今回は一時退院中に関東へ行ってみたときのことを書く。

 

関東へ行く決意

借りている部屋の整理をしないといけないので、関東へ行くことを決めた。

問題はどうやって行くかだ…

新幹線、飛行機、バス…

バスはさすがに体力的に無理だろう。

飛行機も気圧の変化が大きいので、今の体に何か起きるかもしれない。

結局、一番無難そうな新幹線で行くことにした。

家族にはかなり心配されたが、一人で向かうことにした。

 

久しぶりの外出

この頃は最後の抗がん剤治療から少し時間が経っていた。

頭には産毛のような髪の毛が1cmほど生えていた。

ただ、まだ髪が弱々しいので、普通に髪を1cmに切った人とは全く見た目が違う。

頭全体が黒ではなく、どこか灰色っぽく見えるのだ( ;・∀・)

帽子をかぶるか迷ったが、そのまま行くことにした。

 

道中は特に何事もなく、新幹線も問題なく到着した。

面白い出来事も特になく、無事に部屋へたどり着いた。

 

 

久しぶりに入った部屋は、少しホコリっぽい匂いがした。

自分の部屋なのに、どこか他人の部屋へ入ったような不思議な感覚になる。

 

部屋では断捨離のようなことを始めた。

小物を一つひとつゴミ袋へ入れていく。

本棚や机の上に残っていた物を見るたびに、病気になる前の生活を思い出した。

それらを捨てていくうちに、これまでの人生を整理しているような気になった。

本棚に並んだ本、使わなくなった生活用品、学生時代から使っていた小物。
ゴミ袋へ入れるたびに、

「もうここで生活することはないんだな」

と思った。

上司との再会

翌日は会社の上司2人と面談をした。

昼時だったので、「食事でもしながら話そう」と言われ、駅にあるインド料理店へ入った。

入ってから気付いた。

インド料理って、ほとんどカレーじゃないか…( ;゚Д゚)

抗がん剤の影響で口の粘膜が弱くなり、辛い物は控えるように言われていたのに…

 

店員に辛さを聞かれ、

上司2人は

「辛口で。」

「中辛で。」

と注文する。

 

私は迷わず、

「甘口で。」

と言った。

すると店員のインド人が、

「えっ?!甘口っ?!!」

と驚いていた。

 

いいじゃないか。

甘口を頼む人がいても…

 

運ばれてきたカレーを見ると、中辛のカレーにクリームソースがかかっているだけだった( ;・∀・)

少しヒリヒリしたが、何とか食べ切ることができた。

 

上司たちは、すっかり見た目の変わった私を見て何を思っていたのだろう…

 

関東との別れ

数日間部屋で過ごし、大阪へ帰る日が来た。

帰りも新幹線で特に問題はなかった。

部屋を出るとき、

「もう関東へ戻ることはないのかもしれない。」

と考えていた。

 

そして、その予感は現実になった。

私はあの日以来、一度も関東へ行っていない。

実は最近、久しぶりに関東へ行こうと計画していた。

しかし、原因不明の全身の筋痛が悪化し、計画は中断したままだ。

 

病気になると、それまで当たり前に出来たことが出来なくなる。

関東行きは、部屋を片付けるための旅だったが、病気になる前の自分と一区切りをつける旅となった。

いつか体調が落ち着いたら、元気な状態で関東を訪れてみたいと思う。

 

 

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