印刷職人のしごとば -5ページ目

「おやすみ神たち」第49回造本装幀コンクール入賞

サンエムカラーで印刷した「おやすみ神たち」が第49回造本装幀コンクールで出版文化産業振興財団賞を受賞しました。



表



谷川俊太郎さんの詩27篇と川島小鳥さんの写真102点を織り交ぜ、目には映らない「タマシヒ」とその来世での行き先を探求した作品です。

うららかな日差しの下で撮られた風景はどこか懐かしい雰囲気をかもし出しています。



雨・花



写真や詩のニュアンスに合わせ、ページごとに異なる風合いの紙が使用されています。

中には薄くて裏の詩が映り込むページも。



透け字



どの紙質も同様に鮮やかな仕上がりになるよう、印刷に工夫がこらされています。

本のカバーを取り外してみると、灰色の厚紙仕様の表紙に銀色の箔押し文字で本文にはない詩が書かれています。



表紙



取り外したカバーもさらに大きく展開するとポスターになります。



ポスター



第22回東京国際ブックフェアにて本書の表彰および展示が行われます。

ぜひ手にとってその世界観を楽しんでみてください。




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『おやすみ神たち』
詩 谷川俊太郎
写真 川島小鳥
発行 株式会社ナナロク社
印刷 株式会社サンエムカラー
仕様 A5変形 176ページ
定価 2300円+税

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第22回東京国際ブックフェア
開催日時  2015年7月1日(水)~7月4日(土)
 一般公開日は3日(金)・4日(土)
     10:00 ~ 18:00
会場   東京ビッグサイト西展示棟
      〒135-0063
東京都江東区有明3丁目11-1
HP    http://www.bookfair.jp/

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サンエムカラーは作者のこだわりをサポートさせていただきます。

岩高伸宏個展「都市code」 - iTohenにて開催

岩高伸宏さんは、日々私たちを取り巻くビルを写真に撮り、それをさらに紙上で緻密に組み合わせてコラージュ化されるアーティストです。



看板



今回の個展「都市code」の開催場所はカフェ・ギャラリー・書店を兼ねそろえたiTohenです。


コラージュに使う写真の印刷をサンエムカラーでお手伝いさせていただきました。
2年間あらゆる印刷手法を経て試行錯誤した結果、サンエムカラーのダブルトーン印刷が採用されました。


モノクロームに広がるビルが織りなす幾何学模様は身近でありながらどこか不思議で、2次元と3次元の境界でさまよっているように思えます。


こちらは展覧会の様子を写した写真です。



ギャラリー



下はコラージュに使われた写真の一部ですが、高層ビルの窓ガラスにまた高層ビルが映っている様子が見えます。



アップ



遠くから眺めても、近くでじっくり見ても非常に味わい深い作品となっております。


ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。




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展覧会名  岩高 伸宏 個展 《都市code》
開催場所  Gallery Books Coffee iTohen
      大阪市北区本庄西2-14-18富士ビル1F
      http://www.skky.info/itohen/gallery/index.html
開催日時  2015年5月13日(水)~5月24日(日)
12:00 ~ 19:00(最終日18:00まで)
休廊日 月曜日・火曜日
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ダブルトーン、トリプルトーンの白黒印刷もサンエムカラーで承っております。

『「天使」の名画』


本日は美術評論家・平松洋さんの画集『「天使」の名画』(青幻舎)をご紹介します。


表紙


表紙は天使の絵とチェリーピンクの箔押しから愛くるしさと神々しさが伝わってきます。

天使は目には見えなくても私たちを守り、救いだしてくれる確かな存在。
そのようにお考えの平松さんが集めた絵画は、


天使1


きらびやかな光を放つ天使から、


天使2


闇に差し込む一本の光のように静かに輝く天使まで、様式や年代はさまざまです。

絵画ごとに書かれた平松さんの解説は、いかにして西洋絵画により私たちが思い描く天使が形成されてきたかを探ります。

絵画はページに大きく載っており、天使の透明感、華やかさを印刷で細かく表現しました。

ぜひ、手に取って自分の天使像と実際に比較してみてください。




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『「天使」の名画』
著 平松洋
発行 株式会社青幻舎
デザイン 北尾崇(HON DESIGN)
印刷 株式会社サンエムカラー
仕様 A5判 144ページ
ISBN 978-4-86152-474-5
定価 2000円+税
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サンエムカラーでは作品集などの自費出版も承っております。

