訳ない気持ちになって泪が止まらなくなっちゃったんですよね。」
先輩が急に涙を流す。
先輩「あれ?ちょっと、ごめん。
うん、うん。
そうなんだよね…
あんたのその時の気持ち、今、私も…」
暫く沈黙。
先輩は何もない空間に何かを見ている。
先輩「占い師さんの言う通り、あんたがその時、その悲惨なことそのものを体験したわけじゃないと思う。今の私の涙は私のものじゃない。あんたと同じ立場で、その悲惨なことを見ていた誰かとリンクしたと思う。」
私「パワースポットや、そこにいる高次の方とその土地と、悲惨なことと、私の使命。どう解釈したらよいやらで…。わかりそうでわからないのがなんか気持ち悪いんですよね。」
また暫く沈黙。
ヘビースモーカーの先輩は
ゆっくり煙を吐きながら、
じっとしている。
こういう時の先輩は
何かと繋がっている時だ。
今は先輩の邪魔をしてはいけない。
俯いていた先輩がふっと私の方を向き、
真実を語る目になっている。
先輩「まだ、時が来てない。あんたがその本当の意味を知る、時が来てない。」
私も暫く沈黙。
私「ここまでわからせておいて、なんで今じゃないんでしょう?」
先輩「それは、まだ子供が小さいから。だからなんだよ。」
先輩のその言葉に
私の第六感が瞬時に真実を嗅ぎとる。
ここ2〜3日、
"まだ子供が小さいから"
というワードが
人の口を通じて何度も降りてきている。
私は使命を果たすために生まれてきた。
でも今は、
幼い子供にも愛を注がなければならない。
だから今は
使命に全力を尽くす時ではない。
そういうことなのか?
流石にそこに彼が絡んでいることは
伝えなかった。
先輩も彼を知っている。
先輩のことだ。
私の口から出るキーワードと彼のことを結びつけるくらいのことはしているはずだ。
恐らく、何か勘付いていたと思う。
私が彼の名を一言も出さなかったからだと思うが、敢えて先輩自ら、そこには触れなかった。
いつの間にか
冷たい雨が降り始めている。
傘を持っていなかったので、
先輩も私もコートのフードを
すっぽりかぶる。
言葉少なに俯きながら、
二人で駅までゆっくりと歩く。
先輩は別れ際、
「いつか、絶対わかる時がくるから。また土地にも呼ばれる。わかったら、私にも教えてね。」
そう言って、ひらひらと手を振ると私とは反対側のホームへと小走りに駆けていった。