【祝学石男子駅伝大会新記録優勝】

 育英には敗けるのだろうと見ていた学石が優勝した。1区で1分近く引き離したのが大きい。競馬でも好きなパターンの、先行逃げきりである。小さな町での私立経営は大変だろうが、野球、陸上と部活で結果を出している。選手諸君はもちろん、経営陣の戦略と監督の指導には感服である。今度は野球をがんばって欲しい、と強く願うものである。

【可処分所得が増えても】

 さて、政局は1月通常国会での来年度予算に移ってきた。早速、自民国民連携で基礎控除見直しによる「年収の壁」引き上げが取りざたされている。具体的にどうなるかは来年3月にならないと分らないが、可処分所得が増えるのは間違いない。ただしその額はせいぜい数万円である。物価高を相殺し、国内消費を増やすとまでは考えられない。

 国民の大半は給与振込なので、手取り額や、社会保険料、源泉徴収にも無関心である。可処分所得が増えたから、今月はいつもとは異なる消費行動をとろうなどとはまず考えないだろう。増えた分が普通預金の額を増やすだけなら、景気刺激効果はない。教科書に書いてあるような、可処分所得が増えると国内景気は良くなる、とは限らないのだ。

【ケチった挙句の生活苦】

 また、「壁」の正体がはっきりとした。それがなくなって数万円手取りが増えるということは、「壁」の高さとはその程度のものだったということでもある。たった数万円の税が増えるのを忌避して、就業を調整していた、ということになる。

 (「社会保険による壁」もあるが、保険というサービス購入による支出減なので、税とは異なる。)

 もちろん、103万円の時と比較するともう少し金額は増えるのだろうが、今年の控除拡大額は基礎控除、給与控除共に10万円なので、大差はない。日本のパート労働者は、僅かばかりの税をケチるために、収入増加の機会を逃していた。配偶者手当て絡めて、そのような慣行を形成してきたのが日本の企業である。日本人の賃金を安く抑えるための、階級的な戦略だったのである。

【嘘つきが治らない】

 嘘はいまでも絶えることはない。かの竹中バカボンパパは、控除拡大は金持優遇だと発言していた。

 「控除額を一律に増やせば、高い税率が適用されている富裕層ほど、減税効果=恩恵が大きくなるのです」(みんかぶ12.15)

 実際には、中間層に厚く、高収入者に薄い変更となっている。国民民主の試算によると、年収600万円で5万6千円、800万円で3万8千円である。他人が大きく得をするなら自分の小さな得を放棄する。そのようなゲーム理論をひけらかして、控除拡大を妨害しようとした。

 パソナなどが儲けるために、賃金抑制を維持するためなのだろうが、日本経済低迷の一因は、このような人物が学者、政府関係人物として発言してきたことにもある。掲載するメディアとともに、信用してはならない。

【焼け石に水とはこのことか】

 円安で物価は上がり続けるだろう。所得税が減税されても、実質賃金の低下は止まらないだろう。残念だが、貯蓄が増えるだけかもしれないなど、余計な心配なのかもしれない。エンゲルスを見習い、奪われたものは金融市場における才覚で取り戻す。それしかないようですね。