生後半年以降の母乳は
もう栄養はない?!
薄くなってる?!
水みたいなもん?!
というセリフをぶつけられた経験のあるママさん
多数いるかもしれません。
実家のお母さんだったり
小児科の医師だったり。
昨日、夫からもそんな話しが出まして。
彼は今
資格試験を受けるために授業を受けているのですが、
そのひとコマで栄養士の講師から
そのような説明があったと。
なんてことを言うんだ!
と、憤慨しながら夫には説明しましたが、
翌日にたまたま読んだ本にも
こんなことが書かれていて…
火に油を注ぎましたね、完全に。
で、ヤケになって
真夜中に資料を探しまくるはめに。
さて、長くなる予感ですがお付き合いください。
まず、母乳の変化について。
産後1週間くらいは、初乳という特別なお乳が出ますよね。
黄色く透明で粘度の高いのが特徴。
たんぱく質が多く、成長因子や抗体の豊富な、
消化の未熟な新生児にぴったりの構成。
ここから、赤ちゃんの成長に伴って刻刻と変化していきます。
赤ちゃんの身体が必要とするものに合わせていくのです。
2週間も経つと、成乳と呼ばれる白くてサラッとしたお乳に変わります。
脂肪分や糖質の割合が増えます。
ぐんぐん成長する赤ちゃんに合わせた変化。
朝と夜でも変わるし
季節でも変わるし
授乳の前半と後半でも変わるし
(始めは脂肪分の少なく食欲を増進する構成、後半は脂肪分の高い満足感を高める構成)
まさに
オーダーメードの一期一会の特注品。
で、半年経つと薄まるの?
かな?
泌乳期(日) | 3~5 | 6~10 | 11~15 | 16~30 | 31~60 | 61~120 | 121~240 | 241~482 | ||||||||
季節 | 冬季 | 夏季 | 冬季 | 夏季 | 冬季 | 夏季 | 冬季 | 夏季 | 冬季 | 夏季 | 冬季 | 夏季 | 冬季 | 夏季 | 冬季 | 夏季 |
全固形分(g/dl) | 12.3 | 13.1 | 12.5 | 12.9 | 13.1 | 13.0 | 12.7 | 12.9 | 12.5 | 12.6 | 12.1 | 12.4 | 12.0 | 12.2 | 11.7 | 11.8 |
粗蛋白質(g/dl) | 2.04 | 2.21 | 1.94 | 1.93 | 1.68 | 1.63 | 1.53 | 1.46 | 1.36 | 1.33 | 1.17 | 1.18 | 1.09 | 1.13 | 1.13 | 1.11 |
脂肪(g/dl) | 3.06 | 3.38 | 3.34 | 3.47 | 3.99 | 3.74 | 3.74 | 3.67 | 3.71 | 3.81 | 3.51 | 3.71 | 3.72 | 3.56 | 3.18 | 3.26 |
乳糖(g/dl) | 5.16 | 5.24 | 5.29 | 5.56 | 5.59 | 5.58 | 5.83 | 6.12 | 5.89 | 6.22 | 6.03 | 6.38 | 6.15 | 6.33 | 6.10 | 6.44 |
灰分(g/dl) | 0.32 | 0.29 | 0.31 | 0.33 | 0.26 | 0.29 | 0.23 | 0.26 | 0.23 | 0.23 | 0.21 | 0.22 | 0.22 | 0.22 | 0.20 | 0.23 |
差引き糖質(g/dl) | 6.88 | 7.22 | 6.91 | 7.17 | 7.17 | 7.34 | 7.20 | 7.51 | 7.20 | 7.23 | 7.21 | 7.29 | 6.97 | 7.29 | 7.19 | 7.20 |
エネルギー(kcal/dl) | 63.2 | 68.1 | 65.5 | 67.6 | 71.3 | 69.5 | 68.6 | 68.9 | 67.6 | 68.5 | 65.1 | 67.3 | 65.7 | 65.7 | 61.9 | 62.6 |
ナトリウム(mg/dl) | 30.0 | 37.4 | 26.5 | 28.4 | 20.4 | 23.6 | 17.5 | 17.1 | 15.2 | 15.9 | 13.0 | 13.6 | 12.2 | 13.0 | 13.0 | 15.4 |
