彼女は言葉を発することが出来ないほど衰弱していた。
話しかけると時折目を開けるが、ほとんど閉じていた。
食欲もなく水分も少ししかとれない。
夜間救急に連れて行ってから、毎日点滴の生活。
最初原因がわからず抗生剤の注射も打った。
僕はただそばで彼女の手を握ることしか出来なかった。
一瞬考えてはいけないことも考えた。
それから10日目の朝。彼女が大きな目を開いた。
ちょっと涙ぐんでるようにも見えた。
はじめて食事を口にし、水も飲めるようになった。
彼女がやっと僕の元に戻ってきたのだ。
そして彼女はやっと尻尾を振ってくれた.