【失うというほどではないが】
久しぶりに温泉に入ってきた。元々安いチェーンホテルが、「県民応援」とかの割引価格で利用できることも動機の一つである。
で、感想はというと、安いものに満足は伴わない、である。
ホテルは以前独立運営だったのだが、経営に行き詰まって全国展開の資本に買収された。買収後、室内や壁はリフォームしたようだが、廊下や階段は手を入れていない。客はそこまで気にしないと踏んだのだろう。そしてこのコスト感覚は食事にも適用されている。
【ハーフなのに食べ過ぎ】
飲み放題つき「創作和食膳+ハーフバイキング」というプランだったのだが、全ての料理が小ぶりである。和食膳の刺し身などほとんど親指大で、あれほどに小さな刺し身は初見であった。芸術的な細緻さに感動したほどである。ハーフとは、小さいという意味だったのだろうか。
味の方は推して知るべしである。それでも日常の食事とは異なることもあって、つい食べ過ぎたらしい。今日は腹の調子が変である。
【食えないので持ち帰るという正当化】
食堂では、バイキングにもかかわらず持ち込み容器にフライやたこ焼きなどを詰め込んでいる客がいた。一瞬、大陸系の人かと思ったのだが、よく見るとわが相方であった。そのいいぶんは、少ししか食べられないのだから留守番をしている中学生に持って帰ってもいいでしょ、である。
たしかに、二人とも胃を手術している。当方は半分ほど、相方は全摘である。ビールも酒も呑めない。元をとりたいというのが分らないではないが、入口に大きな字で「持ち帰り禁止」の紙が貼ってあったではないか。いやなによりも、常識の問題である。
【他人のふり】
というわけで、できるだけ話しかけず、他人のふりをしていたのだが、はたして周囲の人を上手く誤魔化せただろうか。