お問合せはコチラ

「等伯のナラティブアート」トークショーのお知らせ

展覧会「等伯のナラティブアート A Narrative Art of Tohaku」につきまして、弊社相談役 松井も参加させていただくトークショーの日程が決定しましたのでお知らせいたします。
是非ともご来場ください。


「等伯のナラティブアート A Narrative Art of Tohaku」
南禅寺天授庵 実寸大記録模本 + 図書展示

2015年4月25日(土)─ 5月6日(水) 4月27日(月)休
午前11時 ─ 午後7時
代官山ヒルサイドテラスF棟・ヒルサイドフォーラム


◎トークショー

ショートレクチャー + ギャラリーツアー いずれも午後四時開始
 講師 須賀みほ 東京藝術大学美術学部准教授
 第一回 四月二十五日(土)「等伯の説話画」
 第二回 四月二十六日(日)「等伯の空間構築」
 第三回 五月三日(日)「日本の物語絵」
アートトークイベント 五月二日(土)
 第一部 テーマ “プロパゲーション” ──美術資料と伝達 午後一時開始
 出演
 松井勝美 株式会社サンエムカラー相談役
 本田光広 日本ヒューレット・パッカード株式会社 社長室長
 肥田木淳司 日本アグフア・ゲバルト株式会社 グラフィックシステム事業部技術本部長
 小塚直斗 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程
 第二部 テーマ “トランスレーション” ──美術資料と解釈 午後四時開始
 出演
 山田奨治 国際日本文化研究センター教授
 米谷一志 新潮社 新潮選書編集部
 須賀みほ 東京藝術大学美術学部准教授  

摺師・松井勝美 等伯の襖絵を刷る

代官山ヒルサイドテラスで開催中の「等伯のナラティブアート A Narrative Art of Tohaku」の配布資料の印刷。
弊社相談役でもある摺師・松井勝美が腕をふるいます。

等伯のナラティブアート1

等伯のナラティブアート2

松井は、現場では誰よりも厳しい親分的存在。
現場にも緊張感が走ります。


等伯のナラティブアート3

印刷機は、今年3月に導入したばかりのリョービMHI製・LED-UV仕様の新型機。
刷版はアグフア・ゲバルト社のAzura TSを使用。
プロセス4cに加えて古色を刷り込み、深みのある作品に刷り上げました。


等伯のナラティブアート4

陽の光が差し込む南禅寺天授庵の一室に、長谷川等伯筆〈禅機図〉の一場面が浮かび上がります。
さりげない印刷物の中に、当社の技術の粋が結集しています。

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「等伯のナラティブアート A Narrative Art of Tohaku」
4月25日~5月6日
代官山ヒルサイドテラス ヒルサイドフォーラム

5月2日(土)13:00~のトークイベントには、松井勝美が参加予定です。
是非、お越しくださいませ。





展覧会のご案内「等伯のナラティブアート A Narrative Art of Tohaku」

展覧会「等伯のナラティブアート A Narrative Art of Tohaku」のご案内をさせていただきます。

弊社相談役 松井勝美が特別協力させていただきました。


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「 等伯のナラティブアート A Narrative Art of Tohaku 」

南禅寺天授庵本堂の襖絵群は、長谷川等伯晩年の秀作、禅機の物語のナラティブインスタレーションである。
本展では今春公開の記録模本を全面展示し、その豊かな説話画の世界を紹介する。

【会場】
代官山ヒルサイドテラス ヒルサイドフォーラム
〒150-0033
東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟
http://www.hillsideterrace.com/art/150425.html

【日時】
2015年4月25日(土)~2015年5月6日(水) 11:00~19:00 ※4月27日(月)休館

【入場料】 無料

【主催】 「等伯のナラティブアート」実行委員会

【特別協力】 南禅寺天授庵 ヒルサイドテラス 松井勝美(株式会社サンエムカラー相談役)

