先週と今週はシューカツがあったので、あんまり読まなかった。
「るり姉」椰月美智子
ターミナルのリハをやっていたせいと思うが、それだけでこの内容には抵抗感がある。
それよりも、一人ひとりの書き分けは悪くないが、肝心の彼女らが語る「るり姉」が普通の不思議ちゃんなだけで魅力が伝わってこない。一番人間臭い魅力があるのは、けい子さんだと思う。
これが「本の雑誌」の2009年上半期ベスト1ですってよ。ふーん。奇跡なんてそう簡単に起こらないよ、でもそういうわしも奇跡は起こってほしいとは思っているよ。
「ビブリア古書堂の事件手帳4」三上延
「GOSICK」のような安定感があるシリーズ。ついに実物が登場した、栞子さんのお母さん=TVドラマの方では安田成美。そう言えばドラマの方では、安田成美の「剛力彩芽が扮する栞子さんのしゃべり方の真似」が上手く、母娘に見える。さすが女優。
話は本に戻って、謎解きはかなりマニアックなので本好きでも無理でちょっと悔しい。しかし、三上さんの上級テクニックは、ミステリーを読む時の爽快感である「おお、そこか!」という完全に裏をかかれた感よりも一段上の、寸前で「やっぱりこいつか。私は初めからそうだと思ってました」と読者に「佐藤藍子乙」な、してやったり感を持たせてくれるところ。初めからわかってるのではなく、途中から気づくんですがね。これは完全に裏をかくより難しいと思う。
「吉祥寺の朝比奈くん」中田永一
恥ずかしながら、中田永一が乙一のサブアカウントとは知りませんでした。いわゆる「白乙一」。途中からパターン(アンサイクロペディアの残り5ページで云々、いうやつですね)が読めたので、最後はオチが読めた。普通に面白いし、乙一はやっぱり上手いですが、わしは「黒乙一」が好き。
「死者のための音楽」山白朝子
これも乙一のサブアカウント。白乙一寄り。妖怪度が薄目の恒川光太郎っぽい。不気味と言えば不気味で怖いと言えば怖いけど怖くない。乙一はやっぱり上手いですが、わしは「黒乙一」が好き。
「南の子供が夜いくところ」恒川光太郎
南国にも妖怪話があるとしたら、こんな感じかも。いいです、爽やかな怪談。頭の中で映像化して考えるとサイケだなあ。それ以前の恒川さんの世界は、墓場の鬼太郎のようなおどろおどろしさがあったのだが、この本の映像化はちっとも怖くない。墓地は不気味だと思うが、沖縄の亀甲墓はあまり不気味と思わないのと同じようなものか。
来週は、書類やら何やらまたシューカツがらみで何か起こりそうな予感。
論文も少し読んでおかないとならんな・・・。
本日の告白:すみません、本やシューカツだけじゃなくて、競輪に行ってました。大負けです(泣)