【勝者は寡黙】

 高市が消費税減税に関してぴたりといわなくなった、そうである。経団連等の懸念の声に配慮して早々に方向転換した、というよりも、例の「勝てる戦で余計なことはいわない」戦略に即してのことなのだろう。

【格闘の減税案】

 ただ、減税反対論は財界だけのことではなく、オールドメディアにも根強くある。3日の朝日新聞には、「各党の財源案」と題する、すべての党の財源案は実効性が疑わしいとする記事が掲載された。以下のようなものである。

<政党名>(消費税をめぐる主張=減税収)「財源」と続き、最後は不足額となる。

<自民%維新>(食料品2年間0%=5兆円)「租税特別措置(租特)見直し、各種の補助金を整理」2.9兆円で2兆円不足

<中道>(食料品恒久0%=5兆円)「当初2年間は基金9兆円返納で新設するファンドの収益を充当」実現可能性「未知数」

<共産>(税率5%=16兆円)「大企業(23.2%→28%)、富裕層(55%→65%)への増税」5.5兆円ほどで10兆円不足

【使い道が決まっているとされる臨時収入】 

 税の自然増に関しては、前年度比で5.9兆円の増加があるが、地方交付税や、人件費、国債費、社会保障費などに費やされる。不足するほどであるとする。高市が「ホクホク」と言及した外為特会剰余金も、軍事費に充当する。とにべもない。税の増収を見込んで支出増を計画していたとでもいのだろうか。

 というわけで、代替財源が不確か、廃止など荒唐無稽、とする論調である。

【敵に塩】

 ただ、完全に不可能という訳でもない。財務省は、減税は不可能との算出例を新聞に示し、報じさせたたのだろうが、その中に実現可能性が秘められている。中道案と共産案を足してスカムを除いた上で、2で割る策である。

 「大企業(23.2%→28%)、富裕層(55%→65%)への増税」5.5兆円で、「食料品の恒久0%」5兆円が可能になる。あとはやる気の問題である。ここは共産党が妥協して、減税対象品目を全品目から食料品へと変えた提言をして欲しいものである。

 しかし問題は、まさにその辺にある。自民は消費税減税などやる気がない。社会保障以外に歳出削減もやる気がない。国民に夢を見せて票を得ようとしているだけである。それでも、有権者は、選挙後の減税に夢を見る。投票する。

【後の祭り】

 しかし消費税減税は宝くじと同じことで、夢を見るだけで終わることになる。減税になる。スーパーでの支払いが減ることになるとの夢である。開票後に国民は、夢から現実に蹴落とされる。食料品減税がなされても本体税率引き上げでもっと酷いことになったりする。そうなって国民はようやく、外れくじを買ってしまったことに気づき、落ち込むことになる。ほぼ確実である。