題名の通りですので決して楽しい話題ではありません。その手の話題を避けたい方はお読みにならない方がいいと思います。
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更にもう一つ。
自分は理学療法士(PT)という職業についており、PTとしてその場その場で、患者本人である父と、主たる介護者である母にとってのベストを探して選択しているつもりではありますが、あくまで私の一家という1つのケースについての記録です。公開するつもりではなく記録はしておりましたが、後々公開することになると、美化方向に修正してしまうかもしれないため、嘘にならずに正確に記録するため、リアルタイムで公開することにしました。
時間経過を無視して事実を連ねると、不幸の連続に見えやすい、それは不本意だから。世の中そう立て続けに不幸は続くもんでもない、、、一般的には。当事者がそう受け取ったとしても外から見るとそうでもない、、、一般的には。
今更事情を理解できる医療関係者以外の意見を参考にするつもりはないし,全く見ず知らずで字面だけでしかわからない他人様のケースに意見するほど無責任なPTではないのでコメント欄は閉じます.専門用語の注釈もあえてしません、ごめんなさい。
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患者(=私の父)病歴:
2000.12末 OPLLによる頸髄圧迫による痺れの訴え(+++),ほぼ臥床状態となる.運動麻痺(-).
2001.1上旬 神経症状急性増悪して,四肢麻痺となる.
2001.1.19 OPLLによる頸髄圧迫に対し,某大学附属病院にて頸椎椎弓形成術施行.
入院前後の特記事項:
急性増悪のため2W程度の最低限待機でオペ施行,空床は個室のみ.差額ベッド代は1日当たり2万程度で2W程度の入院.
麻痺はオペ後すぐに回復し,活動量の指示を守らずに勝手に動きNrs.に毎日強く注意される.そのため入院中は、不満が多くKP(=私の母)に対し,毎日患者本人より呼び出しの電話が入る.退院後HDS-R:28/30(私が行った)
退院後は,痺れは完全に回復せずほぼ床上生活となったまま8年経過.(同業者からの一番の突っ込みどころはここですよね。全く反論できません。)
2009.1 DM増悪.高血糖症状のためADL困難,部分的に介助が必要となる.
KPより救援要請を受けた娘(=私)より,地域包括センターに連絡.面談予約をとり,介護認定を依頼する.
CM,患者,KP,患者娘で面談.後日の介護認定にて要介護2と認定される.HDS-Rは10台.
CMが所属する訪問看護ステーションにて,訪問診療(週1回のち2週に1回),訪問Nrsによるリハ(週1回)を開始.(PTは在籍してない)
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ここまでが前提。
その後、丸5年、あしかけ6年、週1→2週に一度の訪問診療と、週1度の訪問看護で入院もせず在宅でなんとか凌いでいた。
紆余曲折あり、徐々に衰弱して現在要介護3。今年7月夜間に転倒した父親を起こそうとして母と患者息子(=私の弟、独身・極近居)が苦労した、と聞いた。今月に入って同じく転倒した父親を起こそうとしてKPが腰椎捻挫(俗称:ぎっくり腰)を発症。
緊急時には一人で行わず必ず24時間対応の訪看ステーションに連絡するように言われていたため、ステーションに連絡するが不在。(夜間は一人で対応しているため、他の家で呼ばれると出られないこともあるから仕方ない)。近居の患者息子も不在。何とか一人で対処したKPは、娘に連絡する。
当日KP,娘、CMと面談を行い方向性を確認する。更に3日後、訪問Nrs.とも同じメンバーで方向性再確認する。
・基本は在宅での看取り.
・介助量の増大もしくは、主たる介護者であるKPの体調が悪くなることが起こり得ることに対応できるよう,有料老人ホームでのショート及びミドルステイを確保する。(月あたり26万)
・訪問入浴介助(週2回)を即刻開始する.
その後訪問Dr.より、ターミナルであることを明言され、看取りの場所が自宅であることを確認する。←今ココ。
当家のケースの選択肢=在宅でのターミナルについて、今現在でのメリット、デメリットをまとめると、
メリット:
・介護者が、外出しなくてもよい.(=うちの母の場合、外部での介護になると、性格的に毎日患者を見舞うことは間違いない。遠くの施設や病院では体力的にも経済的にも負担が大きい)
・経済的な負担が、施設を利用する場合に比べると少ない.
・患者本人の精神的な安定が保ちやすい.
デメリット:
・介護者が他人を自宅に迎えることが精神的に負担と感じている.
・患者の状態によっては,介護量が増大して介護者の体力的に負担となることがある.
その他に、因果関係が明らかではないのでメリットに挙げませんでしたが、在宅の方が認知機能面の劣化が抑えられる傾向があるのではないかと思います。
本来は、通常とは違う環境に身を置くことは、精神的な刺激になるはずなのにもかかわらず、施設等自宅の外で認知機能面が低下する、というのは現場では割と良く見ます。施設から帰宅するたびに認知機能が悪くなる、という話も度々聞きます。
理由として、施設ではどうしても危険行為をする患者さんに人手をとられてしまうので、おとなしく寝たきりでいる患者さんの場合は、自宅に比べると声掛けなどの刺激が少なくなるために認知機能の低下が起こるということは考えられます。
しかし、文献的な根拠はないのですが、例えばシモの世話や入浴など、患者本人が「恥ずかしい」と感じる場面で他人の手を借りることは、人間としての尊厳を傷つけるのではないか、その結果として「わからなくなっちゃった方が気が楽」と思うことにより、認知機能が低下する可能性があるのではないのかと考えます。
そういえば、よく研修にいった手技でも「一番脳が傷つく時は、”自分がこれができなくなった”と認識する時」と習っています。(そこにも特に根拠となる学説はなかったと思いますが)。
今現在のところ、うちのケースでは在宅の方がメリットが多いというのが結論です。
ターミナルの今、パニックにならずに対応していける要因として、よい訪看ステーションに当たったこと、私と言う問題点と方向性を整理できる人間がいること、そして緊急時に対応できる経済基盤がしっかりしていること、があるかと思います。