【協力】
株式会社サンエムカラー 日本ヒューレット・パッカード株式会社
ハッセルブラッドジャパン株式会社 国立大学法人東京藝術大学
日本アグファ・ゲバルト株式会社

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今回の展覧会では、東京藝術大学美術学部芸術学科の須賀みほ准教授らが約5年の歳月をかけ安土桃山時代の絵師長谷川等伯筆のふすま絵(重要文化財)を複製、南禅寺塔頭の天授庵に奉納された作品をご覧いただくことができます。

また、5月2日(土)13:00~のトークイベントには、弊社松井の参加を予定しております。

会場では弊社が印刷を担当させていただきました、須賀みほ准教授著「等伯の説話画 南禅寺天授庵の襖絵」(青幻舎4月上旬刊行)もご覧頂けます。

ご多用中とは存じますが、お誘い合わせの上ご高覧ください。



『A Life with Camera』 上田義彦写真集・ポスター 発売中

写真家・上田義彦さんの写真集「A Life With Camera」が、羽鳥書店様より発行されました。

35年分の作品を収録、総ページ数586ページの大作で、
タイトル通り上田さんの写真人生の集大成と呼ぶにふさわしい一冊です。

印刷をサンエムカラーが担当させていただきました。

表紙

Wahol

石器


世界的な著名人を撮影したものや、印象的な広告に使用されたもの、世界の絶景、時の流れを封じ込めた標本など・・・
多彩な仕事のひとつひとつに、鬼気迫る緊迫感の中でしずかに被写体に向かい合う上田さんのまなざしが感じられます。

どの作品もまったく気を抜けない真剣勝負の色校正を繰り返し、理想の色彩に刷り上げました。
自信を持ってお届けします。




また、上田義彦写真展「A Life with Camera」は、7/26まで東京のGallery916で開催中。

こちらも是非お出かけください。


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   上田義彦写真集『A Life with Camera』

   発行 羽鳥書店
   装丁 中島 英樹
   印刷 サンエムカラー
      印刷設計 松井勝美
      製版設計 谷口倍夫
   定価:19,440 円 (本体 18,000 円 + 税)
   Gallery916にて発売中

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   上田義彦写真展「A Life with Camera」

   Gallery 916
   4/10~7/26
   水~金 11:00~20:00
   土日祝 11:00~18:30
   月・火休廊 (祝日は開廊)

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◎写真展にて、特製ポスターを販売します。

写真展会場 Gallery916にて、特製オリジナルポスターを販売致します。
写真集同様、サンエムカラーが最高品質で刷り上げました。
上田義彦さんの世界を、B1とB0の大判サイズでご堪能ください。

   
   【B1ポスター 5種】
    1枚 ¥2,000+送料(税別)
    5枚セット ¥10,000+送料(税別)

   【B0ポスター 2種】
    1枚 ¥5,000+送料(税別)
    2枚セット ¥10,000+送料(税別)

   発売元 サンエムカラー
   Gallery916 にて発売中
   



| B1ポスター(5種) |

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| B0ポスター(2種)|

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「等伯の説話画 南禅寺天授庵の襖絵」

本日は、「等伯の説話画 南禅寺天授庵の襖絵」(青幻舎)をご紹介します。

表紙


南禅寺天授庵に収蔵されている、長谷川等伯晩年の名作といわれる三十二面の襖絵。
「商山四皓図」八面、「松鶴図」八面、「禅機図」十六面から成り、禅宗にゆかりのある主題・説話が描かれています。
2009年より東京芸大の須賀みほ先生のもと6年がかりで記録撮影・造形研究が進められてきました。その成果としてデジタル技術による複製が制作され、先月31日に南禅寺天授庵に奉納されたことがニュースにもなりました。

本書は、その調査研究の成果を基にしてまとめられた図録です。
32面からなる襖絵すべてが、実際の配置構成にしたがって紹介されています。
画像と対応して、描かれた図像や説話の解説も収録されています。

商山1

商山2

商山3


「商山四皓図」より。全体配置・各作品の大きな画像・実際に室内にしつらえた様子が収録されています。

襖絵は、空間全体が物語を構成する空間芸術。
鑑者の目線の変化や、襖の移動によっても表情が変わります。
須賀先生は、南禅寺天授庵の襖絵を「等伯自身の大成の作であるとともに、日本のナラティブアートの傑作」と評します。


