今回は食事が出来なかった頃のことを書こうと思う。

クリーンエリアにいる間は吐き気がひどく、何も食べることが出来なかった。

以前書いたように、栄養はすべて点滴から摂っていた。

水分も点滴だけだ。

 

不思議なことに、お腹は全く空かなかった。

約2か月何も食べなくても、お腹がグーグー鳴ることはない。

点滴だけで十分栄養が足りていたのだろう。

ただ、空腹にならないからといって、食べたい気持ちまでなくなるわけではないようだ。

 

元々は食事に興味がなかった

私は白血病になる前から、あまり食事に関心がなかった。

食事は栄養補給のための作業だ。

必要な栄養が全部入ったサプリメントがあるなら、それだけ飲んでいれば一番効率がいいと思っていた。

だから点滴だけで栄養が摂れる状態は、ある意味理想だったのだ。

 

ところが、食べなくなって1か月ほど経った頃から変化が起きた。

毎日ラーメンの画像を検索するようになったのだ。

こってり豚骨はきついかもしれないから、あっさり塩ラーメンかな…

つけ麵も捨てがたい…

それに飽きるとモスバーガーのメニューを見る。

 

食事に興味がないと思っていた私でも、好きな食べ物はちゃんとあったらしい(;・∀・)

退院したら、最初に食べるのはラーメンだ。

毎日そう考えていた。

 

遂にカップ麺を食べる

クリーンエリアでの生活が長くなり、とうとう我慢出来なくなった。

家族にカップ麺を持って来てもらった。

看護師にお願いしてお湯を入れてもらう。

3分待つ。

そしてフタを開けた。

 

………

 

その瞬間、猛烈な吐き気が襲ってきた。

慌ててトイレへ向かった。

見ているだけなら平気だった。

でも匂いを嗅ぐとダメらしい。

 

吐き気が少し落ち着いてから、一口だけ食べてみる。

味がしない。

スープも麺も、何の味もしなかった。

まだ味覚は戻っていなかったのだ。

結局、その一口だけ食べて、残りは全部捨てることになってしまった。

 

食事への考え方が変わった

今でも、「食事の時間がなければもっと効率がいいのに」という考えはまだ残っている。

でも、この経験をしてからは、食事をただの栄養補給の作業とは思わなくなった。

食べられること。

味がわかること。

それは当たり前ではない。

だから今は、一口一口味わいながら食べるようになった。

 

またいつ食事が出来なくなるかわからない。

だから味を感じられる今のうちに、そのおいしさをしっかり記憶しておこうと思っている。

 

 

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