カリウム(mg/dl) | 74.1 | 73.4 | 70.8 | 75.8 | 61.4 | 62.4 | 57.7 | 60.5 | 53.8 | 55.5 | 45.7 | 51.7 | 47.4 | 49.9 | 46.1 | 46.7 |
塩素(mg/dl) | 62.8 | 74.0 | 57.5 | 59.1 | 44.4 | 50.4 | 41.2 | 40.5 | 39.6 | 42.1 | 39.8 | 41.6 | 39.7 | 41.9 | 41.5 | 44.6 |
カルシウム(mg/dl) | 30.3 | 28.4 | 30.2 | 29.9 | 27.4 | 27.2 | 28.2 | 27.8 | 29.3 | 28.6 | 27.5 | 28.3 | 25.9 | 26.0 | 23.1 | 23.1 |
マグネシウム(mg/dl) | 2.85 | 2.91 | 2.78 | 2.91 | 2.59 | 2.61 | 2.37 | 2.34 | 2.45 | 2.46 | 2.94 | 2.92 | 2.99 | 3.14 | 2.97 | 2.97 |
リン(mg/dl) | 17.5 | 16.0 | 18.7 | 18.4 | 18.2 | 17.8 | 17.2 | 17.4 | 16.2 | 15.9 | 14.0 | 14.5 | 13.5 | 13.6 | 12.8 | 12.2 |
鉄(mg/dl) | 43.3 | 46.9 | 39.6 | 44.4 | 45.7 | 43.2 | 36.7 | 39.8 | 34.8 | 35.9 | 27.7 | 29.5 | 25.4 | 25.1 | 20.9 | 28.2 |
亜鉛(mg/dl) | 487 | 549 | 411 | 434 | 352 | 373 | 280 | 302 | 207 | 226 | 125 | 139 | 80.9 | 98.7 | 62.5 | 76.2 |
銅(mg/dl) | 47.2 | 47.9 | 54.1 | 55.2 | 40.9 | 50.3 | 40.6 | 44.0 | 33.6 | 35.6 | 23.2 | 25.0 | 19.4 | 20.6 | 13.7 | 13.7 |
母乳の成分比較
月齢での変化を表から見てみます。
・蛋白質は、300日後には、初乳の約55%に、減少する。
・ミネラル(灰分)も、初乳の約70%に、減少する。
・乳糖は、300日後には、初乳の約120%に、増加する。
・脂質は、分娩20日後頃に、初乳の約120%にまで、増加するが、その後、減少し、分娩300日後には、初乳と同程度になる。
ようするにこの表からわかること
ようするにこの表からわかること
↓
たんぱく質とミネラルは減少するけど、糖分は増えて、脂肪分やエネルギーはほぼ変わらない。
たんぱく質とミネラルは減少するけど、糖分は増えて、脂肪分やエネルギーはほぼ変わらない。
さらに、
・ビタミンB1・葉酸・ナイアシンなどのビタミンは初乳より増える。
・ガングリオシド(感染防御因子)は減少しない。
これって薄まってる??
母乳の質が低下するから離乳食を食べるんじゃないんです。
赤ちゃんは身体がどんどん大きくなります。
必要な栄養量もエネルギーも増えます。
それを補う(補完)するための食事です。
そして、哺乳のための構造から、咀嚼の構造へお口が成長して、
手と口が連動したり、
寝返りがうてるくらい体軸が発達して、
ぼくも食べてみたい、という意欲が伴ってくるから食べるんです。
母乳の質が低下するから離乳食を食べるんじゃないんです。(2回目)
目的や理由をまちがって認識してしまうと、
焦ったり
早まったり
押し付けたり
悩んだり
迷ったり
傷ついたり
してしまうのではないかな。
しかも、それを白衣を着た「専門家」に指導されると…
グサッときますよね。
いろんな都市伝説?、
鵜呑みにしないで調べてみるとおもしろいですよー。
あ、わたしの記事も鵜呑みにしないでいいんですよー。
前述の本は、保育士さん向けの発達の本。
かなり断乳、特に夜間断乳をゴリ押ししていて
読んでいて不快極まりなかった涙
若い保育士さんが鵜呑みにしないことを願うばかり…です。