南禅


表紙に使われている猫は、〈禅機図〉の一場面〈南泉斬猫図〉より。
解説によると、題名のとおり、このあと猫は・・・

コミカルにも見える自在な筆致で、巧みにモチーフを描き分けていることが分かります。


南禅アップ


こちらは上のページの拡大。
研究の一環として撮影された画像だけあって、細かな筆致のみならず、貼り合わされた和紙の厚みや、表面が剥がれ落ちた跡までくっきり。


今回も、印刷には高精細のFMスクリーンを採用。数多くの国宝級の書画のレプリカを手がけてきた弊社相談役・松井勝美自らが陣頭指揮をとり、印刷にあたりました。

寄って、引いて、その場にいるように作品を体感できる一冊です。


南禅寺天授庵に奉納された襖絵は、今月12日まで公開中。
本書で予習をしてから拝観されてはいかがでしょうか。


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『等伯の説話画 南禅寺天授庵の襖絵』
著 須賀みほ
発行 青幻舎
印刷 サンエムカラー
   摺り師 松井勝美
   プリンティングディレクター 谷口倍夫
仕様 A4変形 104ページ
定価 2800円+税
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福本潮子作品集「藍の青」


藍染め作家・福本潮子さんの作品集「藍の青」(赤々舎)をご紹介します。

福本潮子作品集表紙

ひと目でその存在感に惹きつけられる一冊です。


京都市立美術大学西洋画科(現・京都市立芸術大学美術科油画専攻)で学ばれた福本さんは、さまざまな美術動向や技法に触れながら「青」の表現を探求してこられました。
そんな中で出会った藍染めの青に魅せられ、制作を開始。
伝統工芸の技法や様式を用いながら、現代的な感覚に溢れる作品を多数発表されています。2014年には京都府文化賞功労賞を受賞されました。

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夜空の星、窓の隙間から差し込む陽光、水面のきらめき、そんな束の間の光を布に焼き付けたような作品の数々。
藍の繊細なグラデーションと布の優しい質感を表現するのは、印刷でも至難の業。
用紙選択、色校正もこだわりぬき、ようやくたどりついた本刷り。

緊張感あふれる印刷立ち会いの様子。中央が福本さん、右が赤々舎の姫野さんです。

立ち会い

集合写真

最後は松井相談役と一緒に笑顔でパチリ。




つづいては製本です。
背

本文用紙はもちろん、表紙のボール紙も複数の素材から福本さんがチョイス。
コデックス装の背の部分には、表紙の写真にもなっている作品《青い儀式》そのものを裏打ち・断裁してあしらいました。

印刷から造本まで随所に福本さんのこだわりがぎっしり詰まっており、まさに、「作品」と呼ぶにふさわしい一冊です。
是非とも手にとってご覧ください。



現在、大阪のアートコートギャラリーでは出版記念展が開催中。
こちらも足を運んでみたいですね。





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福本潮子作品集 藍の青

発行 赤々舎
アートディレクション 福本潮子、デュウェル八木智紗
デザイン デュウェル八木智紗
印刷 サンエムカラー
   プリンティングディレクション 谷口倍夫
   進行 臼井彰
定価:8,000円+税

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福本潮子作品集出版記念展―藍の青―

アートコートギャラリー(大阪市)
2015. 3.13[fri] ~ 4.11[sat] *日・月休廊

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中藤毅彦写真集『STREET RAMBLER』第24回林忠彦賞受賞!!

写真家の中藤毅彦さんから、嬉しいニュースが届きました。

当社で印刷を手がけさせていただいた写真集『STREET RAMBLER』(ギャラリー・ニエプス刊)が、第24回林忠彦賞を受賞されました!

中藤さん、おめでとうございます!!


