匂わないゴミ(中編) | 週刊さんでいリターンズ

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前編のあらすじ

メールを残して蒸発した若手社員を探しに彼のアパートまで行った
みかんせいじん(さんでいの相方)は、不動産屋での聞き込みの末
若手社員の大家さんを探し当て連絡を取る。事情を聞いた大家さんと
相方はアパートの鍵をもって部屋を開けようとするが。

相方が朝方叩いたドアは部屋の彼の部屋のドアではなかった。

実はそのドアの中に六畳一間の部屋が三つあって、その内の一部屋が彼の部屋なのだ。
三部屋の主は部屋の鍵の他にもう1つ共通の鍵を持ってそのドアを開けねばならない。
他の二部屋のうち一室は若いOLが住んでいるそうで、相方が尋ねた時間にはいるはずがない。
そしてもう一室は空室だという。道理で返事も人の気配もあるはずがない。
じゃ、さっき会ったおじさんは?
と考える間も一瞬、彼の部屋の前に出る。

「・・・・あたし開けるの嫌だからあんた開けてくれない?」
と大家さんは気味悪そうに言う。

ここで彼の死体を見つけることになるかもしれないが、それも何かの縁だろう。
相方は自分でも驚く程冷静にゆっくりと鍵を回した。
ドアをゆっくりと開ける。すると、、、

誰もいない。しかし何か白いものが足元に触る。
大家さんが「うわあ・・・・」と言ったきり絶句している。

その部屋の中にあったものは____

コンビニの白い袋に入ったゴミ。それも無数の。

ドアを開けた弾みでいくつかの白い袋が出て来て相方の足元に絡みついたのだ。
こたつとおぼしき突起物があるが、それも白い袋に覆われている。
その上に何かが乗っかっている。その他にはつけっぱなしのテレビ。

何が乗っているんだろう、と相方が部屋に足を踏み入れる。
音にならない音を立てて足が脛の中ほどまでも沈み込む。
感触から弁当の空箱だと知れた。最近の弁当のパッケージは密封性がいいから
ゴミにして放置しておいても匂いが出ないのだ。

こたつ(らしきもの)の上に置いてあった物はノートパソコンで、
スイッチを入れてメールボックスをチェックすると、メールはそのパソコンから
送られた事がわかった。

浴室はない。トイレも確認したが、いない。
そう、彼はここにはいない。さてどうしたものか。(続く)