当たり前のことだけど、時々忘れてしまうこと。
私は自然の一部であり、自然に還っていく存在であること。
「いのちの中にある地球 ~最終講義:持続可能な未来のために~」
デヴィッド・スズキ
辻信一 訳
デヴィッド・スズキ氏は、セヴァン・カリス・スズキのお父さん。
セヴァン・カリス・スズキは、1992年、彼女が当時12歳の時、リオで行なわれた世界地球サミットで、世界の指導者達を前に伝説のスピーチを行ったことで知られる環境活動家。
「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。」
学生の時に知った彼女のスピーチはとってもパワフルで、
今でも、いつも私を原点に引き戻してくれる。
(よかったら動画↓見てみてください!7分くらい。)
https://www.youtube.com/watch?v=N0GsScywvx0
彼女のお父さんであるデヴィッド・スズキ氏は生物学者で、環境運動家、ブリティッシュコロンビア大学名誉教授。
彼の本を読んで、やっぱり私の原点を思い出した。
そして、ヨガや気功が好きになった理由も。
私は土であり、空気であり、火であり、水であり、生物多様性の中の一部であり、私は地球の一部であり、私は宇宙の一部なんだ。
どこに生まれても、何を所有していても、どんな悩みや恐怖や思考があっても、まずは生命体の一つで、そして自然に還っていく。
と思うと、なんだか、ぐちゃぐちゃした思考が整って、ふわっと安心感や充足感に包まれる。
生きてるって、いろーんな生命体の遺伝子やいのちを受け取って、今、ここにいる。
当たり前のことだけど、時々忘れてしまうこと。
本の内容を一部、紹介させてください。
(以下、引用)
「太陽は、無数の生きものが栄えるいのちのエネルギー源です。光合成によって、植物は日光をとらえ、そのエネルギーを化学結合によって安定した糖の分子へと転換します。
(一部省略)
その植物を草食動物が食べ、その草食動物を肉食動物が食べるというふうに、動物たちも植物がたくわえた太陽エネルギーのおかげで生きています。
(一部省略)
どんな生きものも、酸素を使って糖を「燃やす」、つまり、炭素間の化学結合を解いて、そこにたくわえられた太陽エネルギーを解き放っています。そのいっぽうで、酸素を炭素につなぐことで二酸化炭素をつくります。太陽エネルギーをとりこむことによって、私たちは代謝し、動き、育ち、そして子づくりをします。だから、こういってもいいはずです。私たちは太陽の分身である、と。」
「人間はスピリチュアルな存在です。そして、いまほどスピリチュアルであることの意味が問われたことは、かつてなかったでしょう。スピリチュアルである、とはどういうことでしょう? それは、自分たちが自然から生まれ、自然を住みかとし、自然のおかげでよい人生を送り、死んだらその自然へ帰る存在であると知ることです。
ひとりで生物圏を救うことなどできるわけがありません。しかし、一人ひとりが、いのちの基盤である「聖なる元素」との調和のなかで生きることを、あきらめてはいけません。」
「“真の発見の旅とは、新たな土地を見つけることではなく、新たな目で見ることだ。” ~作家 マルセル・プルースト~」
(以上、「いのちの中にある地球」より)
「いのちの中にある地球 ~最終講義:持続可能な未来のために~」
デヴィッド・スズキ
辻信一 訳
NHK出版(2010年 第1刷)