林忠彦賞については コチラ


表紙

『STREET RAMBLER』は、ニューヨーク、ハバナ、モスクワ、上海、ベルリン、パリ、東京の7都市のストリートスナップで構成されています。
都市の見せるさまざまな顔が劇的なコントラストで切り取られており、
一枚一枚の写真に迫力があり、とにかくクールに研ぎ澄まされています。


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シャドウ部分を力強く表現するため、印刷はスミ2版、特色グレー1版のトリプルトーン
サンエムカラーならではの圧倒的に濃度のある印刷で、さらに迫力ある作品に仕上がりました。

印刷には中藤さんが立ち会い。
立ち会い



大判の上製本で、どっしりとした量感も素晴らしいです。
重厚感がありながら洗練された装丁デザインは、秋山伸さん。
是非とも手にとってご覧いただきたいです。




中藤さん、秋山さんからコメントをいただきました!

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◎中藤さんからのコメント

写真集「STREET RAMBLER」は、僕自身の作品であると共に、デザイナーの秋山伸さんのセンスと印刷のサンエムカラーのスタッフの皆様のプロの技の結晶と思っております。

自分のプリントの持ち味である粗粒子ハイコントラストの黒の締まりとトーンの両立という難しいせめぎ合いを、ギリギリまでインクを盛った攻めの印刷で見事に形にして頂きました。
この印刷の成功によって力を得て、今回の賞においても、自信を持って応募に臨む事が出来ました。おかげさまで、第24回林忠彦賞受賞という形で、大きな評価を得る事が出来た事は、大変嬉しく光栄に思います。
本当にありがとうございました。


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◎デザイナー 秋山伸さんからのコメント

中藤さんから、はじめてこの本の出版について相談を受けたのは2012年の夏だった。それ以降、たまに会って雑談をするだけで、具体的にはほとんど何も進まなかった。2014年の8月末に、ふと思い出した私からの問い合わせで、11月頭のパリの個展に見本を間に合わせる必要があることを知った。あと2ヶ月しかない! 別の仕事も抱えていたので、版型や頁数、印刷方法などの仕様検討とテスト印刷で最初の 1ヶ月が過ぎてしまった。10月に入って、何度かの本文のフォーマットに関するやりとりを経て、具体的なページ・レイアウトにとりかかったのは20日くらいからだったが、幸い写真の順番は中藤さんがしっかり検討済みだったので、デザインは1週間後にはほぼ完成した。10月末から始まった印刷は、スムーズだった。予想はしていたが、印刷立ち会い中の中藤さんから「(サンエムカラーさんは)さすが最高です。何も言うことはありません」とのメールを受け取って安心したものだ。

今回の印刷の特徴は、シャドウの濃度だが、高濃度墨をつかってもダブルトーンには限界があり、中藤さんの要望はそれ以上のものだった。サンエムカラーさんからトリプルトーンを提案され、テスト印刷で見てもらうと直ぐに中藤さんのOKがでた。作家のイメージを的確に把握し、相応しい技術的な提案ができるのも、数多のアーティスティックな写真家と共同作業をしてきたサンエムカラーさんだからこそなのだと思う。あと、単に3版使えばトリプルトーンがうまくいくかというと、必ずしもそうではないことも付け加えておきたい。インクの絶対量が多くなる印刷面をどう管理するかということにいくつもの技術が潜んでいるのだ。

林忠彦賞の審査評を見ると、写真のコントラスト表現がポイントになっていることがわかる。すなわち、サンエムカラーさんの技術が受賞に大きく貢献したのだと私は思っている。営業の前川様、プリンティングディレクターの谷口様、そして要所要所に印刷全体を見て下さった松井相談役様、ありがとうございました。


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中藤さん、秋山さん、ありがとうございました!

今月17日より、東京・富士フィルムフォトサロンを皮切りに受賞記念写真展が開催されるそうです。
こちらも是非、足を運んでみたいですね。


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『STREET RAMBLER』
中藤 毅彦


発行 ギャラリー・ニエプス
デザイン 秋山 伸 (エディション・ノルト)
印刷・製本 サンエムカラー
クロス張り上製本 B4変形 192ページ
定価7000円(税込)
http://takehikonakafuji.com/shop/index.html

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第24回林忠彦写真賞 受賞記念写真展

東京展 2015年4月17日(金)~4月23日(木)
富士フィルムフォトサロン

周南展 2015年5月15日(金)~5月24日(日)
周南市美術博物館

東川展 2015年11月29日(日)~12月13日(日)
写真の町 東川町文化ギャラリー

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